とある寺院の日記。苦労もあれば夢もあります。ごくごくフツウの毎日ですが・・・。
tera日記
北岳紀行④ ~大樺沢・高山植物Ⅱ~

稜線のパノラマを存分に楽しんだあと、一路下山の道へ。
頂上から肩の小屋に戻り、荷物を担いで、昨日、悪天候に見舞われた往路を戻ります。気持ちも晴れやか、下りは気が楽です。ところが、中高年事故のほとんどは下山路で起きます。自覚以上に足への疲労があり、バランスを崩し易いのです。慎重に足腰に重心をかけ続けると、膝を痛め(膝が笑う)、歩行に難儀します。
そこで、ゆっくりと、登り以上にあせらず下りました。草スベリの上部の分岐点から、本来登ろうとしていた右俣コースの方を選択して下りました。こちらもお花が咲いています。色によって区別されている訳ではないのですが、前回は黄・白系統を紹介しましたので、後半は、赤紫・青紫系統の花を紹介します。
ピンク・赤紫系
ヤナギラン ヨツバシオガマ
ハクサンフウロ <不明>
ピンク・赤系統の花は比較的少なく、名前もたぶんこの名だと思います。右俣のコースに沿ってポツンポツンと咲いていました。ハクサンフウロは、前日の白根小屋の後ろだったかも知れません。
ブルー・青紫系
チシマギキョウ
このチシマギキョウは、北岳山頂直下、数メートルの岩肌に寄り添うように咲いていたのです。この直前まで、念願の北岳山頂の頂上にあと一歩で届くと、胸が高鳴っていたのですが、そんな気持ちをよそに、淡々と咲いているこの花に足を止めました。カメラに収めながら一人で思わずつぶやいていました。
「オイオイ、私もここまで多くの苦難を超えて、30年越にやっとたどりついたのに、君たち、こんな高いとこで良く咲いてるねぇ・・・・」と。
直前までの霧に、水滴を沢山つけた青紫の花の美しさに、改めて感動しました。
そこは、まさに岸壁の世界なのですから。
写真の右上が山頂。この岩場の斜面に、チシマギキョウ、ハハコヨモギと思われる花が咲いていました。
A B
C D
草スベリ上部、右俣との分岐点近く(8月23日)に咲いていた花がA~C(順にアップしたもの)。鮮やかな紫が目に付きましたが、何の花かよくわかりませんでした。よく調べてみると、所謂トリカブトの類だと気がつきました。図鑑でみると、ミヤマトリカブト、ホソバトリカブトかとも思われますが、有名なキタダケトリカブトであるかは同定できません。
Dは、白根御池側の斜面に咲いていた蕾で、A~Cとは違うかも知れません。いかにも猛毒らしい、毒々しい色を感じました。
トリカブトについては、「とーさんの日記」で詳しく紹介していただいていますが、これがどれであるかはわかりませんでした。
ミヤマシャジン
当初予定していた右俣コースは、傾斜も緩やかで距離も短く、整備されていてとても快適でした。安全に楽に登るにはこのコースがおススメです。お花も沢山咲いています。
ダケカンバの林の中にも花が咲いています。ゆっくりと三時間ほどかけて大樺沢の二俣に到着。ここからは、北岳が目前に見え、岩登りのメッカとして有名なバットレスが間近に迫っているはずなのですが、残念ながら霧に煙って見えませんでした。沢側に目を向けると、冒頭の大樺沢の雪渓がありました。自然は大きいものです。
ここから、大樺沢に沿って一気に下ります。標準1時間半の行程ですが、ゆっくり派の私達はおよそ3時間かけて広河原に到着。バスの時間が合わずにかなり待ちましたが、のんびり芦安温泉に到着。市営の温泉ロッジで入浴550円はリーズナブル。最高の安らぎのひと時です。ビールを一杯と、やりたいところですが、都合で運転して帰らねばならず、家に帰ってからのお楽しみでした。
昨年は「来ただけ」の北岳。今年こそは頂上に立てました。目標を持って挑むということは、生きている幸せを実感できることでもあるなと思いました。
沢山の画像をUPしてご迷惑をかけたかも知れませんが、ご覧いただき有難うございました。(完)
北岳肩の小屋前の霧中に登る朝日
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時を超えて?先生とお話できて嬉しいです。
(前回書きました蝶の話は、シジミ蝶というのでしょうか?小さい蝶でした。)
ブログは、ほんとうに手軽に情報がやりとりできてすぐれものです。
小さな蝶が寄ってくる姿、微笑ましいですね。