炎天の涯に、
葉月二十四日、金盞花ー never despair
太陽、黄金に灼けて沈む。
海風が髪ふきあげる、頬なぶる潮が甘く濃い。
睫かすめる風吹きよせる涯、金色まばゆい朱夏が水映る。
辛い甘い風、瞳染める赤い熱い黄金、きらめく光の雲が海に凪ぐ。
「…きれいだ、」
吐息こぼれる声ただ、風光を讃える。
この風に光に放たれていく、この匂いに熱に逢いたかった。
逢いたくて、帰りたくて、そうして募らせた涯に幼馴染が笑った。
「きれーだろー?オマエのふるさとだぞー」
「うん、」
素直に肯いて、頬かすめる香あまく熱い。
踏みしめる砂まだ昼が名残る、熱くるむコンバースを透かす。
足裏やわらかに温かい、砂ふむ靴底、熱、からい甘い香、それから朱い黄金。
ずっと帰りたかった、ずっと。
その風が頬ふれて撫でて、懐かしい寂寥ごと今をくるむ。
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8月24日誕生花キンセンカ
葉月二十四日、金盞花ー never despair
太陽、黄金に灼けて沈む。
海風が髪ふきあげる、頬なぶる潮が甘く濃い。
睫かすめる風吹きよせる涯、金色まばゆい朱夏が水映る。
辛い甘い風、瞳染める赤い熱い黄金、きらめく光の雲が海に凪ぐ。
「…きれいだ、」
吐息こぼれる声ただ、風光を讃える。
この風に光に放たれていく、この匂いに熱に逢いたかった。
逢いたくて、帰りたくて、そうして募らせた涯に幼馴染が笑った。
「きれーだろー?オマエのふるさとだぞー」
「うん、」
素直に肯いて、頬かすめる香あまく熱い。
踏みしめる砂まだ昼が名残る、熱くるむコンバースを透かす。
足裏やわらかに温かい、砂ふむ靴底、熱、からい甘い香、それから朱い黄金。
ずっと帰りたかった、ずっと。
その風が頬ふれて撫でて、懐かしい寂寥ごと今をくるむ。
金盞花:キンセンカ、花言葉「誠実、変わらぬ愛、初恋、忍ぶ恋」「失望・絶望、悲嘆、寂しさ、別れの悲しみ」
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