萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

K2補記:波濤、瓦礫の結晶

2013-02-02 03:38:00 | お知らせ他
研かれる無垢と光、



K2補記:波濤、瓦礫の結晶

磯で波洗われる、ガラスの欠片です。

ガラス石なんて子供の頃は呼んで、幼馴染とコレを拾うのが好きでした。
濃いブルーは貴重、白も水色も好き、緑もキレイ、そんな会話をしたもんです。
これらの多くはガラス瓶が割れた物で、波よせる砂に研磨されて石状になっています。
正体は壊れたガラスの破片、けれど遥かな海の砂に洗いぬかれて光を宿している。
そんなガラス石は、困難にこそ磨かれ輝く人間の姿とちょっと似てるなあと。

今回の第59話「初嵐K2」で光一は、英二との夜に傷ついた本音を語っています。
けれどその傷は只の痛覚ではなくて、本心を浮き彫りにする為に刻まれた軌跡です。
雅樹への想いは懐旧なのか、幼い自分の甘えだったのか、それとも真実の想いなのか?
その本心を削りだしたのは、アイガー北壁を前にする一室で英二に抱かれた全てでした。

命ある人間のなかで最も信頼し「惚れた」相手だからこそ、哀しい記憶ごと自分を投げ込めた。
それは自棄でも自愛でもある決断で、誰もが傷つくと知りながら懐を信じ、甘えようとしています。
その結果は三人とも傷ついて、けれど三人がそれぞれに研きだされた真実と本心がある。
この研磨された想いが今後、どんなふう物語を紡ぎだすのか?
もう周太と光一は各ラストに伏線があります。

けれど英二については暈したまんまです。
このアタリを今晩予定の英二サイド「初嵐act.4」に書きます。
それが終わると第60話です。

さっき第59話「初嵐K2・9」は加筆校正が終わりました。
最終話「10」は校正を少ししたら終了です、その前に呼応する極短編UPしちゃいましたが。笑







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