陶芸教室 夢工房あすか

大分市内にある陶芸教室のブログです。
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日日是好日 / 連載5

2019-01-21 00:11:27 | 日日是好日/連載
 ー 「陶芸」 が教えてくれる 15 のしあわせ ー

第二章 「自分は何も知らない」 ということを知る
 <陶芸教室に通い始めた>
原宿駅から徒歩6分くらいの古い建物の地下にある陶芸教室に通い始めた。
平日ではあるが生徒さんが少ない。やっていけるのかななどと気になった。
陶芸教室はこんなものなのかも知れないと思ったりもした。
その内に、3,4回ほど一緒になったことのある30代くらいの女性の生徒さんが
フリーマーケットに作品を出すようなことを先生と話していた。
何回かフリーマーケットに出してるようだった。

私が 「売れるでしょう」 とさりげなく聞いた。
 「ガラクタですから売れません」 と言っていた。
私が作っているものもガラクタのように思えてきた。
好きなようにゆがんだものを作っていたのだが使えるものではなさそうだ。
その時から陶芸にも基本があるのではないかと思うようになった。

先生は陶芸の入門書を出版していた。買わないかと言われたので購入した。
カラフルな写真がたくさん載っていた。湯のみ、花びん、練り込みなどの作品や、
作陶の様子が写真で飾られていた。どのページも同じようなものだった。
作り方については、これといった説明がなされてないように感じた。
自由に作る教室だったのでそういうことになるのだろう。

私は、手びねりで好きなように好きな形のものを作っていた。
変形したものを手で作るのが面白かったので、電動ろくろには全く興味がなかった。
電動ろくろは2台あったが、生徒さんも少ないので空いてるときが多かった。
暫く経ってから、先生が 「電動ろくろもやってみたら」 と言うのでやってみた。

最初に土殺しという陶土を上げたり下げたりする芯出しをした。
両手で土を挟んで土を伸ばすのだが、全く上にあがらなかった。
 「全然出来ません」 と言ったら、先生は
 「力はいらないよ」 といって代わりにやってくれた。
先生は、額に青筋を立てて、額から汗が吹き出すように力んでいた。
 「かなり力がいるんだな」 と思った。後で考えてみると土が固かったようだ。

ある時に、電動ろくろをやってる生徒さんが二人で、土殺しについて
話しをしていた。ベテランらしき一人が、上に伸ばした土を下へさげる時は
 「左前方に押すのではなく、右前方に押した方がいい」 とかアドバイスをしていた。
そんなことを生徒さん同士で教え合うことだろうかと思った。基本があるのではないか、
自分がやっている手びねりも電動ろくろにも基本があるのではないかと思うようになった。
 「自分は基本を何にも知らない」 ということに気づいた。

そんなことを考えている間も無く、教室がやっていけないからと
クローズされることになった。この教室には2年間ほど通ったことになる。
そうだ、自分は陶芸の基本を何も知らない。基本を教えてくれる教室を探そう。
都内中を探してみたが、意外にも基本を教えてくれそうな教室がなかった。
陶芸とは 「習うより」 も 「慣れろ」 ということなのだろうか。


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