桂木嶺のGO TO THE THEATER!~Life is beautiful!~

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ガンバレ 吉右衛門さん、雀右衛門さんキャンペーン!\(^o^)/「奥州安達原」が泣かせます!

2017-11-04 06:39:23 | 吉右衛門さん関係

 

今回、なんで私が歌舞伎座に3回も足を運ぶかと申しますと、それは実はすべては昼の部の「奥州安達原」を見たいがためなのです。これは歌舞伎学会での、吉右衛門さんの論文でも書かせていただきましたが、近松半二の傑作で、しかも吉右衛門さんが、2001年1月の国立劇場で演じられた時には、もうそれはそれはかっこよくて、かなしくて、素敵でびっくりしたものでした。このときの安倍貞任の姿を写真に撮ったのが、稲越功一さん撮るところの写真集での吉右衛門さんの雄姿です。

袖萩は今回雀右衛門さんに譲って、貞任一役を演じておられる吉右衛門さんですが、袖萩を演じられた時も、それはそれは泣けてしまう哀れな女を(あのタッパの高さなのに!)熱演されておられたのでした。三味線も弾かれ、まさに大活躍。雀右衛門さんも今回頑張っておられますけれども、三味線も、やっぱりもうちょっとがんばってもらいましょうか(笑) とにかく、難役だらけの「奥州安達原~袖萩祭文」であります。

吉右衛門さんの今回の貞任は、やはりとにかくでっけぇ!!!かっこいい!!そして目を炯々といからせて、錦之助さん扮する八幡太郎義家に迫るあたりは、ぞっとするほどの妖気が漂い、見事でありました。なぜ、吉右衛門さんが演じるとこれだけのすさまじいリアリティが出るのか、ふしぎでなりません。「何奴の、しわざなるか」と音遣いの工夫も天下一品ですし、赤旗をぽんと投げ出して、振り回す演出も実に豪快です。豪壮な貞任のキャラクターが、現代に不器用に生きる多くの男たちに重なるようで、ふかい共感を呼びます。

歌六さんの傔杖(けんじょう)直方も愚直でよく、大きさがよくでました。吉右衛門・歌六で今度一度「寺子屋」も見てみたいような気がします。東蔵さんは次の「直侍」の丈賀とも合わせての名演。錦之助さんの朗々たる八幡太郎義家、又五郎さんの宗任の豪儀さに、心打たれますね。そして殊勲賞の子役のお君の安藤然、高安えみりさん。

こちらも傑作の呼び声高い「奥州安達原」なので、幕見にも通いたいなと思っています!

若いみなさまも、絶好調の吉右衛門さんの雄姿を見逃すなかれ!

 

 

 



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