Tomotubby’s Travel Blog

Tomotubby と Pet の奇妙な旅 Blog。
でもホントに旅 Blog なんだろうか?

BEMBEYA JAZZ NATIONAL

2007-05-20 | Africa Afrique
フランス語読みだからベンベヤ・ジャズ・ナシォナールでしょうか。S2S というラウンジ・ミュージック?を打ち出してるレーベルから World Music Classic Titles のシリーズで発売になった5作品のうちの一枚です。他にはサリフ・ケイタやモリ・カンテがバンドをバックに歌うものもあったんですが、これを試聴して只ならぬものを感じ買って帰りました。

ベンベヤ・ジャズ・ナシォナールは、1958年にフランスからの援助を拒み完全独立を果たしたギニアで、1961年に結成されました。サリフ・カバとアブバカール・デンバ・カマラという二人のウォーカリストが加わったことで、1964年に最初のナショナル・コンクールで金賞を獲得し、1966年(チェ・ゲバラがいなくなった頃)のキューバへの演奏旅行後には国立(つまりナシォナール)バンドとなります。バンドは社会主義路線を採ったセク・トゥーレ大統領の「authenticity」文化政策のもと「新国家のアフリカ精神」を宣伝する役割を与えられます。

彼らの音楽は、マンデ語族の伝統的な音楽をモダンにして同盟国キューバからルンバの要素を加えたものがベースで、パーカッションとホーンにおいてラテン・フレーバーが強いものでした。しかしバンド絶頂期の1973年、ゴールデン・ボイスと呼ばれバンドの中核であったデンバ・カマラが交通事故で亡くなります。彼の死後から8年間はリード・ヴォーカル不在で、ダイアモンド・フィンガーと呼ばれた名ギタリスト、セク・ジャバテが独自のスティール・ギター・テクでバンドをまとめ、だんだんとポップ色を強めていきます。1984年、トゥーレ大統領の死により、ギニアは自由主義路線に転換、これを機にヨーロッパツアーが行われますが、ギニア経済の低迷もあり、バンドは活動を中止します。長い活動休止の後、2002年に再びライブ活動を開始、翌2003年にはBBCのワールド・ミュージック・アワードを受賞しています。

演奏はラウンジという言葉の軟弱さを裏切る凄いもので、寛いで聞き流してなんていられない。真摯な態度で向かわないといけない。と思わせるものです。フェラ・クティのバンドのような音の洪水に立ち向かうのではなく、コラの演奏を聞いたときと同様に、まるで夜のしじまをバックにして演奏しているようにヴォーカルや楽器の音の逐一が聞こえてきます。

そういえば昨日・今日と日比谷公園で行われている「アフリカン・フェスタ2007」でジェリ・ムサ・ジャワラ(Djeli Moussa Diawara)が再来日してコラのライブしてるらしいです...