皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
夏物の綿100%のスーツの塩素系の漂白剤が掛かり直して欲しいとのご依頼です。
良く見ると塩素系漂白剤が飛び散り細かい脱色が無数に有るのですが
その上が赤くなっていました。
お客様は何もおっしゃらないので、最近の塩素系漂白剤は何か別の成分が含まれ
赤く脱色したのかと、違和感を感じていました。
夏スーツ上着前身頃 塩素系漂白剤による脱色 Before
夏スーツ上着前身頃裏側 前塩素系漂白剤による脱色
最初に生地の汚れや残留薬剤を落とす為に水洗いを行いました。
赤い部分はびくともしませんでした。
色合わせの為に一箇所をテストで掛けて見ましたが
色が合わずに、合わなかって色を取り除くと赤い色が落ちました。
怪我の功名でした。水洗いで落ずに溶剤で落ちた為に顔料を使用した事が分かりました。
推測ですが、このお客様当店の前の色掛けの出来るクリーニング店か
しみぬき店に持ち込み、チョコレート色の地色に赤茶の顔料を掛けた事が分かりました。
慌てて残った赤い色を取り除くと以下のような状態になりました。
考えてみると白い柄が赤くなっている事など塩素系漂白剤では考えられません。
赤い顔料をはがした後
無数の脱色が現れました。
前身頃の塩素系漂白剤による脱色
この後色掛けして修正しました。
前身頃色掛け修正後(染色補正) after
前身頃色掛け修正後(染色補正) after
仕上げ(プレス)後 after
仕上げ(プレス)後 after
今回のスーツに関して言えば、自分の品物に対する感じ方の未熟さと受付時にきちんと
当店の前に他店に持ち込んでかをきちんとお客様に再確認する事の大切な事を学びました。
私の前に作業した方はなぜ赤茶の色を選択したか不思議に思いましたが
このスーツ太陽光で見るのと、蛍光灯の下とは全然色が違って見えました。
外の太陽光で見るとかなり赤く見えます(曇り空で直射日光ではありません) 赤茶に見えます
当店のカウンター蛍光灯と太陽光 こげ茶に見えます
アイロン台の上 蛍光灯40W二本照射 黒っぽいチョコレート色に見えます。
同じ品物ですが、太陽光と蛍光灯ではこんなに違って見えます。
きっとこの職人さんは窓際の作業場で色わせをしている事が推測されます。
それで赤茶の顔料を選択したと思われます。光源により色が違って見えたり
見る角度により色が違って見える事のトラブルも過去に何度も経験しています。
色掛けの難しい所です。
「能力を持った者はそれを正しく行使する責務が有る。」
この言葉はいかりや長介が志村けんに最後に送った手紙の一文ですが、
自分自身も、色掛けを習得した者の一人としてもっともっと探求していきたいと思います。
洋服のしみ抜きは、厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
〒062-0902
札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号
電話011-811-6926 FAX011-811-7126
メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp
ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp
営業時間 平日(月曜~土曜) 午前8時~午後6時
休日 日曜 祝日
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