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WEB想音

音楽、小説、アート等、多趣味人間の日記です

ネーミング考 PART1

2009-03-02 00:18:16 | 設定公開
久しぶりに設定公開らしきものをアップしてみます。
一応リクエストがあったのですが、
面白いものになってるかどうかは、
書いた本人はよく解っていません。
お好きにお楽しみ下さいな。


日本語名:
あまり難しい名前にしない方向でやってます。
お嬢様、とか、おうち全員がエキセントリックな人、とか
特殊なケースはあえて変な名前もありえますが。
コメディのシリーズでは、吉本縛り、タイガース縛り、ヅカ縛り、
なんてこともやってました。
いい名字を思いつかない時は日本地図を見ます。
地名は大抵名字としてもイケるので。

ヒロイン格の女性キャラには“名字がさんずいへんで名前の読みが2文字”
というルールを設けています。
富江本人の本名もさんずいへんつき2文字なので・笑。
レッドスター★だと尾浜留衣(おはまるい)、
ガールズブラボーだと天海香寿(あまみかず)、
ラフメイカーズだと池乃夏恵(いけのかえ)、という感じです。
他には杉浦莉子、浅野実樹、川添真理、倉沢香保、湯川希理、濱名佐智、等々。
でも、こうやって並べてみると、若干字面が硬いかな…。
ちなみに、もっと一般的な名前の、アイとかエミとかリエとかは
もはや書く機会がないであろう、
超初期作品のヒロイン名として使っちゃいました。

男性陣はかなりテキトー。
中高生の頃は好きな男子の名前を拝借、
というベタなこともやりました・汗。


ファンタジー編:
初期は思いつきでつけてました。
小説やゲームのキャラとおんなじってこともあったり、
日本語名や英単語の変形であったり。
ヒロインはやっぱり名前が2文字。
イヴだの、テフェだの、ルカだの、つけましたね。
PRISM FACE収録の「夏の予感」のヒロインはドロシーですが、
これはもともと別にメインシリーズ(ヒロインは思絵)があっての
スピンオフエピソードなので、彼女はもともと脇役なんですよ。

そんな、なんとなくネーミングが変わってきたのは、
学研のネーミング辞典を手に入れてから。
2も持ってますので、英、仏、独、伊、ギリシャ、ラテン、
スペイン、ポルトガル、オランダ、ロシア、
韓国、中国、アラビアの単語を並べて見較べることが可能です。
新書の「人名の世界地図」、「地名の世界地図」も参考にします。
名前は、キャラクターのイメージに合う単語から、
好みの響きのものを選んでつけている感じですね。
「叛心」でいうと、ジンは金、アリュメットはマッチ、
セグンドは二番目、英語でいうセカンドのこと、という感じです。

年代記の王妃様たちは、
なかなかメインエピソードのヒロインにはならないので、
さんずいへんの名字の枠は守ってますが、
名前に関しては制約を外してます。
名前全体で、国や王の美質をあらわせるように頑張っているんですけどね。
たとえば江国柊子は衛国柊子の字をかえたもので、
意味するところは“国を守る柊(=鬼除け)のひと”です。


と、一応基本?を押さえたところで次は実践編。
秋からの新シリーズ“無名候補者”の主要キャラ像および、
それに沿った名付けの経緯を紹介致します。
では、続きは明日にでも。
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続行中

2007-07-27 22:09:58 | 設定公開
奥付と目次が完成ー。
次はノンブル作成でっす。

基本的には「斑の玉座」とデザインが共通なんで
楽といえば楽なんですが、
斑より「夜鳴鳥」の方が
章数が多いし登場人物も多い!
仕方ないのでスペース詰めましたが、
ちょっと見にくいかしらん…。
ページ数が余ってれば
人物紹介だけで1ページ取れたのにねえ。

明日は足りない原稿用紙を買いに行きます!
発注用紙もないから、もらってきますです。
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これでおひらき第12弾

2006-10-12 00:23:01 | 設定公開

続けてシャリオです!
これでラスト、凄いテキスト量ですが、いきますよ!

