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創業106周年きものと洋服のお手入れ専門店 一級染色技能士の仕事事例と日常生活

紗袷 黄変しみ しみ抜き 正絹素材

2021年06月17日 | 着物(しみ抜き)

皆様こんにちは

山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。

いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます!!

呉服店から紗袷の黄変しみのしみ抜きのご依頼です。

紗袷

紗袷とは、薄手の着物2枚分を重ね合わせ1枚の長着に仕立てたものを紗合わせ、

あるいは二重紗といいます。重ねる布の重ね方で、紗と絽、絽と絽、

紗と紗があります。2枚の布が重なって出来る紗紋様の美しさや薄物を通して、

2枚目の絵柄が透けて見えるのを楽しむ着物で着用の時期は袷と単衣の間に

着用する贅沢な着物です。

紗袷上前衽(表側)黄変しみ

紗袷上前衽 黄変しみ

紗袷 上前身頃(表側)黄変しみ

紗袷下前身頃(裏側)黄変しみ

紗袷下前衽身頃(裏側)黄変しみ

表地が紺色の紗で裏地が淡いグレー地に山水柄が入っています。

上前、下前、掛衿に食べこぼしとみられる黄変しみがついています。

紺色の表地は黄変しみで脱色しています。裏地のグレー地は黄変しみになっています。

紗袷掛衿(表側)黄変しみ

紺地と淡いグレーの生地が合わせて仕立ててある紗袷ですが、紺地の部分を

黄変しみ抜きをすると紺地が脱色する為に淡いグレー地のみの黄変しみ抜きを

行う事ができますが、掛衿の部分のみは解いてしみ抜きを行わないでそのまま

黄変しみ抜きを進めると紺色の表地も脱色する可能性が有りますし、そのまま

色掛けを行うと裏地の淡いグレーに紺色の染料が移染するリスクがある為に

解いてしみ抜きをして、補修縫いをする事になりました。

紗袷掛衿(裏側)黄変しみ

紗袷掛衿(裏側)しみ抜き後

紗袷掛衿 しみ抜き・補修縫い後

紗袷上前衽(裏側)しみ抜き後

紗袷上前衽(表側)しみ抜き後

紗袷上前身頃(裏側)しみ抜き後

紗袷は、仕立てもかなり技術を要しますが、しみ抜きも表地に響かない様に

しみ抜きや色掛けの作業をしていかなければ行けないので、技術と経験を要す事に

なりますし、しみ抜き技術だけで無く補修縫いをしてくれる仕立て屋さんの技術も

必要になります。ある意味しみ抜き屋としての限界を超える事にもなります。

しみ抜き屋さんも仕立て屋さんも高齢化していく事になっていますし、道具や器具

のメーカーさんの廃業が続いています。物を大切にして来た先人達の素晴らしい文化を

少しでも長く引き継いで行ける願いを込めての作業になりました。

 

着物と洋服のお手入れは

厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる

山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。

〒062-0902

札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号

電話011-811-6926 FAX011-811-7126

営業時間 9:00~18:00

休日 日曜・祝日

メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp

ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp

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