葉月、光陰の瞬き
夏日の恋文―Summer×William Shakespeare×井原西鶴
Rough winds do shake the darling buds of May,
And summer's lease hath all too short a date.
Sometime too hot the eye of heaven shines,
And often is his gold complexion dimm'd;
And every fair from fair sometime declines,
By chance or nature's changing course untrimm'd;
But thy eternal summer shall not fade,
荒い夏風は愛しい初夏の芽を揺り落すから、
夏の限られた時は短すぎる一日だけ
天上の輝ける瞳は熱すぎる時もあり、
時には黄金まばゆい貌を薄闇に曇らす、
清廉なる美の全ては いつか滅びる美より来たり、
偶然の廻りか万象の移ろいに崩れゆく道を辿らす
けれど貴方と言う永遠の夏は色褪せない、
William Shakespeare「Shakespeare's Sonnet18」の抜粋です。
いま連載している第67話「陽向」に何度も引用されていますが、シェイクスピアの代表作な詩です。
夏は短く移ろいやすい美、そう定義しながら「thy」貴方と呼びかける相手の永遠性と美を謳いあげています。
英文学における「summer」は最も輝かしい季節と描かれ、特に「May」晩春から初夏を最上の季節と称えます。
これはイギリスの風土も影響が大きいんですよね、イギリスの夏イメージは爽やかな風と緑豊かな季節なんで。
これが日本だと夏=湿度高くて暑いってなり、炎暑とか孟夏とか暑苦しい単語がいっぱいあります、笑
シェイクスピアは日本人にもお馴染な詩人かつ劇作家ですが、演劇文学を一流文学と位置付ける欧米では尚更重鎮。
Hamlet、Romeo&Juliet、名前だけでも知っている作品が多いんじゃないかなって思います。
ソレに日本で該当するのは誰かって言えば近松門左衛門が筆頭に挙げれます。
『曽根崎心中』『国性爺合戦』『冥途の飛脚』など人形浄瑠璃や歌舞伎の名脚本を遺した人です。
次には井原西鶴、『好色一代男』『好色五人女』など現代でも歌舞伎座で上演されています。
井原西鶴の隠れた名作に『男色大鑑』があります、笑
普通の図書館じゃ置いてないかもですが、しっかりした国文科のある大学図書館なら所蔵しています。
自分も学生時代に付属図書館で読んでみたんですけどね、フラットな視点で男同士の純愛小説が書かれています。
男はバイセクシャルで当たり前ってのが当時の日本では一般的感覚だったワケです。
この『男色大鑑』は武士の男同士メインなんで結構感情の発露が激しかったりします、笑
男として武士としてのプライドを懸けた交情は剣の立会っぽい、で、決まりゴトも沢山あったらしいです。
最近よくあるBLとかのファンタジー妄想とは論点×観点が全く違うんですよね、ある意味で哲学的なカンジ。
武士道のバイブル的存在に『葉隠』って本がありますが、アレに描かれている世界観と近いかなって思います。
今回掲載の「Shakespeare's Sonnet」も同性である男性への感情を謳った恋愛詩なんですよね、笑
作中でも宮田家のガヴァネスである日英ハーフの老婦人が英国における同性愛について触れていますが、
イギリスでは同性愛=刑罰対象だった時代もありました、が、男の同性愛の伝統は世界各国にあります。
そういう感覚があるからシェイクスピアのSonnetもフラットに受容れられ、名作と言われているのかなと。
ちょっとシェイクスピアの恋愛について捕捉すると、
短篇「soliloquy木染月」で馨が語っていますが、単なる恋愛感情だけでは無い想いが「thy」にあります。
卓越した文筆家だったシェイクスピアの恋愛観は外見的美貌よりも内面、詩中でも精神と才能を讃美しています。
外貌×肉体関係の恋愛だけでは無い、才能と精神に対する尊敬と愛情を謳う詩文は西鶴の『男色大鑑』に通じるなと。
ま、西鶴は作家の客観性で『男色大鑑』を書いてるんで、リアル同性愛してたシェイクスピアとヤヤ違うんですけどね、笑
作家かつ記者としての客観視点orリアル経験者本人によるノンフィクション、それが西鶴とシェイクスピアの差です。
昨夜UP「七彩の光」加筆校正しました、サブタイトルの変更&増筆しています。
夜までに第67話の英二サイドをUPする予定です、
立秋過ぎたとはいえ暑いですね、笑
取り急ぎ、
blogramランキング参加中!
