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2022年度向け 都立高校受験の基本<7> 定員割れは全員合格

[2021年10月11日 更新]
都立高校受援では合格最低点というものはない。
受験者を総合得点の高い順に並べ、合格者を決めていく。決められた定員に達したらそこでスパッと切られる。シビアだが分かりやすい世界だ。

では定員より受験者が少なかったらどうなるか。
一般的に「定員割れ」と呼ばれ、都立高校では全入(全員が合格し入学許可を得られる)となる。
2021年度一般入試で全入だった高校については、過去記事でまとめている。

推薦入試ではほとんど定員割れにはならない。募集人員が応募者に比べて少ないから。
2021年度推薦入試では、田柄高校(男子)が唯一の定員割れ。

◆実倍率を見よ
応募倍率と受検倍率というものがある。
定員に対しての割合を示したもの。

例えば2021年度一般入試、日比谷高校(男子)なら
定員132
応募数297 → 応募倍率2.25
受検数215 → 受検倍率1.63
合格数142 → 実倍率1.52

応募(=出願)はしたけど、他の国私立高校に受かったから日比谷は受けないという子は入試は受けずに欠席する。
だから応募数より受検数が少ないのだ。上位校ほど欠席する割合は高い。

定員132名だが、合格数は142名。
都立高校は定員よりやや多めに合格者を出す。たいていは3~5名だが日比谷高校は合格しても入学辞退する子が一定数いるので他校より多く合格させている。

受験校を選ぶ際、過去の実倍率は見ておく方がいい。
三田、青山、新宿など倍率が高めの高校もあれば、八潮、大森、田柄など定員割れ常連校もある。

残念ながら上位校で低倍率(実倍率1.2以下)はほぼない。2021年度入試では小山台(男子)1.17倍と小金井北(男子)1.19倍くらい。

◆どうしても都立に行きたいなら○○を狙う
上記の通り、倍率が出なければ必ず都立高校に入れる。
ではどこを狙えばいいか。お薦めは「専門学科」だ。

商業高校は9校あるが、2021年度一般入試では7校が定員割れ。
千早(ビジネスコミュニケーション科)と第五商業(ビジネス科)のみ不合格者が出た。
2020年度は定員割れ5校だったので、さらに加速したようすだ。
千早高校はまったく定員割れにならない。
その理由の一つが交通の便の良さだろう。東京メトロ(副都心線、有楽町線)と西武池袋線で通える。
池袋から2駅というアクセスの良さは奏功している。近隣の豊島高校、板橋高校も同様だ。

工業高校も16校のうち9校が定員割れ。
定員割れしなかった7校であっても、
田無工業 →不合格1名
杉並工業 →不合格1名
総合工科 →不合格2名
墨田工業 →不合格3名
のように「ほぼ全入」も含めれば、75%の工業高校は簡単に合格できる。

農業高校は6校のうち2校が定員割れ。
最高倍率でも園芸高校の1.38倍なので、受かる方が圧倒的に多い。

総合学科も10校のうち5校が定員割れ。
青梅総合だけ実倍率1.47と高めだが、他は1.1倍前後。
ねらい目と言える。

学力が真ん中より下のキミへ。
馬鹿の一つ覚えで「とりあえず普通科」と考えるのは止めておけ。高校卒業後のことを考えたら、勉強嫌いなキミは専門学科の方がまともに授業を受けられるだろう。

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