①フルネーム
シャリオルフィン・リーディング。愛称はシャリオ。

②生年月・出身地
アシアン暦246年9月、王都クォーナで生まれる。

③身分・素性
アシアン王国の10世王フォルスクランと王妃・潮見智栄の間に
一粒種として生まれる。
病身の父が陽光の刺激を避けなければならなかった為、
彼も幼少時は昼夜逆転の生活を余儀なくされた。
同年代の子と接する機会が無く、早くから両親により高度な教育を受けた為
大人びた少年に育つ。
自由・平等・平和の意味を知る次期国王として両親の多大な期待を負う一方で、
精神的肉体的にややひ弱な一面もあったようである。
12歳の時、いずれは政事の協力者に、と父親同士が取り決めた
ソロン家の兄弟に出会う。
のちの補佐役に定められていたのは弟クリシス・ノイだったが、
彼自身は今まで接したことのないタイプである兄フィダム・レイに興味を覚える。
その後王立学問所で再会した兄弟たちとはそれぞれ親しくなるが、
特にフィダム・レイとはともに鍛錬に取り組んだりするなど交友を深めた。
15歳になる直前の夏、フィダム・レイに誘われ、おしのびで王国南部を旅する。
不測の事態により困難な旅路となったが、
危地を救ってくれた旅芸人の娘テルカとの恋をきっかけに、
人間的に大きな成長を遂げ、王都に戻る。
17歳の時王国北辺の危機を察知し、フィダム・レイを郷里に向かわせるが、
ソロン侯を想うあまりに幽体離脱を行った父フォルスクランを取り戻すことは出来ず
永遠に父を失った。
11世王としての即位にともない、クリシス・ノイを補佐役に得る筈だったが、
多くの秘密を共有するフィダム・レイをその立場に望み、
諸侯たちとの駆け引きの結果、それを認めさせた。
王となったのちは、予言をたてに各地への影響力を高め、
特に奴隷制の廃止に尽力するが、諸侯の反発に遭う。
鬱屈した日々の途中で、伴侶・浦辺時葉と息子ラウルファーレン、娘アイシャを
次々に得て、ささやかな心の平穏を保った。
母智栄を失った悲しみ癒えぬ26歳の冬、
王国北部を炎の魔女ルミアエルダンが襲い、ファリルの町に駆けつける。
そこでのちの不死王シャロムとめぐり逢い、共闘し、
創造者の意思を具現する存在としての互いを確認し、
生涯友として交流を誓った。
シャロムに不死王の称号と王冠を贈ったことで王国シリクの存在を認め、
初めて「外交」を行った王として名を残した。
青年時代の性急さを改めたのちは善政を施き、よく慕われたが、
肉体を凌駕する能力の制御を保ち続けることは出来ず、心臓を病む。
若すぎるその死に際し、訪れたシャロムに見守られて世を去った。
その時、親友フィダム・レイの後追いを避ける為、
遺体を彼に見せぬよう遺言したという。

 ④外見
比較的小柄(165、6㎝)で、華奢な骨格を母から、
切れ長の目と繊細で整った容貌を父から受け継いだ。
黄色人種がいない地域なので、美形というよりは
変わった顔だと思われているらしい。
血色が良くないのと態度が落ち着いているせいで、一見年齢不詳。
当然ながらストレートの黒髪、黒眼。
極端な長髪にはせず、肩下くらいの時が多かったようである。
衣装は常に派手好み。宝飾品にもうるさく、
行事によっては化粧までしていたらしい…。


 ⑤性格
プライドが高く負けず嫌い。
有り余る教養と世間からズレた価値観の為、常に疎外感を感じており、
理解者に飢える気持ちを持っている。
辛辣なもの言いをするが、根は生真面目。
結果を急ぐ傾向があり、その生硬さは時に諸侯たちの反感をかった。
妻や子どもたちにはやたら甘かったが、息子ラウルファーレンに対しては
のちに厳しく方向転換した為、父子の断絶を招く結果になった


 ⑥趣味・特技
歌うことは趣味というより呼吸のようなもの。
若い頃はヨガや合気道に凝っていたが、
成人してからはもっぱら酒がストレス解消のもととなった。
アルコールは相当強いが、酔うと余計なことを口走ったり、
周囲の人間まで同調して気分が悪くなったり、とかなり迷惑。
予言者としての感度は非常に高く、
意識しなくともしばしばトランス状態となり歌い出すので、
記録者のフィダム・レイは目が離せない。
他の占いも併用していたが、言葉、強弱、緩急であらわされる“唄”の真実には
格別の重みがあったようである。

