WEB想音

音楽、小説、アート等、多趣味人間の日記です

ラストスパート第11弾

2006-10-11 21:04:20 | 設定公開

結構長いこと続いたキャラクター設定公開ですが、
あと二人となりましたー。
大物具合も増しまして、フォルスクランです。

①フルネーム
フォルスクラン・リーディング 異界語名は浅加忍(アサカ・シノブ)

②生年月・出身地
アシアン暦202年6月、王都クォーナで生まれる。

③身分・素性
闇の導師の8代目、モナルクヴォルカンと王妃浅加清音の間に
第二王子として生まれる。6歳上の兄はヴォルフメラン。
文武両道で社交家の兄の陰に隠れた存在であり、
母以外の人間にはあまり構われずに育った。
少年時代から二十歳過ぎまでは学問に熱中するが、
教える立場になることを認められなかったり、恩師を亡くしたりした為、
学問所を離れ、世捨て人のように暮らし始める。
前後して、夫に先立たれた為精神を病んだ母を連れて、離宮の一つに移った。
兄王の年若い妻とは折り合いが悪く、孤立を深めていく。
この頃から緑内障と慢性の頭痛をわずらって、
昼より夜の生活を好むようになった。
32歳の時、王弟の予言の力を求めるソロン家の世継ぎオンラード・ウルに出会う。
若く野心家のオンラード・ウルを当初冷たくあしらうが、のちに心をひらいた。
その後兄王の急逝により10世王として即位。
異界より潮見智栄を喚び出して妻とし、一人息子のシャリオルフィンをもうけた。
妻の智栄とは理想の社会像に関して意見の一致する点が多く、
二人は息子に自由や平等、権利といった概念を教える。
一方でフォルスクランは自分の崇拝者であるオンラード・ウルに助けを求め、
大いなる改革を行うであろうシャリオルフィンの補佐役として、
ソロン家の次男クリシス・ノイを王家に迎える密約を結んだ。
その後も折々にオンラード・ウルとはひそかに会談を重ねるが、
王としても十二分に働き、学問所の教壇に立つなど、新しい試みにも取り組んだ。
しかし病身をいたわることは少なく、
夫の死を恐れる智栄の心痛を深める結果となる。
元々は私情に溺れる性質ではなかったが、北の国境の異変を察知した折、
領主オンラード・ウルの身を案じて心を傾け、彼の危地に際し、
ついには肉体を解脱して魂を北の戦場へ飛ばした。
その時自分が本当に守りたかったものを悟り、オンラード・ウルを生還へと導く。
しかし幽体離脱の負荷は重く、達成感と安堵に気持ちがゆるんだ瞬間、
個としての意識を保つことが出来ず、魂は世界の源である混沌に呑まれた。
前後して心臓も停止し、遺体は王家の墓所へ葬られた。

④外見
身長はそこそこ(174.5㎝)だが、細身でバランスが取れている為に高く見える。
年を経るごとに痩せたが、表情はますます柔和になった。
まっすぐで長い黒髪は40代以降白い筋が目立つようになる。
造作は繊細だが、黒い瞳に宿る光は強く、男性的。
王という華々しい立場だが、鮮やかな色彩を好まず、
公の場以外は簡素な衣服で過ごした。

⑤性格
常に他人に気を配り、いつもにこやかで激しい感情を表に出すことはない。
が、自身に対しては非常にストイックで、
その厳しさは周囲の人間を痛ましい気持ちにさせることも。
若い頃はひどい厭世家だったが、責任ある立場になったのちは
ポジティヴシンキングにつとめている。
しかし、ごく限られた人間にしか見せない素顔は、意外と幼く、
人恋しい性質だったようである。

⑥趣味・特技
若い頃は読書と乗馬。ストレスが溜まってくると外出して発散、という時期もあった。
どちらも目を悪くしてから控えざるをえなかったが、
音楽鑑賞やアロマテラピー(もどき)を楽しんでいたようである。
水盤に水を張り、そのおもてからさまざまな事象を読み取る能力者。
予言者として特にすぐれていた訳ではないが、
ゆたかな学識とあわせて伝えられる言葉は、
導師にふさわしい真実を映していたようである。


⑦その他 作者コメント
はあはあ。やっとここまでこぎつけました…。難産でしたね。
フォルスクランのエピソードは、実際に書くのがまだこれから
というせいもあるのですが、流れ的にはもう決まっているので
性格なども理解出来ていると思っていたのですが、
彼だけは、本当に読めません(苦悶)
興味のない脇キャラならメインエピソードを出すこともないのですが、
作者は彼が好きなもので書きたいんです。書くと動くんです。
でもそうなると話があらぬ方向へ。……。

「春の冠」の時点では彼は病死の筈だったんですよ。
それが幽体離脱の末の衰弱死で、それもオンラード・ウルを想っての行為だなんて
思ってもみませんでした。
フィーとシャリオの関係もそれを受けて変わってくるし…。
より深く書いてみて、作者が気付いたのは、彼がゲイであることでした。
これは富江の作為ではなく、本当に彼からの主張です。
だから、仲が悪い訳でもないのに妻の智栄とは冷ややかで距離があり、
オンラード・ウルとは離れているのに心はつながっている。
それを作者は出会いの経緯やら何やらで説明しようと試みていたのですが、
もう誤魔化すような書き方はやめた方がいいんでしょうね。
彼が愛していたのはオンラード・ウルで、智栄には同志愛しか抱けなかった。
かつて彼が王にはなれない王子だった頃、伴侶を得られそうにないという絶望から
同性に走ったのだという理由付けも考えたのですが、
それもどうやら蛇足のようです。
彼の真意に作者も気付くのが遅すぎました。
彼の想いをふまえて、次のエピソードはしんみりと良いものが書けそうです。
彼が闇から救い出され、ひとと世界を愛しく抱きしめるまでの物語を。

フォルスクランの由来はフォルスがラテン語で運を意味する言葉、
クランは手持ちの辞書には載ってないのですが、多分ケルト語圏の言葉で
氏族と訳されている単語です。ゲームの中の用語としても時々見ますね。

この世界の死者の魂がどこへゆくのか、作者は決めていません。
アシアン年代記の世界はまだ宗教を持たないのです。(のちには生まれますが)
おそらくは肉体と同様、土に水に世界へ還っていくのでしょうね。
本来ならば、ミイラとして保存された肉体に、
彼の魂の残滓も縛り付けられる筈でした。彼の父や兄のように。
子や孫に断片的な想いを語り続ける為に。
しかし彼は解き放たれたのです。
玉座を捨て、家族を捨て、無我夢中で辿り着いたところ。
そこは夢にまで見たあのひとの土地だった…。
彼は世界に還りました。そこへはのちにオンラード・ウルもゆきました。
彼の一生は幸福ではなかった。
しかしその瞬間はとても満たされていたと信じたいです。

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