お客様からの修理依頼品ですが、「時計が曇ってしまって」「水滴が散見される」等の申し送り事項がある場合には、優先して内容の確認をしなくてはなりません、軽度であれば『早めに乾燥』の状態にしなければならないです。
今回のご依頼品も「時計が曇った」と申し送りありました
ケースからムーブメントを取り出し確認です
針のクスミ、巻き芯の錆がありますね。
文字板を外してみると
10時位置の部品は錆により破損しています。
その他全体的に汚れが見受けられます
ムーブメント裏側
巻き芯は状態悪いですが、巻き芯の右下に突起物があります。本来はこの部分に突起物は無いので、また部品破損の予感
ムーブメント外周にも汚れ?錆?見分けが付きにくいモノあります。
回路を外してみます
巻き芯制動する板バネの破損あり、折れていました
歯車の汚れもひどく、分解掃除は困難でムーブメント交換をおススメします
原因はリューズの壊れにより、水気が機械内部に侵入し長時間経過、文字板が白色なので、曇り具合が判りにくかった事もあり気づくのに時間が掛かったようです。
リューズとムーブメントの交換は必須です。
季節も変わり目を迎えてきていますが、秋口は修理の多い時期となります。
多い理由は水・湿気が関わる不具合発生が多いように思います。
身に着けると自身の体温で温まり時計が曇る事例が多く、お客様からご意見とご依頼頂きます。是非ご自身の時計確認してみて下さい。