再びモリゾー・ゴンドラで長久手会場に戻った僕らは、急いで残りの外国館を回ることにする。もはや日は暮れかかっており、残された時間は限られている。そう、ここからは時間との戦いだ。んな大げさな。
それにしても足が痛い。歩くのがシンドい。会場内には「グローバル・トラム」というバスのような乗り物と、自転車タクシーが走っている。乗ってみようか。しかし、グローバル・トラムは大人1人500円。ちと高い。自転車タクシーは300円なので乗ろうかと思ったけど、これ、乗り降りする場所が決まってるんだって。それじゃあタクシーとは呼べないじゃん。まあ、いいけどさ。
グローバル・ループというメインストリートをトボトボ歩く。外国館が集まるゾーンに到着。空いていそうなところへ次々と入る。イタリア館、スペイン館、ギリシャ館、ベルギー館、イギリス館など。すんません、どこに入ってどこに入らなかったのか記憶が曖昧です。確かベルギー館では入口にクッキーが置いてあって「お一人様おひとつお持ちください」と書いてあった気がしますが、ついつい2つ持ってきてしまいました。申し訳ないです。
腹が減ったので何か安くて気の利いたものを食べようと思うが、なかなか手頃な店が見つからない。そう思いながら歩いていたら、「生ハムバケット」なるものに遭遇。悪くない感じなので買ってみる。なかなか美味しいじゃん。あとから聞いたら、けっこう評判になってるみたいよ。下記参照。
http://www.expo2005.or.jp/jp/A0/A4/A4.2/A4.2.8/A4.2.8.8/index.html
800円って書いてあるけど、僕が買った時は1000円でした。値上げしやがったのか？
まだまだ入っていない外国館はあるけど、さすがにシンドい。足が痛くて仕方ない。もう帰ろみゃあ。近くにゴンドラ乗り場があるけど600円も払うのはイヤだなぁ。どうしよう。って思ったけど、よく見たらゴンドラではなく「IMTS」の発着場だった。正式名称は「インテリジェント・マルチモード・トランジェット・システム」だって。なんのこっちゃい。会場案内マップによると「最先端のIT技術と、圧縮天然ガスを使用した大型低公害バス。電子的に編成を組みながら、自動運転による隊列走行を行います」だって。そっか、バスなんだ。それはともかく、大人200円ってのは良心的だ。よーし、乗っちゃおう。
うん、なかなか快適。乗って良かった。しかし、こんな乗り物があるなんて全然知らなかったなぁ。もっと予習しとけよ、自分。
北ゲート近くに到着。土産物売り場を覗こうかと思ったが、またもや長～い列ができているのでやめておく。この時点で9時半頃だったかな？ 閉門となる10時ギリギリまで粘ろうかと思ってたけど、もはや体力の限界である。もう思い残すこともない……わけじゃないけど仕方ない。引き上げよみゃあ。
出口を出てリニモの駅に向かうが、やはり長蛇の列。みなさん疲れた顔をしてござる。ノロノロと進み、駅に到着。やっとこさリニモに乗るが、もちろん座れない。快適であるはずのリニモだが、こういう状態じゃ通勤電車みたいなもんである。
藤が丘駅に到着。ここからは地下鉄だ。車内には疲れ果てた表情の人々。万博会場で働いているとおぼしき外国人の姿も多い。インド人っぽいカップルがいて、女性の方は男性に寄りかかって目を閉じている。いや、インド人同士ではなく、別々の国から着たのだろうか。万博会場で出会って恋に落ちたのかもしれない。でも、あと1ヶ月ちょっとで離ればなれになってしまう。このまま一緒に日本で働きましょ。いや、国で病気の母が待っているんだ。私も一緒に連れてって。そんなドラマが展開されているのかもしれない。って、頭の中じゃ勝手な妄想を繰り広げているのだが、身体はヘトヘトでクタクタである。
地下鉄を降り、夜道を歩き、やっとのことで我が家に辿り着いた僕は、当然のごとく、あの言葉を吐いた。そう、旅から帰った者が必ず口に出すという、あの言葉を。
「やっぱり家が一番！」
