萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚37

2014-03-20 17:10:11 | 雑談寓話
こんばんわ、仕事オツカレサマな時間です、笑
こっちは朝から冷たい雨、吐く息白いけれど雪にはなっていません。
で、遅くなりましたがコノ雑談もバナー押して下さる方いらっしゃるので続き載せます、笑



雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚37

同僚御曹司クン電話の翌日、土曜日だった。

フツーに洗濯なんかして朝ゴハンして、
今日は図書館でも行こうかドッカ行こうか考えて、
そんなフツーの週末休日だったけど、とりあえず出かけよっかなって外に出たら携帯がメール受信した、笑

From:御曹司クン
本文:おはよ、今朝も起きて最初におまえのこと思った(顔文字笑顔)圏外ってドコ行くの?

ああ昨夜の電話ってマジ現実なんだ?笑
って思ってさ、で、文面に考えて返信しないままトリアエズ圏外に行こうと思った。

圏外=電波届かない=山方面

ってコトだからとりあえず山行こうと思ってさ、
でも12月だから装備は冬仕様になる、そうすると行ける範囲も限られる。
それに山登る準備してなかったんだよね、元々はのんびり寝貯め@家のツモリだったから、笑

だったら車で行けるドッカの山にしようかな?

思ってさ、そうすると実家方面だなって思って予定変更した。
走行中もある意味で圏外だし、実家で親と話してる時もある意味で圏外だし、
ソンナ感じで思いついたまんま好きなケーキ屋に寄って郊外=山近い実家まで帰ってみた、笑

「ただいま、ケーキ買ってきたよ、笑」

いつもどおり自分で鍵開けて入ってさ、そしたら母が笑ってくれた。

「あら、急なご帰宅ねえ、どうしたの?笑」

ちょっと驚いて、でもあまり動じないんだよね母、笑
そんないつも通りがなんか嬉しかった、で、自分もいつも通り笑った、

「昼ゴハン食べに帰ってきた、母さんの好きな苺のヤツ買ってきたよ、笑」
「あら嬉しい、だったらお昼作ってくれる?畑の小松菜とかもう採れるし、久しぶりにあなたのゴハン食べたいわ、笑」

なんてねだってくれるからアリモンで昼ゴハン作ることになってさ。
母は料理上手で小さい頃から自分もアレコレ自然と教わって、高校くらいから母が忙しいと代りに台所やって、
おかげで学生時代も自炊は苦労しなかったし、社会人になっても時短で料理できるから食事の苦労は少ないんだよね。
そういうワケで冷蔵庫&畑にあるモンとりあわせて作ったんだけど、簡単なイタリアンのコースっぽくしたら二人とも喜んだ。

「おまえが作ると洒落たモンになるなあ、今度はポトフとか僕は食べたいよ、笑」

とか言って父は次回リクエストしてきてさ、また帰ってきてほしいなって伝えてくれた。
こういうの親ってありがたいなー思ったよ、で、御曹司クンの両親のコトちょっと考えた。

息子がゲイでバイセクシャルなこと知ったら御曹司クンの両親は何て思うんだろう?

シャンデリア×クラシック音楽、ワインセラー、レストランみたいな献立、
なんだか見栄っ張りドラマみたいな食卓だけど御曹司クンにとったら現実の世界で、
そんな食卓を好む人達は自分の息子がセクシャルマイノリティで家が嫌いだって知ったら、何を想う?

なによりも、親として息子の恋愛をドウ思うんだろう?
そんな疑問を考えながらゴハンして最近読んだ本の話とかしてさ、
買ってきたケーキ&コーヒーになったころ何気なく父が訊いてきた、

「最近、職場はどうだい?忙しそうだけど面白い事とかあったかな、笑」

あったなあ、笑

って思ってさ、で、ウチは結構オープンな家なんだよね。
自分がドンナ人に告白されたとか付合ったとか両親ホボ全部把握してるくらいオープン、笑
自分も両親の恋愛譚とかフツーに知ってて、特に父は映画のR18シーンとか気にせず子供と観れるタイプ。
ちょっと日本の平均的父親とは違う人なんだろうけど、こんな時はホントイイ相談相手になってくれるから言ってみた、

