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梅花の信心

曹洞宗の御詠歌は梅花流と名付けられていて、団体名を梅花講、通称「梅花」と呼んでいます。梅花に親しんでいる方々にとって、その味わいと信心の深まりには深遠なものがあるようです。

数年前に亡くなられた講員のおばあちゃんのことです。亡くなる数日前から、右手を上げてパタパタとふとんを叩いているというのです。おうちの人も病院の看護士さんたちも理由がわかりません。何かを伝えたくて呼んでいるのかと思うと、そうでもなさそうで、ずっと叩き続けるのだそうです一定のリズムで・・・。
この話を聞いた講員のお友達が確認すると、梅花の練習の時に、手で膝を叩きながらリズムをとる、いわゆる「拍をとる」という動作であることが判りました。
無意識の中でなお「拍をとる」修行の姿に、一同、感動を覚えたものです。

数日前に亡くなられたTさん。元気なうちは、寺に来て梅花のお唱えをするのが何よりも楽しい、と言っていました。ところが、ふとしたことで転倒して足を骨折してしまい、家での療養が続きました。家では毎日、1時間にもわたって御詠歌とお経を欠かさなかったそうです。家中がこの鐘とお唱えの音に慣れ親しんだということですが、際立って特徴的なのが、座敷内で居住する二匹のワンちゃん。ワンちゃんたちは、この音が始まると寄ってきて、気持ちよくウトウトするのだそうです。心地よい子守歌だったのですね。

もちろん癒されるのはワンちゃんだけではありません。
私は、梅花はあまり得意ではありませんが、ある講員さんの通夜の時にご詠歌を唱えたことがありました。次の時、この間のあの歌はやらないのかと言われ、何となく自信を得て、それ以来、「追善供養御和讃」や「無常御和讃」という御詠歌を唱えるようにしています。葬儀用に作られたと思われる曲に「追弔御和讃」という曲がありますが、悲し過ぎるのでなかなか唱えきれません。
そんなお唱えを聞かれたあるお嬢さんが、「亡くなったお父さんは歌が好きだったので、あの御詠歌に乗って天国に旅立ったような気がします」と言われました。

そのような縁もあって、高齢化の進む梅花講ではありますが、若い方の入講もボチボチ進んで来ました。是非、お勧めします。

                     
                                  練習風景
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
失礼いたします。 (tenjin95)
2008-04-24 18:47:37
> 管理人様

> 高齢化の進む梅花講ではありますが、若い方の入講もボチボチ進んで来ました。

檀信徒の顔ぶれを見ても、総じて高齢化が進んでいますけれども、若い頃から触れることで様々なメリットもあるのが仏教ですから、是非に、ご詠歌などにも足を運んでいただきたいところですね。
 
 
 
→tenjin95さん (tera)
2008-04-24 21:16:20
若い頃からの仏教、大切なことだと思います。梅花の高齢化問題も全国的な傾向ですし、何とか対策を考える必要がありますね。

当寺でも、諸縁の力によって入講される方が時折ありますが、まだ、大きな流れとはいきません。若い層の方々にメリットを感じていただくような仏教としたいものですね。
 
 
 
梅花の高齢化 (風月)
2008-04-25 13:08:15
どこの講も高齢化が進んでいるようですが、今若いという人たちが、仕事を離れて年をとったとき、また入ってくれるとよいですね。

今の若い人たちはほとんど仕事を持っているでしょうから。
 
 
 
→風月さん (tera)
2008-04-25 17:39:32
ほんとうに高齢化は深刻な問題ですね。確かに仕事を離れて入られる方が多いのですが、できれば、現役の時代からふれていただくように心がけています。

練習日も、土曜日などの休日に行うことを原則としていますが、仏事とのかねあいもあって難しいところです。
 
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