「甲斐トリビュートLIVE in 名古屋」レポート＜その5＞

　お待たせしました！　いよいよ再開です。なお、相変わらず敬称略ですので、ご了承くださいませ。

●Mick遠藤　(弾き語り)
　きんぽうげ／カーテン／氷のくちびる

　TOSHI＠静岡の出番が終わったあと、カウンターでドリンクをもらおうと思って客席の後方へ行く。ついでに顔見知りの方々と話していたら、あらら、もうステージにMick遠藤が登場してるじゃん。しまった。ドリンクはあとにして、再びステージ脇のスピーカー前に向かう。しかし、よく考えてみたら、ここに僕が待機していたって、いざという時には何の役にも立たないんだけどね。機材に関する知識、全然ないもん。ボーカリストがマイクスタンドを蹴ったら直しに行かなきゃ、なんて思ってたけど誰も蹴らんし。客の誰かが興奮してステージに突進してきたら制止しなきゃ、なんて思ってたけど今んところ誰も突進してこんし。
　Mick遠藤の1曲目は『きんぽうげ』、そして続くは『カーテン』。どちらも官能的な匂いが漂うナンバーだ。こういう曲は「照れ」が入ると台無しになっちゃうし、あまりにも感情を込められると聴いてる方が恥ずかしくなる。しかし、さすがにMick遠藤は、そんな安易な過ちは犯さない。楽曲の世界観と適度な距離を保ちつつ、貫禄さえ感じさせる歌声を聴かせてくれたのだ。
　今これをお読みの方の大半はご存じだろうが、彼はライブハウス「ダンデライオン」の経営者であり、「NOT FOR SALE」というバンドのボーカリストでもある。そう、バリバリの現役ミュージシャンなのだ。今回のようにソロでステージに立つことも多い。僕も以前、中村公園のライブハウス「FLAPPER」でステージを見させていただいた。ギター一本でも「ロック」を感じさせるシンガーだ、と思ったものである。そうそう、初めて歌う姿を見たのは「甲斐バンド・トリビュートライブ＃2 at 照和」の時だ。ってことは今回で3回目か。実を言うと彼は僕より少し年下なんだけど、どうしても年上に思えてしまう。大人の男、という雰囲気を全身から醸し出しているのだ。なので、この文中で敬称略にするのにも実は抵抗があるのよ。
　場数を踏んでいるだけに、MCも冴えている。「なで肩なのでストラップが落ちて」には客席が大ウケ。これ、この日一番の名アドリブじゃないかな。って、まさか前々から考えてたんじゃないっすよね？　だとしたら、それはそれでスゴいですわ。
　長渕剛の『順子』っぽいアレンジで、という前置きで『氷のくちびる』が始まる。おおおっ、こりゃ楽しい。いつも重厚な雰囲気で歌われる曲が、軽快にアレンジされて生まれ変わったのだ。これ、甲斐さん本人にも聴いてほしいなぁ。苦笑しつつも気に入るんじゃないかな？　Mick遠藤、お見事である。
　歌い終えたMick遠藤は、次の歌い手をステージに招く。さあ、あの大男の出番だ。大男て。

※こちらがMick遠藤さんのブログ。甲斐トリビュートLIVEに関しては6月6日の日記に書いておられます。
http://plaza.rakuten.co.jp/mickendo/

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＜追記＞

　そうそう、Mickさんは7／3(日)に下北沢で行われた「Blue Letter ―大森さんへの手紙―」にも出演されたのよ。その時のことも、ちょっとだけ書いておこうかな。曲目は下記の通り。

　JOUJOUKA／ポップコーンをほおばって／きんぽうげ／氷のくちびる／漂泊者(アウトロー)／吟遊詩人の唄

　まず何よりも、大森さんが作った曲の中で僕が一番好きな『JOUJOUKA』を弾いてくれたのがうれしい。まだ練習中とのことで途中までだったけど、いい気持ちにさせてもらいましたわ。
　『きんぽうげ』を聴くのはトリビュートLIVEに続いて2回目。こんなこと言っちゃナンだけど、今回の方がさらに上達しているような気がした。大木こだま風に言うと「ウデ上げたなぁ」って感じである。すんません、偉そうに言って。でもホント、歌も演奏もトリビュートLIVEの時よりグレードアップしている気がしたのよ。
　そして、この時のライブでは、大森信和氏が実際に使っていたギターをMickさんが弾く、という歴史的瞬間にも立ち会うことができた。さすがに、いい音でしたわ。まさに「大森信和の音」だったもん。

※このライブについては、大森信和ファンサイト「REMEMBER.COM」で詳しく紹介されています。「BLUE LETTER '05」→「BLUE LETTER REPORT」へとお進みください。
http://www.remember335.com/index.htm