<川は流れる>

Reiの好きなこと、ここだけの話

「空気人形」

2011年09月20日 |  映画
2009年 邦画
是枝裕和監督作品。

ペ・ドゥナ主演。

このペ・ドゥナは韓国の女優さんです。
つい最近彼女主演の「威風堂々な彼女」(2003年)というドラマを見たばかりで
ふ~ん、こんな演技のできる女優さんだったんだと思いました。
是枝監督の演出の手腕を高く評価したいですね。

彼女はこの映画でいくつもの賞を受賞しています。
作品もカンヌ映画祭に「ある視点部門」で出品。
海外からも絶賛された映画です。

さて~、ここからネタバレ感想ですので
まだ観ていない方はスルーを^^;



久々に素晴らしい映画を観たな、という感じです。
是枝監督の「誰も知らない」も衝撃的でしたが、この空気人形も
原作(業田良家)があるとはいえ、
ほとんど監督の脚本の素晴らしさだと言っていいと思います。

そして空気人形を完璧に演じたペ・ドゥナの演技力。
ほんとに人形にしか見えなかった。
それから彼女のボディの美しいこと。
全裸を披露しているけれど、30前とは思えない完璧ボディ。

人形が通常着用する(笑)コスプレウエイトレスの衣装や、ベビードールがめちゃめちゃ似合う。
足がながーい。

お話しは「空気人形」が突然心を持ってしまう、というもの。
人形が心を持ち、ひとりで勝手に動き出し、
ビデオレンタル屋さんでバイトまでしてしまう。

なんにも知らない無垢な人形の心。
いろんなものに染まっていきます。

恋を知り、本当の持ち主にほんのちょっぴり反感を持つようになります。

反対に、中身のいっぱい詰まってるはずの、人間は
「からっぽなんだ・・・」と言います。

心をからっぽにしてしまった都会に住む孤独な人たち、
そんな人間と反対に、心を徐々に満たしていく、中身がからっぽな空気人形。

対比を描きながら、人間と空気人形のあるひとつの恋物語りを
丁寧な日本語の発音でぺ・ドゥナのナレーションが 綴っていきます。

ありとあらゆるものには命があって、
心がからっぽな人間たちにも命があって、
それはけっこう大切なものなんだ、って気付くまで
人間は愚かな行為を繰り返すのかな。

人形から空気の抜ける音、
そして息を吹き込む音、
そんな音が何かを象徴しているようで
静かに語りかける言葉のように聞こえます。

この映画は一見の価値あり。
是非ご覧ください。韓国ドラマや映画のペ・ドゥナを知ってる人も是非。
素晴らしい脚本と演出、カメラ、役者の演技力(板尾創路、富司純子、余貴美子、ARATA、オダギリジョー、寺島進などなど)で完成度の高い映画です。




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2 コメント

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大好きです (taiga)
2011-09-23 14:28:21
是枝さんは大好きな監督です。
劇場デビュー作からずっと観ていますが、どの作品も、暖かい眼差しと良い意味での諦念を感じます。
キャスティングも絶妙。
伊勢谷友介さんや役者としてのARATAさんを見出したのも是枝監督ですよね。
とても素敵かつ詩的な紹介記事をありがとうございました。
返信する
taigaさん (Rei)
2011-09-23 23:14:56
コメントありがとうございます。

伊勢谷さんもARATAさんも大好きな役者さんです。
是枝監督の今後の作品にすごーく期待!出演してる人が全部好きです。世界に誇る監督さんですね。
返信する

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