にほんブログ村
夏日の恋文―Summer×William Shakespeare×井原西鶴
Rough winds do shake the darling buds of May,
And summer's lease hath all too short a date.
Sometime too hot the eye of heaven shines,
And often is his gold complexion dimm'd;
And every fair from fair sometime declines,
By chance or nature's changing course untrimm'd;
But thy eternal summer shall not fade,
荒い夏風は愛しい初夏の芽を揺り落すから、
夏の限られた時は短すぎる一日だけ
天上の輝ける瞳は熱すぎる時もあり、
時には黄金まばゆい貌を薄闇に曇らす、
清廉なる美の全ては いつか滅びる美より来たり、
偶然の廻りか万象の移ろいに崩れゆく道を辿らす
けれど貴方と言う永遠の夏は色褪せない、
William Shakespeare「Shakespeare's Sonnet18」の抜粋です。
いま連載している第67話「陽向」に何度も引用されていますが、シェイクスピアの代表作な詩です。
夏は短く移ろいやすい美、そう定義しながら「thy」貴方と呼びかける相手の永遠性と美を謳いあげています。
英文学における「summer」は最も輝かしい季節と描かれ、特に「May」晩春から初夏を最上の季節と称えます。
これはイギリスの風土も影響が大きいんですよね、イギリスの夏イメージは爽やかな風と緑豊かな季節なんで。
これが日本だと夏=湿度高くて暑いってなり、炎暑とか孟夏とか暑苦しい単語がいっぱいあります、笑
シェイクスピアは日本人にもお馴染な詩人かつ劇作家ですが、演劇文学を一流文学と位置付ける欧米では尚更重鎮。
Hamlet、Romeo&Juliet、名前だけでも知っている作品が多いんじゃないかなって思います。
ソレに日本で該当するのは誰かって言えば近松門左衛門が筆頭に挙げれます。
『曽根崎心中』『国性爺合戦』『冥途の飛脚』など人形浄瑠璃や歌舞伎の名脚本を遺した人です。
次には井原西鶴、『好色一代男』『好色五人女』など現代でも歌舞伎座で上演されています。
井原西鶴の隠れた名作に『男色大鑑』があります、笑
普通の図書館じゃ置いてないかもですが、しっかりした国文科のある大学図書館なら所蔵しています。
自分も学生時代に付属図書館で読んでみたんですけどね、フラットな視点で男同士の純愛小説が書かれています。
男はバイセクシャルで当たり前ってのが当時の日本では一般的感覚だったワケです。
この『男色大鑑』は武士の男同士メインなんで結構感情の発露が激しかったりします、笑
男として武士としてのプライドを懸けた交情は剣の立会っぽい、で、決まりゴトも沢山あったらしいです。
最近よくあるBLとかのファンタジー妄想とは論点×観点が全く違うんですよね、ある意味で哲学的なカンジ。
武士道のバイブル的存在に『葉隠』って本がありますが、アレに描かれている世界観と近いかなって思います。
今回掲載の「Shakespeare's Sonnet」も同性である男性への感情を謳った恋愛詩なんですよね、笑
作中でも宮田家のガヴァネスである日英ハーフの老婦人が英国における同性愛について触れていますが、
イギリスでは同性愛=刑罰対象だった時代もありました、が、男の同性愛の伝統は世界各国にあります。
そういう感覚があるからシェイクスピアのSonnetもフラットに受容れられ、名作と言われているのかなと。
ちょっとシェイクスピアの恋愛について捕捉すると、
短篇「soliloquy木染月」で馨が語っていますが、単なる恋愛感情だけでは無い想いが「thy」にあります。
卓越した文筆家だったシェイクスピアの恋愛観は外見的美貌よりも内面、詩中でも精神と才能を讃美しています。
外貌×肉体関係の恋愛だけでは無い、才能と精神に対する尊敬と愛情を謳う詩文は西鶴の『男色大鑑』に通じるなと。
ま、西鶴は作家の客観性で『男色大鑑』を書いてるんで、リアル同性愛してたシェイクスピアとヤヤ違うんですけどね、笑
作家かつ記者としての客観視点orリアル経験者本人によるノンフィクション、それが西鶴とシェイクスピアの差です。
昨夜UP「七彩の光」加筆校正しました、サブタイトルの変更&増筆しています。
夜までに第67話の英二サイドをUPする予定です、
立秋過ぎたとはいえ暑いですね、笑
取り急ぎ、
blogramランキング参加中!
にほんブログ村