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ファイトクラブ

2011-03-21 12:00:00 | 映画








ファイトクラブ


監督 デヴィット・フィンチャー

主演 エドワード・ノートン
   ブラッド・ピット
   ヘレナ・ボナム・カーター


セブンの奇才デヴィットフィンチャーが放つ90年代を代表するもう一つの作品

暴力を全面に押し出した演出の為 暴力推奨ムービーのように受け取られがちではありますが
この作品の本質から言えばむしろ真逆、アンチ暴力作品ではないでしょうか

テーマは暴力ではなく生

ブラッドピット演じるタイラーが発言する『俺を殴ってくれ』『痛みから目を逸らすな』等

人は殴られれば痛い
痛いのは生きているからだ

痛みから目を逸らさず生きている事を実感しろ、と彼はエドワードノートン演じる主人公に教えたかったのでしょう

劇中ファイトクラブと呼ばれるクラブで男達は日々殴り合いを楽しんでいます

端から見れば単なる暴力ですがそこで闘う者同士に憎しみや怒りはなく
痛みは他人ではなくある意味自分の内面に向かっていると解釈出来
それは真の意味では暴力と言えない物なのではないでしょうか?

事実劇中で主人公が怒りに身を任せ対戦相手をボコボコにした時タイラーは

『気が済んだかサイコボーイ』と言います

タイラーは感情のままに他人を傷つけるだけの行為を認めなかったと解釈出来る訳で

やはりそこにも アンチ暴力 が垣間見え実は物語の中で丁寧にそれを見せてくれている

不眠症の主人公

名前のない主人公

腫瘍のような女 マーラ

主人公が嫌いな女性

それは何故か?

様々な点が物語の終盤 線に変わり
主人公は衝撃的な事実を突き付けられる

崇拝するタイラー

嫌いなマーラ

自分

メイヘム計画


ここからはネタバレを含みますので見ていない方は読まないで下さい






この物語のラスト

主人公にとってハッピーエンドで終わるのかどうかは疑問の余地があり

主人公とマーラは心が通じ合い これからはきっと良くなる の言葉通り タイラーが破壊したビルを眺め 終わる


または

二人は心が通じ合いタイラーが破壊したビルを眺め、最後に自分達が居たビルも破壊され理解し合あえたのはたった三分で死ぬ

タイラーは あと三分で木っ端みじん と言っている

白いバンには爆弾が仕掛けられていたが主人公が解除した
しかしその後タイラーが再設定するような仕種を劇中で見ることも出来る
その後タイラーにKOされ意識のない主人公から察するにかなりの確率で爆弾は再設定されているだろう

だからこそ 三分後には木っ端みじん と言うのである

次の疑問は主人公が目覚めたのは爆弾が仕掛けられたビルなのかどうか

タイラーは部下達を同じ建物に呼んでいる事から破壊されるビルを眺める為
別の安全なビルに移動している可能性もある

または部下も主人公もマーラも全て葬り去る為に爆発するビルにいる可能性も、もちろんある

主人公は気絶する前と同じビルであると思われる流れの説明するが気絶していたことを考えると違うのではないかと深読みも出来てしまう



全ての選択はタイラーにかかっている

タイラーは主人公を消すつもりだったはず

それは命か人格か…

結末がハッピーエンド、バッドエンドどちらにせよ

タイラーがとった結末は主人公ではなくこの映画を見ているこちら側に向けた悪戯で終わる

それはある意味タイラーらしい結末だと思う

結末の解釈は見る人次第で全く違うものとなるこの映画

おもしろいよ!
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