「かつらぎちゃん、いくらパーヴォが大好きだからって、こんなにサインもらっていったいどうするの?!」と
あきれておられる方も多いかと思いますが、きょうは歴史的な一日になりました!
パーヴォとN響の定期演奏会Aプログラムを聴きに行きました。本当は明日行くつもりだったのですが、
教会にいったら、とてもふしぎなことがあり、「明日とにかく、どんな席でもいいから、パーヴォの公演を聴きにいきなさい」という
神様の声がありました!(ほんとうなんです!)
それで慌てて、N響ガイドに電話をしたら、いちばん安い自由席(1500円で、なんどもN響に通いたいかたには大変おススメです♪)が
手に入ったので、夫と一緒に、NHKホールに行ったのでした。
今回の曲目の「レニングラード」はもちろん私も夫も聴いたことがなく(私はちょっとほかの方の指揮と演奏でYouTubeで聴いたのですが、
正直・・・「ちょっとテンポが緩すぎ?」という印象で途中で聴くのをやめてしまったくらい退屈でした)、かなり不安だったのですが、
実際に聴いてみたら、非常に多面的な魅力を発揮する、すさまじい破壊力をもつ作品でした!
まさに、パーヴォ&N響の、歴史的名演ともいうべき演奏であり、私自身は21世紀を代表する傑作の誕生とも思っています!!!
一番印象的なのはやはり第1楽章でしょうか。戦争にいたるまでの過程が、まるでラヴェルの「ボレロ」のように描かれています。
戦争への足音が小さく(小太鼓で表現されています)聞こえたかとおもうと、やがてとてつもない大音量となり、戦争の災禍がこれでもかと描かれていきます。しかし、その流れを押しとどめるかのように、優美で繊細な音楽がながれ、つかの間の休息を、人々は得られるのです。
しかし、第2楽章、第3楽章においても、この曲のもつ、ダイナミックさ、大胆さ、優美さ、繊細さ、魔的ともいうべき破壊的な魅力、緊張感、複雑怪奇さ、庶民のしたたかさなどが見え隠れし、やがて民衆の声となって第4楽章で大きな叫びとなってホール全体を圧倒しました。
これはいわゆる旧ソ連時代の、ショスタコーヴィチが描いた、戦争交響曲であり、戦意の高揚という罪作りな一面を持った作品です。しかし、パーヴォとN響は、まさに昨今の緊迫した国際情勢を鑑みつつ、戦争と平和への鮮烈なメッセージを「レニングラード」に仮託し、すばらしい成功をおさめました。
人々のくらしのうねりが、やがて大河のごとく押し寄せ、人間の生活をなぎ倒す力をもつことを、ショスタコーヴィチは示唆して、音楽は激情的に終わります。
聴衆は熱狂的にパーヴォを迎え、パーヴォは幾度も幾度もお礼をしていました。N響のみなさんも大変満足されたご様子で、こちらもとてもうれしくなりました!
クラシックの音楽をきいて、胸がぶるぶると震えたのはこれが初めての経験でした。いまだに余韻が残っていて、まるで強いウォッカとジンをストレートで飲んでしまったかのように、胸がとても熱くてたまりません!
パーヴォの集中力、スコアの解釈の斬新さ、そして、貪欲な音楽の美しさの表現への渇望を、鮮烈に描き出したパーヴォでした!
明日も14時開場、15時開演ですので、たくさんの方のお越しをお待ちしております!!!!
とにかく、いま同じ時代にパーヴォが生きていることに、神様に感謝します!!