とあるところで、「今月の歌舞伎座、とてもいい演目と役者さんなので、もうちょっとお客さんがはいってほしいよね(^^)」という話題になりました。いい舞台、いい映画なのに、お客さんの入りはちょっと・・ということはよくありますが、ただ嘆いているだけではお客さんは増えません。素人の私なりに、いろいろ分析をしてみました。そして、結論として浮かび上がってきたのは、やはり演劇宣伝の必須ツールとしての、ネット展開・SNS展開の急務という課題でした。
歌舞伎界の大幹部の方で、公式HPをもっていない役者さんがいます。
ぜひこの機会に、公式HPをもってほしい。
HPが持てないのなら、
せめてFacebook、Twitter、インスタグラムのSNSのどれかは
開設してほしいです。
じつは、(わたしお二人ともとても好きな役者さんなので、あえて申し上げますと)吉右衛門さんも仁左衛門さんも、人間国宝ということは知られていますが、おふたりとも公式HPをもっていません。たしかに、彼らのファン層の主軸は、あまりインターネットを駆使するひとたちではないです。しかし、若年層に、吉右衛門さんや仁左衛門さん、大幹部の役者さんたちの魅力を伝えるためには、やはりSNSやネット展開は急務と思われます。
役者さんからのたのしい情報発信を心がけることで、
歌舞伎をより身近なものにしていくことが大切だと、
わたしはおもいます。
「吉右衛門さんや仁左衛門さんのお芝居を観たいけど、いったいどこでやってるのかしら」「どんなプロフィールの人たちなのかしら」と検索してみても、公式HPがないのでは、ネット上では玉石混交のあやまった情報が、何もしらない若年層の観客に伝わってしまうことになります。
これは本当に演劇宣伝にとって致命的なことです。せっかく歌舞伎の魅力を、たとえば、「ワンピース」で若い人たちが知ったとしても、その観客が「では歌舞伎座の顔見世に行ってみよう」という消費行動につながらないからです。
もちろん、舞台の質をよりすぐれたものにするために、ストイックな芸を追求することは大切なので、SNSなどにかまけている余裕はないのかもしれません。しかし、現代の若い観客たちに、「本物の歌舞伎」の感動を伝えるための、最低限の手段として、インターネットやSNSはいまや必須です。たとえば、(お名前をだして申し訳ないですが)海老蔵さんが歌舞伎座にほとんど出ていないのに、あれだけ連日ニュースで話題になり、観客動員もしているのは、やはりご本人のネット、SNS発信による功績も大きいと思うのです。
ちょっと歌舞伎とはちがいますが、たとえば、私がいまとても応援している、N響の首席指揮者のパーヴォ・ヤルヴィさんは、SNSを大変駆使されています。世界中のファンに、クラシックの魅力やご自身の楽しいエピソード、オーケストラや記事のご紹介をなさっておられます。たとえば、ツイッターのフォロワー数は2万人を超えていますので、その影響力たるや大変なものです。
SNSもネット展開も、いいことも悪いこともありますが、かしこく使えば、大変な宣伝ツールになることを、ぜひ歌舞伎界の大幹部のみなさまも、(わたしみたいな若輩者がいうのは大変勇気がいりますが)なにとぞご理解いただいて、せめて来年中には、みなさんがこうしたネット展開、SNS展開を推進していただきますよう、関係各位、松竹のみなさまにもお願い申し上げたいと思います。