皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
汗の付いたスーツをクリーニングに出した所、汗抜きドライを勧められたので
依頼をした所で仕上がった所、汗じみが落ちなかったので、落として欲しいと
しみ抜き・クリーニングの依頼を受けました。
スーツジャケット(コムサイズム製)
スーツ(コムサイズム製)品質表示
素材 表地ポリエステル75%レーヨン21%ポリウレタン4% 裏地ポリエステル100%
洗濯表示 家庭での洗濯禁止、塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止、タンブル乾燥禁止、
底面温度110 ℃を限度としてスチームなしでアイロン仕上げができる、石油系溶剤に
よる弱いドライクリーニングができる、ウエットクリーニング禁止、となっています。
スーツパンツ(コムサイズム製)
スーツパンツ(コムサイズム製)右前面 汗じみ・脱色
スーツパンツ(コムサイズム製)左前面 汗じみ・脱色
スーツパンツ(コムサイズム製)左後面 汗じみ・脱色
スーツパンツ(コムサイズム製)右後面 汗じみ・脱色
今年の北海道の夏は観測史上最高に暑かったので大汗をかいたと思います。
スーツパンツ(コムサイズム製)についていたタグ
汗ぬきDとなっているので汗ぬきドライクリーニングの処理を行う指示です。
10年位前からクリーニング店で汗抜きクリーニングや汗抜きドライのを行って
いるポップや看板を見かける様になりました。
スーツパンツ(コムサイズム製)についていたタグ
汗ぬきドライクリーニングの処理を行いても、汗のしみが落ちない事とこの部分の汚点に
ついてお知らせします。手を掛けますと脱色、変色、生地の損傷のおそれがあります。
ご了承願います。とタグが付いていました。
現在の商業クリーニングは低価格で、大量の品物を、大量の処理する為に
ドライクリーニングは最適な処理と考えています。ドライクリーニングは縮まない
型崩れを起こさない、色が落ちないと言うメリットがある反面水溶性の汚れやしみが
落ちないデメリットもあります。このスーツは汗抜きドライを行いましたが、
汗の成分の塩分残っている事とどれだけ汚れが落ちているか、気になりました。
白い部分をテストの意味でしみ抜きで水処理を行うと落ちるので、水洗い
(ウエットクリーニング)をした方が汗は確実に落ちるので、縮んだり色が出ないように
考慮して水洗い(ウエットクリーニング)を行います。
スーツパンツ(コムサイズム製)の水洗い後の洗浄液
水洗い(ウエットクリーニング)を行うと黄色い汚れが出て来て段々と黒ずんできました。
汗と溶剤の汚れが生地に付着していた事がわかります。
汗抜きドライってあまり汗が落ちないのか、汗を落とす限界以上に汚れていたのか等
考えました。やはり汗はドライクリーニングよりも断然水洗い(ウエットクリーニング)が
一番良く落ちる事がこの品物から分かりました。
スーツパンツ(コムサイズム製)右前面 汗による脱色
スーツパンツ(コムサイズム製)左前面 汗による脱色
スーツパンツ(コムサイズム製)左後面 汗による脱色
スーツパンツ(コムサイズム製)右後面 汗による脱色
水洗い(ウエットクリーニング)で白い塩分は落ちましたが、黄色く見える部分は
汗によって脱色(退色・色抜け)した部分なので、こちらは色掛け(色修正・染色補正)で
直していくので、一般クリーニングでは直せない領域になります。染色補正(色掛け・色修正)の
独壇場です。
スーツパンツ(コムサイズム製)右前面 色掛け(色修正・染色補正)後
スーツパンツ(コムサイズム製)左前面 色掛け(色修正・染色補正)後
スーツパンツ(コムサイズム製)左後面 色掛け(色修正・染色補正)後
スーツパンツ(コムサイズム製)右後面 色掛け(色修正・染色補正)後
ポリエステル素材75%の為に色が掛かりずらい事と色が合わせにくくて、
手間が掛かりましたが綺麗に補正出来ました。
スーツパンツ(コムサイズム製)仕上げ後
スーツパンツ(コムサイズム製)仕上げ後
綺麗に仕上がりました。
着物と洋服のお手入れは
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
〒062-0902
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