根源、繋がる想いに
secret talk12 玄月―dead of night
Love and harmony combine
And around our souls intwine,
While thy branches mix with mine,
And our roots together join.
この詩の意味を昔の自分は知らなかった。
けれど今なら解かる、この通りの相手と出逢ってしまったから。
父、祖母、その父親の父親。
はるか遠くなる世代の前は、一人の人間だった。
そうして繋がる君だと知ったのは夏の初め、そして今、夏が終わる。
そうして季節が廻って秋が来たら、君は遠く離れて独りのまま行ってしまう。
だからこそ今この瞬間に全て懸けても繋がり逢いたいと望んで、君を夜に攫いたい。
「周太、…」
ほら、名前を呼んで君が振りかえる。
この腕を伸ばし抱きしめて、すこし震える肩に罪を負わせる痛みすら甘い。
この甘さごと抱き籠めてシーツの波にうずめて見つめる、その瞳に驚きと緊張と少しの恐怖。
けれど自分と同じ願いと祈りを見つけて、もう、体深くから詩の一節は自分事に充ちてしまう。
Love and harmony combine And around our souls intwine,
恋愛と響融に結ばれて 僕達の魂を廻り絡ませ逢う
While thy branches mix with mine,
君の腕が僕の腕と交わされ抱きあって、
And our roots together join.
僕達の心も体も深根を繋ぎ一つになる
「ごめんね、周太…こんなことして、怖い?…っ、ぁ…」
吐息交じりに見つめた瞳、長い睫から涙きらめき墜ちる。
けれど答えなど恋人は今言えない、唇かませた純白の布に声を封じてある。
これは秘密の逢瀬、誰に知られることも出来ない瞬間、それでも今夜を抱きしめたい。
「周太…ずっと好きだ、逢えなくても一緒にいるって信じてる…だから帰って来て、必ず俺のところに帰って来て…周太」
魔法の呪文、そう信じるよう繰りかえす名前と言葉たち。
交わす腕に恋からませて、重ねる肌深く挿しこむ熱に血の過去が繋がれ融けあわす。
ふたつの心と体、けれど一つに融けてしまう瞬間に唯、互いを互いで充たしてもう離れられない。
「…っ、…聲、聴きたいよ周太、君の聲を聴きたい、俺を感じてる聲をもう一度だけ、…、」
君を感じる自分の声は、君に聴こえている。
だけど自分は君の声を聴けない、それが哀しくて純白の結び目に指かける。
そして震えた髪やわらかな香こぼれて、布一枚の猿轡ほどかれ唇が喘いだ。
「ぁ…えいじ、」
名前、呼んでくれた。
それだけで心が発熱する、そして唇キス重ねて熱が口移される。
「…ぅ、っ、んっ…、」
重ねたキスの狭間こぼれる吐息は、繁みの深奥に擦れる熱が操る。
ふれる腰の細やかな筋肉が熱い、抱きしめた背中が逸れて感覚が濃やかになる。
この身の真芯を包む肌やわらかに絞めさす、このまま放されずに繋がるままで時の涯に眠りたい。
―でも離れないといけない、周太のために、俺のために…本当に全てが終わるまで、
本当に全てが終わるまで、ふたり同じ家には帰れない。
だから終わりにする道へ進むしかない、そう解かるから今夜が明けたら笑って見送るだろう。
朝には見送らなくてはいけない背中、だけど今は体深く繋ぎとめてその背中を抱きしめ愛したい。
「…周太、愛してるずっと…ずっと抱きしめてるから、」
呼びかけ囁く告白に、愛しい瞳が微笑んでくれる。
黒目がちの純粋な瞳は優しくて、この瞳が明日から立つ現実に鼓動が裂かれる。
それでも止められない勇気は無垢の瞳に微笑む、もう、超えていく背中を遠く支え援けるしかない。
デスクライトすら消した秘密の夜、それでも見つめあえる瞳に想い募らせて。
【引用詩文:William Blake「Song(3)」】
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※念のためR18、露骨な表現は有りません
secret talk12 玄月―dead of night
Love and harmony combine
And around our souls intwine,
While thy branches mix with mine,
And our roots together join.
