皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
スーツのパンツに赤ワインのしみの付き、クリーニングの依頼を受けて自社工場で
ドライクリーニング後に赤ワインのしみ抜きを行った所、しみ抜き行った部分が
白っぽく退色したのでパンツのみをウエットクリーニングを行った所ジャケットと
パンツの色が違った状態で仕上がりました。クリーニング業界春の衣替えの為の
繁忙期の為に手が回らないので、この状態で納品して欲しいと言われたそうです。
担当者はお客様からのクレーム発生する事が目に見えている為に慌てて当店に直して
欲しいとのご依頼です。
スーツ(セオリー製)
淡いグレーのセオリー製のスーツです。
スーツ(セオリー製)品質表示
素材 表地ナイロン73%ポリウレタン27%です。
洗濯表示 液温は40 ℃を限度とし、手洗いができる、塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止、
タンブル乾燥禁止、日陰のつり干しがよい、底面温度110 ℃を限度としてスチームなしで
アイロン仕上げができる、石油系溶剤による弱いドライクリーニングができる、
非常に弱い操作のウエットクリーニングができる、となっています。
スーツ(セオリー製)パンツ
スーツ(セオリー製)パンツ 赤ワインしみ しみ抜きによる脱色
上下共にドライクリーニング処理後に赤ワインのしみ抜きを行い、しみ抜きを行った箇所が
白っぽく退色しています。原因を考えるとクリーニング店のドライクリーニングの溶剤管理が
悪く、汚い溶剤で洗い全体的に逆汚染している所に、赤ワインのしみ抜きの為に水処理
を行ったので、逆汚染した部分が綺麗になったと考えられます。
しみ抜きを行った部分が退色して白くなったのでしみ抜き部分のみの色掛け
(色修正・染色補正・染直し)を行えば問題解決したのですが、色掛けが出来ないので
上下一一緒にウエットクリーニングを行えば白っぽく退色した部分が直ると考え
パンツのみをウエットクリーニングを行いました。
自社工場の仕上げ(プレス)を行っているパート従業員さんも上下の色の違いに気付いていました。
スーツ(セオリー製)上下別処理による色の差異
ジャケットが白っぽくてパンツが黒っぽくなっている事がお分かりになりますか?
本来、スーツやスリーピース等の同一の生地の物は同時に洗う事がクリーニング店の
基本でありますし鉄則と思います。40年以上前の修業時代にもドライ機で上下別のタイミングで
ドライ機で処理して色が変わる事を聞いていました。
この様な現象が発生した後に再度同じドライ機で同一に洗っても直らない事も聞いています。
当店では受付の時点でパンツのみやジャケットのみの場合はスーツではないかとやスリーピースでは
ないかと声掛けする様にしていますし、亡き両親も大島紬のアンサンブル等の洗い張りの場合も
必ず確認とご了承を得ての作業を行っていました。
クレーム処理には莫大な時間とコストが掛かってしまいますし何より苦労して獲得した
お客様の信用を失い大切な顧客を失いと売り上げを失います。
顧客に納品前に対処する事が何より大切になります。
スーツ(セオリー製)上下一緒にウエットクリーニングと全体漂白
上下一緒に水処理と弱い全体漂白を行います。
赤ワインのに含まれているポリフェノール(タンニン)を酸化漂白を行っていないと
保管中の黄変しみになるリスクがあるます。また上下の色の差異を解消させる為です。
スーツを洗浄液に入れて少しすると黄色い色が出て来て、さらに時間の経過と共に洗浄液が
黒っぽくなりました。
スーツ(セオリー製)ウエットクリーニング濯ぎ中
しっかりと使用した薬剤を中和して濯ぎ出しました。
スーツ(セオリー製)色掛け(色修正・染色補正)後
ほとんど分からない位になっていましたが、お客様の記憶にある赤ワインの付いていた
場所を凝視して白っぽくなっているとのクレーム防止の為に色掛け(色修正・染色補正・染直し)を
行い、補正しました。
スーツ(セオリー製)仕上げ後
撮影場所が違い光源が違っている為に画像では違った色に見えますが、
持ち込んだクリーニング業者の担当者さんにきちんと確認してもらい
綺麗に仕上がったと確認してもらいましたので、読者の皆様は
ご安心下さい。
着物と洋服のお手入れは
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
〒062-0902
札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号
電話011-811-6926 FAX011-811-7126
営業時間 9:00~18:00
休日 日曜・祝日
メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp
ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp
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