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付下げ新反 産地での黄変しみ(経時変化) しみ抜き・染色補正について

2016年07月23日 | 着物(商品・新反・しみ抜き・染色補正)

皆様こんにちは

山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。

呉服店の在庫品の作家物の付下げの新反です。

無事嫁入り先が決まり仕立てる事に成りました。

作家物付下げ

作家物付下げ

生地端に全体的に黄変のポツポツとしみがありますが

仕立てに関係無い場所なのでしみ抜きはしません。

新反ですが、かなり古い反物の為に仕立て前に新反洗いをしました。

作家物付下げ 上前柄 

作家物の為に素晴らしいです。

作家物付下げ 上前 黄変しみ 

作家物付下げ 上前 黄変しみ 

上前柄の下で裾に近い所に大きな黄変のしみが有りました。

画像では薄い感じですが、新反洗いをする前はもっと濃い黄変のしみでした。

作家物付下げ 上前 黄変しみ しみ抜き後

しみ抜き作業を行って綺麗に直りました。

作家物付下げ 上前 黄変しみ

こちらのしみも同じ上前柄の裾付近の黄変しみです。

上から見ると薄く見えますが

作家物付下げ 上前 黄変しみ

蛍光灯(光源)に近づけて透かして見ると結構濃い黄変しみです。

 

作家物付下げ 上前 黄変しみ しみ抜き後

しみ抜き処理をして色掛け(染色補正)で直しました。 

作家物付下げ 袖柄 黄変しみ

こちらの袖の柄の近くに三寸位(12cm位)の黄変のしみでした。

作家物付下げ 袖柄 黄変しみ

こちらの黄変しみも蛍光灯で透かして見ました。

結構濃い黄変しみでした。

作家物付下げ 袖柄 黄変しみ しみ抜き後 

黄変しみ抜き処理をして色掛け(染色補正)で修正して直しました。

この作家物の付下げ新反になぜこんなに大きい黄変しみがあったのかは

産地での友禅染には高い確率で色々な故障が発生しています。

その故障を産地の染色補正に携わっている職人達のしみ抜きの処理を受けて

友禅染は一級品(A反)として市場に出てきます。この産地にいる職人さん達の

しみ抜き作業で使用する薬剤の水洗不良により薬剤の残留による経時変化による

黄変しみです。産地にも沢山の素晴らしい職人さんがいらっしゃいますが

一部の心無い職人によるしみ抜きでしみ抜きをしているつもりですが

実は後の黄変しみを付けている事に気づいていてやっている場合と

気づかずに作業をしている場合が有ります。

この職人さんの手に携わった着物はおそらくすべてが経時変化による

黄変のしみが発生しています。なぜかと言うとしみ抜きした上前と袖の黄変のしみが

同じ様な形状と色が一緒でした。厄介な事にしみ抜き作業の後早い場合は1週間から

長い場合は数ヶ月後に黄変が発生しています。産地の場合はしみ抜き後数ヶ月すると

全国の呉服店に出荷された後のために自分の行ったしみ抜きがどうなっているかは

確認出来ませんし、たとえ戻ってきても分からない様なシステムになっています。

当店等は今日やった仕事でもワンシーズン経つと又同じ着物が戻って来るために

自分が過去に行った品物で悪い場合はすぐに原因を探り修正 していきます。

「人の振り見て我が振り直せ」ことわざですが、何度かこのブログにも書いていますが

修行の初めに師匠からこの経時変化による黄変の事故は厳しく叩き込まれています。

私自身も薬剤の中和とゆすぎの不良は一番気を付けている事です。

 

着物のお手入れと染色補正は

厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる

山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。

〒062-0902

札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号

電話011-811-6926 FAX011-811-7126

メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp

ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp

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