聖グロ日記【アッサム】

　みほさんを助けると、鼻息荒くして飛び出したのはいいけれど、OG会に無断で航路を変更したものだから、北海道に到着するまでずっと電話が鳴りっぱなしだった。それだと言うのに、ダージリンはメールにすればいいのに、みんなに暗号を送るなんて意気込んで、隊長室を後にした。


おかげで、すべての電話対応を私がする羽目になった。わざわざペコと隊長室を抜け出した意図はそこにあったのだと思う。



　隊長を集めた作戦会議を行うと言われ、嫌な予感がしてすぐにダージリンの袖に小さな盗聴器を取り付けた。みほさんのための戦いだから、余計なことを言わないこと、偉そうに格言を言って周りに迷惑を掛けないこと、回りくどいもののいい方をしないこと、基本的には黙ってみほさんの指示を聞くだけにとどめておくこと、とにかく、周りを困らせないように、とクドクドと伝えた。よっぽどペコを付けておこうかと思ったが、ペコがいる方が調子に乗るかもしれないと思って、１人で送り出して、盗聴器のスイッチを入れた。ノンナが隣に座っているようで、副隊長の自分が行けばよかったのかってちょっと思ったけれど、ローズヒップたちのお守りをしなければならないのだから、仕方がなかった。


　絶好調に言いたいこと言って、勝手に作戦名を付けようとするし、とにかくダージリンが相当、今回の戦いに本気で楽しみだと言うことだけが伝わってきた。ノリノリだった。会議から戻ってきたときも、ランランと目を輝かせて、楽しそうにしていたから、すべて聞いていましたと一言告げると、一瞬気まずそうな顔をした。調子に乗りました、と自ら申し出て謝ってきた。可愛いから小言を何も言えなかった。


　あの強豪校の隊長たちの中で、やっぱりダージリンが一番綺麗だと思ってしまう。
　そして間違いなく、一番変な人だとも思う。


　隊長たちが漫才のような会議をしているのを盗聴しながら、ローズヒップたち３人とお茶を飲み、チャーフィー撃破について話し合っているのが一番楽しかった。ローズヒップがもし、本当にチャーフィーを撃破したら、丸一日オフの時にデートしてあげると言うと、俄然やる気を見せた。ルクリリには、とにかく最後まで残れるようにと励ました。もしチャーチルが先にやられたら、プラウダと共に行動をしなさいと。カチューシャやノンナなら、必ず傍にいれば的確な指示を出してくれるだろうから、と。ノンナがあそこで離脱したのは残念だったが、とても彼女らしい戦い方だった。



　チャーフィーを撃破してしまったので、来週、ローズヒップとデートしなければならないのだけれど、ダージリンには伝えていない。
　ものすごく拗ねられるような気がして、どういえばいいのか、とても困っている。