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北岳紀行② ~草スベリ・高山植物Ⅰ~

 お花畑という表現はおおげさなのでは?と、この山のガイドブックを見ながら思っていましたが、確かにお花畑というように、高山植物の草原が茂っていました。しかも、標高3000メートル近くの高山に・・・、なのです。

 

 白根御池を後に、一気に急斜面を直登します。きついですが、周りの草花に気持ちも和みます。よくもこんな高いところに咲くものです。比較的にどれも小さな花をつけていて、良く見ると、ハエとかハチのような小虫がついています。

 色でいうと黄色っぽいもの、白色系統のもの、ピンク・赤紫系の色、ブルー・青紫系のものに分類できるようです。

黄色いもの

    
      ミヤマアキノキリンソウ          ウサギギク       

 一番の目的は、この花の写真が撮りたかったのですが、道を間違えたショックや、極度の疲れ、果たして上の小屋までたどり着けるか、空も暗くなってきて天候も気になるし・・・・、などで、ゆっくり観察するゆとりがありません。息を整える間にポケットデジカメで、とりあえず撮ってはおいたものの、多くがピンぼけで失敗。

白いもの

    
                                  ミヤマシシウド    
          
                          ミヤマコゴメグサ        

 花の名前を調べるのですが、現地で図鑑を見るゆとりがないため、後で写真から判断するというのはなかなか難しいことでした。微妙に違い、種類も多い事にびっくりします。

    
 小太郎尾根直下、二俣と白根御池へとの分岐点               ハハコヨモギ      

 白根御池から、花の草むらを一気に上り、ダケカンバの樹林帯を抜け、ほんとうにきつい登りに嫌気が差す頃、再びお花の草原となりました。上の方に登山者が休んでいます。どうやら、別のコースから来た人らしいのです。そこは、②の右俣コースとの合流地点だったのです。ここまでくれば、先は見えたようなもの。登頂の手応えを感じた瞬間でした。ここから小太郎尾根の稜線に出るまで、ひと登りすると、いよいよ稜線に出ました。雲の合間からすばらしい展望が見え隠れします。

 
小太郎尾根の稜線に出る。ペンキでルートを示している。
 ホッとする間もつかの間で、高山の稜線で天候が急変。

 山の鉄則は早出早着、午後3時以降の行動は危険なのです。この時、すでに4時を回っていました。コースを間違えたツケがここに来てやってきたのです。ポツポツと雨が降り出し、雷が鳴り出しました。最も恐れていた状況です。カッパを出して雨対策をしようとするメンバーを止めて、一瞬でも早く肩の小屋へと急ぎました。雨足は強まってきました。雷の音も大きくなっています。思った以上に長く感じた道のりでしたが、霧の中に小屋が見えた時はホッとしました。山小屋ってありがたいなぁ・・・と、感じたものです。
 到着と同時に、どしゃぶり状態。からくもセーフでした。

     途中で天候の悪化

 ガイドブック標準は3時間のところ4時間かかって到着。広河原からは休憩も入れて8時間かかったことになります。中高年のパーティーとしては、ハードコースを良く踏破したものです。
 山小屋はシーズンを過ぎたものの、かなり込み合っていました。ここから山頂まではひと登り、明日にとっておいて、早く休みました。とにかく安堵しました。(続く)

 

コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
ドキドキ…… (某子)
2006-08-28 17:33:30
途中で雷雨になったんですね。

ドキドキしながら読みました。



それにしても、どうしてこんなにたくさんきれいな写真を撮りながらあれだけ高い山に登れるのですか???
 
 
 
→某子さん (tera)
2006-08-28 19:23:08
ホントに冷や冷やでした。冒険はいけませんね。反省しています。



いつもは、豊富な写真群から、チョイスして公開写真のブログの晴れ舞台に立つのですが、今回は選ぶように出せるような写真が無いのです。確かに登山と撮影は大変です。ポケットにカメラを入れて、小休止にバチリとやっていました。特に団体の場合は、リーダーと撮影とは両立しないかも知れません。大変でした。



 綺麗に撮れるというよりは、高山植物そのものが、過酷な自然を生き抜いている被写体なので、孤高で、オーラが出ているのかも知れません。
 
 
 
過酷な自然を生き抜いている植物 (白玉)
2006-08-29 10:28:07
 先生のコメントに納得です!確かに過酷な自然を生き抜いている植物は美しいです。その凛とした姿に頭がさがるような思いがします。自然から学ぶことは多いですね。

 話が飛んですみませんが、ヨガは、スポーツが苦手なわたしにもできる唯一の運動かもしれません。それは、他人と比較することなく競うこともなく、自分自身を見つめる運動なので心身ともに安らぐからです。

 きょうは、とうとう蝶がわたしの顔にとまっていました。人間としてのオーラが出ていないのでしょうか?!頬に蝶がとまった感じは不思議でした。鳥が頭にとまるという経験は何回かあるのですが、蝶は初めて。手ではなくて頬ですから、びっくりです。軽いかと思っていたら少しは重みがあるんですね。

 
 
 
 
よかったです (風月)
2006-08-29 13:53:13
無事に小屋にまで辿り着けて本当に安心しました。



しかし標識の表示には気を使って貰いたいものです。登山者の命がかかっているのですから。



私も高校生のとき登山部に所属していたのですが、八ヶ岳を登ったことが忘れられません。



綺麗な写真やブロッケン現象やら見せて頂いて感謝です。
 
 
 
→白玉さん (tera)
2006-08-29 14:50:53
帰ってきてから、花のことを調べてみて、生命力の強さに驚きます。そして、虫たちが受粉活動をしていることにも感動。



 心と身体は連動していますから、身体のケアはとても重要だと思っています。坐禅はヨガから発展したと言われますが、今の坐禅は、じっと座っているだけの精神論的な要素が強いのです。各部の身体を伸ばして精神的にリラックスするヨガの効能は大きいと思います。



 さて、チョウチョの話ですが、今年の三月に中国のお寺で、私の肩と頭陀袋に蝶が止まったのです。びっくりしました。畏敬のオーラがなかったのか、花のように仲間のつもりで寄ってきたのかは判りませんが、先生の場合は、いかにも明るく爽やかなひまわりのようなイメージがあるので、たぶん後者だと思います。その蝶はアゲハでしたか?

 蝶の重さを頬で感ずるなんて、素敵な世界ですね。
 
 
 
→風月さん (tera)
2006-08-29 15:02:12
山岳部だったのですかぁ。。。すごいですね。



数年前、うちの寺の山岳会で、八ヶ岳に行きました。硫黄岳、横岳、赤岳などのスリルを味わいました。そのときに怖い経験をしましたりで、充分に注意して万全を期したつもりだったのですが、やはり怖いですね。今回は安心なメンバーだったこともあり、うっかりと見落としてしまいました。

 南アルプスは比較的、充分な整備は遅れているかも知れません。最新の注意が必要ですね。
 
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