どうせ入力するなら、正規?形式でーという訳で、
今回はオンラード殿でございます。どうぞー。
①フルネーム
オンラード・ウル・ソロン。幼少時の愛称はオウル。
②生年月・出身地
アシアン暦216年11月生まれ
王国北部、ソロン侯領の都マイオス出身。
③身分・素性
ソロン侯デジール・ブレと正妃の間に生まれる。
嫡男ではあったが、父が老いてからの子であり、
異母兄弟が多いこともあって、なかなか世継ぎと認められなかった。
文武両道を目指すが、父の思惑により学問所は中退。
その後自らの才覚により森の魔女シルマオンブルと
王弟フォルスクランの信用を得、ソロン家の頭領となった。
ナサレフ侯の娘ルスキニアと結婚し、二児をもうけた後は
職務に没頭、家庭とは縁のない夫だったようである。
王子シャリオルフィンの誕生に際し、フォルスクランに求められて
息子クリシス・ノイをその補佐役に差し出すことを決意、
フォルスクランの望む改革の為ひそかに計画を進める。
世継ぎの長男フィダム・レイにも同様に王家の支えとなることを望んだが
多感な少年が父の意向を理解する前に、オンラード・ウルは戦場で負傷、
蛮族に捕らわれる。
その時窮地を察して肉体から離脱したフォルスクランの幽体に導かれ、
奇跡の帰還を果たすも、右腕を壊死の為切断し、失う。
肉体的なダメージも大きかったが、幽体離脱の負荷に耐えきれず命を落とした
フォルスクランへの罪の意識から、ソロン侯の座を息子に譲った。
当主の座には長子フィダム・レイが就く筈だったが、
王子シャリオルフィンが補佐役にフィダム・レイを選んだ為、
次子のクリシス・ノイがソロン侯を継いだ。
その後間もなく、オンラード・ウルは近くの湖畔の別邸に移り、
妻ルスキニアの看護を受ける穏やかな暮らしに入った。
武人には受けの良くないクリシス・ノイの後ろ楯となりつつ、
亡き人を想う日々を送るが、心身の傷は癒しがたく、
数年後クリシス・ノイの結婚を見届けてのち、世を去った。
④外見
非常に長身(190cm強)。巌のごとく強健な肉体を持つ生粋の戦士である。
クセの強い濃褐色の髪に鋭い灰色の瞳。
彫りが深く野性味の強い顔立ちに、壮年期は口髭をたくわえ、
かなりいかつい印象だが、口許は意外とやさしい。
⑤性格
勇猛果敢、大胆不敵、武人として申し分のない美質を持つ。
一方で未知なものに対する恐れが強く、かたくなになる面も。
女性にはあまり興味がないが、妻には格別の愛着があったようである。…。
⑥趣味・特技
馬にはかなりうるさい。戦馬レーチェの他、狩猟用、遠乗り用等々
多数お気に入りがいた様子。
滅茶滅茶酒に強く、酔ったことがない。
教養関係には興味が無く、諸侯の中では無粋な輩と思われていたようである。
⑦その他 作者コメント
フィーとクリスのパパ、オンラード殿です。
どこから見ても国境の猪武者だった彼が、似合わぬ陰謀を心に秘めたのは、
それがフォルスクランの望みであるという、
ただそれだけの理由だったのかもしれません。
多少の跡目争いをのぞけば、単純に純真に育ってきたオンラードにとって、
年上の美しい王族が抱く愛憎や憂いの表情は
あまりにも甘美な毒だったのでしょう。
動かされたのは保護欲だったかもしれないし、支配欲だったかもしれないし、
武骨な自分に対するコンプレックスだったかもしれないし、
そのすべてだったかもしれません。
彼は当初、自分がフォルスクランを守る立場だと自負していたようですが、
のちに王となったフォルスクランがうちに秘めた強さと厳しさに、
大いに救われたようです。
古い因習が骨の髄まで染みこんだオンラードには、
慣習破りのすべてが強いストレスに違いなかったでしょうから。
そんな傾倒、心酔といった言葉ではあらわせないほどの想いを捧げた相手、
フォルスクランが、幽体での姿とはいえ、自分のピンチに現れて救ってくれるとは
オンラードにとっては夢以外の何ものでもなかったでしょう。
しかし、生還して物事の判断力が戻って、
それが主君の自殺行為だったことを彼は知ります。
そしてそれが究極の愛ゆえであることも。
後を追って死ぬことも赦されない、
しかし何かを成し遂げて報いるにはあまりにも不具な命を抱えて、
彼は何年かを生き続けます。ルシーに詫び、クリスを見守りながら。
やつれた身体に病を得た時、オンラードの心をとらえたのは何だったのでしょうか。
それを書く勇気は、今の富江にはありません。
オンラードはラテン語で「正直な」の意味。
書き進めるほど名前に正直な生き様になってしまった彼には
ある意味皮肉な由来となりました。
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