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嗜好な事や色々の思った事を再び書き連ねます。

ツール・ド・フランス2005 個人TT

2005年07月24日 04時00分39秒 | 音速の名無しさん
 ラスムッセンの姿を見てたら、居た堪れない気持ちに成りました。
昨日の投稿では、ウルリッヒ、ヘタレろ!とか、ラスムッセン頑張れ!とか書きましたが、
結果は、ラスムッセンの不運等色々有り、順位が想像以上に振るわず、
ウルリッヒが今大会一番のアタックを見せた事で、総合順位が逆転しました。

 ラスムッセンは、やはり尋常じゃ無いプレッシャーだったのかな?と思います。
本来チームのエースでも無く、(実力は勿論だが)レース展開等も助けられ、山岳ジャージを獲得。
更にそれを確実の物とする過程で、これは本当にレース展開や自身の総合順位の状況等も有り、
総合2位の地位を物にする。
 その後も上位にジリジリと差を付けられながらの、それでも何とか喰らい付いて行き、
の頑張りの結果の、この日直前の総合3位。と言う状況だった。

 山岳を九分八分確実にした上でのこの状況での個人TTと言う展開。
個人TTはチーム戦術云々で無く、選手個人の純粋の力比べた。
 そんな状況では、やはりシャンゼリゼでの表彰台に上れる総合3位を狙わずには居れない!
と言うのが、トップアスリートとしての性だろう。
 しかし、魔物は棲んで居た。
 今まで伏兵として活躍した彼には、上位本命として個人TTに挑む経験が、
他の上位候補選手よりもかなり少ない。
 尋常じゃ無いプレッシャーだったろう。明らかに冷静さを欠いてしまった感じの走りだ。
そしてタイムアタックが始まり、ロータリーでの、急激な攻めのコーナーリングを狙った為の、
オーバースピードによる転倒&落車!
 その身体的ダメージも痛々しいが、精神的ダメージも大きい。
その後は、どう見ても本来の走りが出来て居ない感じだ。
 その中での、3回にも及ぶマシントラブル!
 気持ちの平静を保つ事は、もう叶わない。
自らを急かす衝動だけが空回り、コーナーを曲がりきれずにコースアウト!
二度目の転倒&落車だった…
 そして皮肉なのが、この時に限って、今大会キレキレの走りをしてしまう、ウルリッヒなのだ。
その後、6分遅れでスタートを切った、総合1位のランス・アームストロングにまで抜かれてしまう場面は、
今回のレースの悲しさを象徴する場面で、悲しかった。
(昨年の、イバン・バッソを思い出させた場面でも有ったな…)

 この結果、個人TTのみで言うと、70位近い順位でゴールしなければいけない屈辱を味わった。
この結果、総合順位も、7位にまで一気に落ち込んでしまう…

 レース後の山岳賞表彰でも、かなり凹んだ表情で、まさに彼の心理状態を端的に表した場面だった。
 しかし、そんな悲しい顔をしないでくれ!
君は山岳の王者なんだぞ!? ツールで山岳を取る事は、それはそれは凄い事だ!!
今まで何人の、そのジャージが似合った名物クライマーが誕生したと思っているんだ!?
 そして一時期では有っても、このツールで総合2位と山岳を確保する何て凄い事だ!
君は間違い無く、今年のツールで一番輝いた選手だったよ!
 この経験は、君が更なる名選手へ変貌する為の試練なのだ。
なので、明日のシャンゼリゼでは、胸を張って、その山岳ジャージを着てゴールしてくれ!!

 そしてラスムッセンを抜かしたウルリッヒ、昨日は酷い事を書いて済まなかった!!
今回の君は、本当に凄かったよ!今回の走りを見させられたら、
例えラスムッセンがトラブルに巻き込まれなくても、順位は入れ替わっていただろうと納得が出来たよ。
惜しむらくは、その走りをレース全体でもっと見せて欲しかった事と、
チーム戦術が非常に守備的&トンチンカンだった事かな?

 そしてランス!
今回のキレキレなウルリッヒで、全ステージ優勝せずに、総合優勝してしまって、引退してしまうのかい?
とも思ったが、やはりランス!
 最後はそのキレキレなウルリッヒをねじ伏せて、今年初めて本気全力走りを見せての優勝で、
7連覇に相応しい選手だと実感させる走りを見せてくれた。

 この男を見て、今日のラスムッセンも見ると、改めて総合7連覇と言う偉業は、簡単な様に見えて、
実はプレッシャーも並大抵では無く、非常に難しい事なんだな。と思い知った。

 他にもバッソの成長振りや、来年以降にも期待できる後進の選手の可能性等も見れて、
非常に面白い個人TTで有った。

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