この詩の意味を昔の自分は知らなかった。
けれど今なら解かる、この通りの相手と出逢ってしまったから。
父、祖母、その父親の父親。
はるか遠くなる世代の前は、一人の人間だった。
そうして繋がる君だと知ったのは夏の初め、そして今、夏が終わる。
そうして季節が廻って秋が来たら、君は遠く離れて独りのまま行ってしまう。
だからこそ今この瞬間に全て懸けても繋がり逢いたいと望んで、君を夜に攫いたい。
「周太、…」
ほら、名前を呼んで君が振りかえる。
この腕を伸ばし抱きしめて、すこし震える肩に罪を負わせる痛みすら甘い。
この甘さごと抱き籠めてシーツの波にうずめて見つめる、その瞳に驚きと緊張と少しの恐怖。
けれど自分と同じ願いと祈りを見つけて、もう、体深くから詩の一節は自分事に充ちてしまう。
Love and harmony combine And around our souls intwine,
恋愛と響融に結ばれて 僕達の魂を廻り絡ませ逢う
While thy branches mix with mine,
君の腕が僕の腕と交わされ抱きあって、
And our roots together join.
僕達の心も体も深根を繋ぎ一つになる
「ごめんね、周太…こんなことして、怖い?…っ、ぁ…」
吐息交じりに見つめた瞳、長い睫から涙きらめき墜ちる。
けれど答えなど恋人は今言えない、唇かませた純白の布に声を封じてある。
これは秘密の逢瀬、誰に知られることも出来ない瞬間、それでも今夜を抱きしめたい。
「周太…ずっと好きだ、逢えなくても一緒にいるって信じてる…だから帰って来て、必ず俺のところに帰って来て…周太」
魔法の呪文、そう信じるよう繰りかえす名前と言葉たち。
交わす腕に恋からませて、重ねる肌深く挿しこむ熱に血の過去が繋がれ融けあわす。
ふたつの心と体、けれど一つに融けてしまう瞬間に唯、互いを互いで充たしてもう離れられない。
「…っ、…聲、聴きたいよ周太、君の聲を聴きたい、俺を感じてる聲をもう一度だけ、…、」
君を感じる自分の声は、君に聴こえている。
だけど自分は君の声を聴けない、それが哀しくて純白の結び目に指かける。
そして震えた髪やわらかな香こぼれて、布一枚の猿轡ほどかれ唇が喘いだ。
「ぁ…えいじ、」
名前、呼んでくれた。
それだけで心が発熱する、そして唇キス重ねて熱が口移される。
「…ぅ、っ、んっ…、」
重ねたキスの狭間こぼれる吐息は、繁みの深奥に擦れる熱が操る。
ふれる腰の細やかな筋肉が熱い、抱きしめた背中が逸れて感覚が濃やかになる。
この身の真芯を包む肌やわらかに絞めさす、このまま放されずに繋がるままで時の涯に眠りたい。
―でも離れないといけない、周太のために、俺のために…本当に全てが終わるまで、
本当に全てが終わるまで、ふたり同じ家には帰れない。
だから終わりにする道へ進むしかない、そう解かるから今夜が明けたら笑って見送るだろう。
朝には見送らなくてはいけない背中、だけど今は体深く繋ぎとめてその背中を抱きしめ愛したい。
「…周太、愛してるずっと…ずっと抱きしめてるから、」
呼びかけ囁く告白に、愛しい瞳が微笑んでくれる。
黒目がちの純粋な瞳は優しくて、この瞳が明日から立つ現実に鼓動が裂かれる。
それでも止められない勇気は無垢の瞳に微笑む、もう、超えていく背中を遠く支え援けるしかない。
デスクライトすら消した秘密の夜、それでも見つめあえる瞳に想い募らせて。
【引用詩文:William Blake「Song(3)」】
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