皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます!!
胴裏が全体的に黄変化したので、自分で解いて外した状態で
洗い張りと仕立て直しのご依頼です。

村山大島袷(一部解き済み)
村山大島の表地ですが湯通しをしないで仕立てているので、
糊が残っていてバリバリですし、耳も吊っているので耳に
切れ目が入っていました。仕立て寸法が同じなので良いのですが
裄出し等寸法を出す場合問題になる場合が有ります。


新反胴裏
輸出羽二重胴裏となっていますが羽二重には、国内向けのものと
輸出向けのものがあり、輸出用に織られた広幅の薄手の羽二重を、
輸出羽二重といいます。明治10年頃より、群馬県の桐生などで
輸出羽二重が開発され、戦前はスカーフ用の生地として輸出されていました。
生産量は明治25年に約32万反をあげ、全国の30%以上のシェアを占めていたと
いいます。明治17年頃には福島県川俣に、その後は石川県、福井県などに技術が伝わり、
各地で輸出羽二重が生産されました。経糸と緯糸を交互に、規則的に配した織物で、
1本の経糸を細い2本に置き換えて織る平織りものを羽二重といいます。
一筬羽縦二重(ひとおさはたてふたえ)の織物です。このような織り方から薄くても
丈夫な生地になり、羽二重を二枚重ねると、光の加減でモアレ(木目模様)が浮かんで見えます。
輸出羽二重は、絹の白さと滑らかさ、しなやかさに優れていて、ストッキング用として
欧米の女性に好評だったといいます。明治から大正にかけて輸出が盛んになり、
夜会用手袋やストール、シルクハットなどに用いられたそうです。
輸出羽二重は、昭和初期には芸者衆が胴裏に用いたといい、現在でも胴裏に用いられています。
手触りがバサバサだったので一緒に洗い張りを行いました。

村山大島表地と八掛
解いた後には縫いを行いました。

洗い張り後の洗浄液
糊を落とす為に洗浄液+糊抜き剤の中に付け込むと糊と余分な染料が出て
真っ黒になりました。

抗菌加工中
ゆすいだ後に抗菌加工を行いました。
乾燥後に湯のしを行いました。

村山大島袷 洗い張り仕上げ後
表地は糊が抜けて柔らかくなりました。
胴裏と八掛はバサバサだった生地がしっとりして、縫いやすくなりました。
この後仕立てに行きます。
着物と洋服のお手入れは
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
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