皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
呉服店からの依頼です。
お客様のお子さんが小さい頃に着用された子供の晴れ着です。
お子さんと言っても現在40代後半だそうです。
白地に鶴疋田紅(つるひきたもみ)染めの柄の晴れ着です。
専門用語で申し訳ございません。
生地の色が白地です、柄が鶴で中が絞りの様に見えるところが疋田絞り染めの略称
紅(もみ)とは甚三紅(じんざもみ)の略称でと蘇芳(スオウ)による紅染めの代用染で黄みがかった紅色のことです。
江戸初期の承応年間(1652-1655)、紅花を使わずに『紅梅色 (こうばいいろ)』の絹布を
染めだした京の「桔梗屋甚三郎(ききょうやじんざぶろう)」が色名の由来です。
『甚三紅絹(じんざもみ)』との表記も。
江戸時代も華やかな紅赤系の色は人気でしたが、紅花をつかった紅染はとても高価であったため、
幕府によって度々 禁制になっていました。それに対し、蘇芳を使った甚三紅は安価に染められることから、
禁制にされることがなく、庶民達の愛好色として広まっていきました。(日本の伝統色より)
この紅(もみ)の色の染色の定着が弱く、洗い張りでもいつも洗浄液が真っ赤になります。
子供晴着 45年以上前の黄変しみ Before
赤ちゃんのミルクの嘔吐による45年以上前の黄変しみでした。
子供晴着 45年以上前の黄変しみ Before
白地にすで紅の色が出ています。紅柄のしみ抜きは無理をすると紅の色泣きするので大変です。
下前側の掛衿黄変しみ Before
上前衽の黄変しみ Before
左外袖黄変しみ Before
左内袖黄変しみ Before
揚げを全て解いて処置しました。
さすがに45年以上前の黄変しみ、手強かったですが、幸いにも生地が弱っていなっかった為に
しみ抜き薬剤を強く反応させる事が出来ました。心配していた色泣きも気を付けながら処置出来た事と
色泣きしても素早い処置で何とか乗り切れました。
ウイスキーの40年物ならば美味しいでしょうけどね。
掛衿上前側 しみ抜き後 after
上前衽 しみ抜き後 after
左外袖黄変しみ抜き後 after
掛衿 下前側 しみ抜き後 after
仕上げ後 畳んだ状態 after
糊が強くてしみ抜き後に水洗いを行いました。
ある意味自分の腕を試され様な仕事でした。
黄変しみ抜き、紅染めの色泣き防止と色泣きのしみ抜き 水洗い、色掛け
自分の習得した技術の集大の仕事でした。
自分の接客のお客様ではないので、直接の反応をうかがう事はないですが
お客様の笑顔を思い浮かべながら明日の活力とします。
着物のしみ抜きは、厚生働大臣認定一級染色補正技能士のいる。
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
〒062-0902
札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号
電話011-811-6926 FAX011-811-7126
メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp
ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp
営業時間 平日(月曜~土曜) 午前8時~午後6時
休日 日曜 祝日
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