皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
今日は山三三ツ屋染舗の107年目の開業記念日ですし、私が修業に行き45年になります。
さらに当ブログも開設して13年が経ちます、皆様ご愛読いただき心より感謝いたします。
令和7年3月5日のSTV(札幌テレビ放送株式会社)の夕方の番組のどさんこワイド179に
当店を取り上げていただきたくさんのお問い合わせをいただき誠にありがとうございます。
デレクターさんから古い店舗の写真が無いかを探していると、亡き師匠の新聞掲載記事を
見つけました。
師匠の掲載記事
29年前の平成8年(1996年)3月9日(土)産経新聞夕刊記事です。
昭和55年(1980年)3月26日に3年間の住み込みで大阪府岸和田市の
泉州生洗い本舗おくながで仕事の基礎を学びました。この当時のしみ抜き業界は
産地の京都の染色補正の作業法の超音波洗浄器を使用していました。
クリーニング業界でも京洗い・みけし洗いを立ち上げていた、東京の小出富勝先生も
超音波洗浄器を使用してのしみ抜き方法でした。
私の師匠はなぎさ洗いで基礎を学び、大阪でなぎさ洗いを導入した業者の人たちから
少しずつ技術を学び、大手のクリーニング店の着物の丸洗いの下請けをしながら、
腕を磨いて行った事を師匠から直接聞いています。
泉州生洗いでは当時はスプレーガンを使用してのしみ抜き方法でした。
スプレーガンと言ってもしみ抜き業者やクリーニング業者はお分かりですが、
一般の方は分からないと思います、高圧洗浄機(ケルチャー製)のを思い浮かべて
もらうと分かりやすいと思います。
下敷きのタオルの上にしみの付いたしみの部分を置いてスプレーガンで生地が傷まない
圧力で溶剤又は水を噴射して下敷きのタオルに汚れを移していく作業です。
タオルを四つ折りにして汚れた部分を効率よくスプレーガンで汚れをタオルに
移していく為にしみ抜き作業員一人当たりタオルが100枚位は必要な為です。
修業の初めはスプレーガンの能力を引き出す事の習得と汚れたタオルを洗いでした。
汚れたタオルを洗いたこ足に干す作業を一人で行っていました。
その後に一か月遅れて道内の研修生が入ってきたので、タオル洗いも交代でを行いました。
乾燥後はたこ足からタオルを外して畳む作業がありました。
平成8年から新型しみ抜き機のバキュームモーターを導入したのでタオル洗いからは卒業出来ました。
修業に言った頃は師匠も出張依頼で、店に不在な事も多かったので、師匠から学んだ事よりも
東北出身の2人の先輩に色々と学んびました。
しみ抜きを行うには、油性の洗剤や薬剤、溶剤、を使用します。また同じく水性の洗剤、
薬品を使用する為のしっかりと中和して使用薬剤を濯ぎ出す必要があります、油性の薬剤は
ドライ機での再洗い、水性の薬剤はスプレーガンを使用してのゆすぎ出しや全体的な水洗いを
行い薬剤を除去しています。この作業を疎かにするとしみ抜き箇所やその周りに経時変化で
薬品ヤケの黄変しみが発生、いわいるしみ抜きの後遺症です。
修業時代の初期の頃に「しみ抜き作業で使用した洗剤や薬品は中和とゆすぎ出しをしっかり
行わないと経時変化で黄変化する。以前おたくでしみ抜きしてもらいましたが、箪笥から
出してみると、黄ばんでいるけで、どうしてくれますか?と言われて責任がとれるか、
取れないだろう」といわれました。自分の仕事にきちんと責任を持つ事を師匠から学びました。
もっと良い方法がないかと仕事の技術的な事は、みけし洗いの小出先生や京都の染色補正師の
方達や他の流派の方達や和裁士の方達、クリーニング関係の先輩達や札幌染洗工業組合の各先輩
からも多くの事を学びました。
今回、古い写真を探していると札幌染洗工業組合員のしみ抜き屋の大先輩の職人の
京都桔梗屋ご主人の木下清さんの記事も見つけました。
地場産業1986
昭和61年(1986年)の冊子です。
この当時に豊平区と南区の助成金で製作した冊子と思われます。
京都桔梗屋ご主人の木下清さんの記事
この当時木下さんは札幌のしみ抜き屋の第一人者でした。
明治45年生まれで小学校卒業後に京都の桔梗屋の、のれん分けしたお店で修業して
独立して京都でしみ抜き店を開業していましたが、大東和戦争での出征され、
終戦後に札幌でしみ抜き店を開業されました。当店も昭和58年に私が修業から帰って来るまで
20年以上しみ抜きのお世話になりました。修業に行く前に木下さんから
「しみ抜きの最後は色掛けだから色掛けをしっかりと学んで来て下さい。」
とアドバイスをいただきました。
修業時代から現在にいたるまで、とても身になる教えとなっています。
師匠、木下さん、両親共に鬼籍に入りましたが、私自身も人生の折り返しを過ぎましたが
一日一日を職人としての人生を全うして行こうと心を新たにしていきます。
着物のお手入れと洋服のメンテナンスは
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士
職業訓練指導員・クリーニング師のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
〒062-0902
札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号
電話011-811-6926 FAX011-811-7126
営業時間 9:00~18:00
休日 日曜・祝日
メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp
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