萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

夕霧の風―William Wordsworth×万葉集

2013-07-27 23:56:57 | 文学閑話韻文系
澹、夕霧山霞



夕霧の風―William Wordsworth×万葉集

Our cheerful faith, that all which we behold
Is full of blessings. Therefore let the moon
Shine on thee in thy solitary walk;
And let the misty mountain-winds be free

僕らの信じるところ、僕らの目に映る全ては
大いなる祝福に充ちている。だからこそ月よ
独り歩く貴方の頭上を明るく輝いてくれ、
そして霧深い山風も自由に駈けてくれ

William Wordsworth「Lines Compose a Few Miles above Tintern Abbey」の抜粋です。
本文は岩波文庫『対訳ワーズワス詩集―イギリス詩人選(3)』の引用ですが、和文は自訳になります。
なので一般的な訳とは違ってるかもしれませんが、自分はコンナ感じかなって読んでいます、笑
今日の丹沢方面は夕霞が濃くて、ちょうどコンナ感じだったので載せてみました。



夕去れば 美山を去らぬ布雲の あ是可絶えむと 言ひし兒ろはも 詠み人知らず
ゆふされば、みやまをさらぬ にのぐもの あぜかたえむと いひしころはも

夕に太陽が沈み空を去っても、あの山に寄添い去らない布雲のように
僕から離れないと言ってくれた、あの女の子は今どうしているのだろう?
あの美しい山に雲懸るたび想ってしまう、夕陽の透ける雲に恋人の薄絹を見つめて、

これは『万葉集』第十四巻に載っている詠人未詳の相聞歌です。
夕暮時の山雲に言寄せて告白してくれた、そんな恋人を夕山に想ってしまう。
記憶に愛しい風景が眼前の風景に重なって想い馳せる、そういうのって今も昔も同じかなと、笑

連載中の小説でも記憶の光景×現在の光景ってシーンは多いですけど。
いわゆるデジャブだったり、言葉からの連想だったり、パターン色々描いています。
そういうのを伏線に使ってたりするんですけどね、ソレを逆手にしている事もあります。



第67話「陽向5」加筆校正を今から始めます、
で、朝になったら短編一本UPする予定です。
が、眠くなったら寝ると思います、笑

取り急ぎ、




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