「昨夜、同僚のヤツに告白されたよ?前もちょっと話した御曹司クン、だからトップシークレットだけどね、笑」

両親の貌が「へー」ってなった、笑
こんなこと簡単に人には言えないけれど両親の反応は見てみたかったんだよね。
で、両親ちょっと驚いて考えこんで、それから母がフォーク動かしつつ困り顔で笑った。

「お母さんは彼ちょっと困るなあ、男の人も女の人も好きって言うのは困るわー浮気360度ってコトだもの、ねえ?」

問題点ソコなんだ?笑

こんな点に「困るわー」な母が面白かった、
バイセクシャル=恋愛対象360度全員だから困るっていうのが面白いな思ってさ、ちょっと訊いてみた。

「母さんが困るのって浮気問題でってことなんだ?笑」
「そこ大事でしょ、なにより子供の問題だってあるわよーお母さんだってあなたの子供は抱っこしたいし、ねえ?」

なんて自論を言いながら好物のケーキ食べてる母はちょっと困り顔で笑ってた。
その困り顔が何を言いたいのかも解かるから、ただ笑って相槌打った。

「そうだね、笑」
「そうよ、」

母も頷いて笑ってた、
笑顔は優しいけど哀しそうでもあってさ、それでもいつもの陽気が言ってくれた。

「孫を抱っこしたいって彼の親御さんも同じじゃないかしらね、私は子供を生んで育てたらソウイウ願い持っちゃってたわよ、いつの間にか、笑」

明るく笑ってくれる声は「母」なんだなーって思わされたよ、
彼女自身の経験から話してる、そういうリアルは尊重したいなって思えて訊いてみた、

「そういうもん?笑」
「そういうもんよ、親のエゴかもしれないけど、笑」

ワガママだけど良いでしょ?
そんな目で母は笑ってさ、で、今度は父が言った。

「父さんの仕事仲間でもゲイの人っているよ、アメリカとかは結構いるんだ、」

やっぱり父は事例の分母がデカい、笑
だから今回のことも訊いてみたいなって思ったんだよね、で、父が話しだした。

「留学してた時も男同士のカップルがいるって噂は聴いたけどね。今はゲイパレードとかもあって随分オープンになったかな、でも国でも違うよ、
その国の宗教観みたいのが結婚観と恋愛観にもなってるからね、キリスト教の国は宗教的にもタブーだから難しいとこや偏見も未だ多いみたいだよ、
日本も昔は衆道ってあったろう?アレは武士のプライドみたいなものだし武士社会のシステムでもあるからね、今の所謂ゲイとは違うなって僕は想うな、」

比較文化から時代比較までしてくれる、こういうトコが父らしい、笑
こういう経験と知識があるとこ面白いなあって聴いてたら、父は笑って教えてくれた。

「その彼が武士寄りなのか今時のゲイっぽいのか、僕には解らないけどね。君のこと好きだって言うことは勇気が必要だったんじゃないかな?
でも君のことだから恋にならんだろうし、ノーマルの方が生きやすいのも本当だからね。お互いに人として誠実に向きあえたら良いなって思うなあ、」

告白する勇気を評価して、擦違うことも理解して、現実のアドバイスもくれる。

そういう父の言葉は真っ正直なまんま優しいって思った、
いつも日本常識から外れ気味なトコ多いから困ることも多いけど、笑
それでもコウイウ父の子供に生まれて幸運だったなった思ってさ、で、改めて思った、

御曹司クンの両親もこうして向きあえる人だったなら、彼が泣いた回数は半分で済んだかもしれない?



とりあえずココで一旦切りますけどまだ続きます、
おもしろかったらコメントorバナー押すなど頂けたら嬉しいです、で、気が向いたら続篇載せます、笑

第74話「芒硝6」読み直し校正またします。
そのあと週間連載の続き→日付変わる頃にAesculapiusかナンカの予定ですが、ソッチも面白かったらバナーorコメントお願いします、笑

取り急ぎ、



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2 コメント

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Unknown (ドラゴンフライ)
2014-03-20 21:12:15
こんばんわ、親として貴方のご両親のよう立ち振舞いができるかと自問してしまいました。素晴らしいご両親なんですね。
返信する
ドラゴンフライさんへ ()
2014-03-20 23:24:14
こんばんわ、褒めて頂いて恐縮です。連載は実話×フィクションですが両親コンナカンジにちょっと変わったひと達です、笑
返信する

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