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昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[ライフ!] ボク、みつけたよ! (三十四)さあ次なる場所に移動です。 

2025-04-24 08:00:53 | 物語り

 次なる場所に移動です。
小学6年生の夏休み前までかよった、福岡県中間市の中間小学校に行きましょう。
1級河川の遠賀川の堤防下に建てられている学校でした。
ですがあまり記憶にありません、学校内は。
6年生ですからねえ、覚えていてもおかしくはないのに。

学校外でのことばかり思い出すんです。
倉田くん、佐々木くん、ぼくのこと、覚えていてくれるかなあ。
たがいの家が近かったこともあり、放課後によく遊びました。
家のわきに国道と並行して線路があったのですが、その地がさっぱり分かりません。
その線路わきに小山というか小高い丘というか、頂には神社があったと記憶しているのに、それらしき場所がさっぱりです。

中間小学校にかよっていたということは、この近辺だということなんですがねえ。
小川が流れていて、すこし離れたところにちいさな池があり、そうだ! 神社もあった。
その広場で三角ベース野球で遊んだんだ。
若い方はご存じないでしょうね。一塁と三塁だけの、三角形なんです。
人数が少ないおりの、遊びでした。

 遊んだ? そういえば、兄はいなかった。
ひとりだち? 倉田くん、佐々木くん。3人でいればたのしかった。
でもある日を境に、ふたりとは疎遠になってしまった。
なぜ……? いまもって、理由はわからない。

 そうだ、そうだった。女の子がいました。
鼻水を垂らしていたんですが、それが妙に可愛く感じられる子でした。
初恋? いえいえ、近辺に女の子はその子ひとりでしてね、自然、みんなが可愛がるというかちやほやするというか……。

――・――・――
(三十四)の2

 初恋といえば、どうなんでしょうか。
 辞書には「はじめて異性に恋の気持ちを起こすこと」とありますが。
聞いてみましょうか、6年生だったわたしに。
「ぼくの初恋は?」。
「昭代第一小学校の井ノ口せんせ」。「転校するときに、犬のおき物をくれた」。
まん丸顔、というのはオーバーかもしれませんが、ほっぺたがパンパンに膨らんだ先生でした。
むろんのこと、小太りタイプです。
たぬき、なんて比喩すると叱られちゃうかな。でも優しい先生でした。

 そうでした、算数の時間でした。黒板下のすみっこで、椅子にすわっている先生の耳元で、ひとりずつ九九を暗唱するんです。
そんなに先生に近づけることなんてないことですし、以前にお話ししたとおりわたし女人恐怖症ですから、嬉しいんですが恥ずかしくてはずかしくて。
顔を真っ赤にしていたと思いますよ、耳たぶが熱く感じたことを覚えていますから。
暗唱ですか? いっぱつOKです。1/3? ぐらいの児童でしたかねえ、その中に入りこめました。

ただね、〝ひとつでもふたつでもまちがえればよかった〟なんて思ったことを、思いだしました。
だってそうすれば、もういちど先生のそばに行けるじゃないですか。
なまえじゅんだったので、2番目に呼ばれた気がします。
でそのあとに、「やり直し!」という声がかかったんです、ただただ羨ましかったです。

「それからね、伊万里小学校の真理子ちゃん」。「あとねえ、、、」。
もういい、もういい。初恋は、はじめての恋ですからね。そんなにたくさんは、ねえ。
初恋はかくあるもの、そう決めつけた場合の感情ですからね。
 出会いがしらの交通事故的な恋――出逢ったその場で落ちた恋。
大体が失恋しました。
そもそも告白をしていませんから、相手には伝わっていません。
それはそれで美しいものに違いはないんですが、地に足のつかないそれは、やはり根なし草のようなもので、すこしの風にも倒れてしまいそうなもんでしょう。



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