 ⑦その他 作者コメント
シャリオです。設定公開は今回の彼まででひと区切りとさせていただきます。
彼は好き嫌いの別れるキャラ、らしいです。
病弱、高貴の生まれ、耽美な描写、欠点の目立つ性格あたりを
“狙ってる”と取るかどうかだと思うのですが。
「森の王」では当初彼は名前だけ登場の予定でした。
王国は11世王シャリオルフィンの御代――ってことで。
でもストーリーを進めていくうちに、世界の危機っていってるのに
闇の導師ともあろう方が無関心なんてありえないなーってことになり、
関わっていただくことになりました。補佐役殿ともども、もうどっぷりと。
その時点でシャロムとの対比が重要なポイントとなったシャリオが
天真爛漫なキャラクターになることはありえなかったのですが、
のちに着道楽で作者を悩ませる彼が、初登場時は白をまとっていたことは、
ひどく象徴的な出来事に思えます。
まさにあの時、彼は生まれたのですから。

その後縁あって、彼のことは家族も愛も友情も救済も、そして死も、
断片的にではあるのですが、描くことになりました。
私の中ではあまり例のないことです。なくはないのですが、
実際に小説にしたのは彼が最初。
私はどうして彼を書くことにしたのでしょう。
ワガママで神経質で酒乱で甘えん坊の王様を。
最初はフィダム・レイとのコンビが楽しいのかと思っていました。
しかしシャリオの最終章では、補佐役殿の出番は少なそうです。
シャロムが来てくれますが、でも見届けてくれるだけですし、
シャリオは結局独りだったのかな、と思います。
その生まれも外見も能力も、異邦人そのものである闇の導師。
息子のラウルもまだまだ半人前ですし、
その淋しさが私を惹きつけたのかもしれません。
少年のようにまっすぐで脆い心意気も。

シャリオはとても愛しいです。
でもそのいとおしさの源である彼の短い人生を、
長く安楽に改竄することは出来ません。
彼ののちの歴史と人々の人生は、それを乗り越えて始まるのですから。

名前は仏語で北斗七星を意味するグラン・シャリオと終わりを意味するフィンを
仏語風につなげたもの。
シャリオだけだとあまり美しくない単語になっちゃうのですが…。
姓のリーディングは昔の命名なので、英語そのままの
“導くこと”“読み取ること”のダブルミーニングです。

最後に。シャリオはフィーにとても感謝していたと思います。
のちにシャロムという別格の理解者を得るのですが、
少年時代フィーは付き合いベタの王子に物好きにも関わってくれ、
さまざまな人生経験にも付き合ってくれた。
クリスのことも好きではあったけど、頼れる存在といえばフィーしかいない。
父を失った時、そして父とソロン侯の約束を知った時、
シャリオが欲しいと思ったのはフィーだった。
だからなりふり構わず手に入れた。
フィーの愛する人を察しつつも、彼の罪悪感を利用してでも欲しかったのです。
それは愛ではないですけれども。
当初はあつい友情で結ばれていることになっていた
主従の関係を変えてしまったのは彼らの父たちですが、
でも今の作者は、この陰影の深い関係を気に入っています。
自分の死期を悟った時、シャリオは自分の気持ちを封じて、
フィーから殉死という選択肢を奪うべく陰謀をめぐらします。
素直でない彼らしい、やさしさのあらわれだと思っています。


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ラストスパート第11弾

2006-10-11 21:04:20 | 設定公開

結構長いこと続いたキャラクター設定公開ですが、
あと二人となりましたー。
大物具合も増しまして、フォルスクランです。

①フルネーム
フォルスクラン・リーディング 異界語名は浅加忍(アサカ・シノブ)

②生年月・出身地
アシアン暦202年6月、王都クォーナで生まれる。

③身分・素性
闇の導師の8代目、モナルクヴォルカンと王妃浅加清音の間に
第二王子として生まれる。6歳上の兄はヴォルフメラン。
文武両道で社交家の兄の陰に隠れた存在であり、
母以外の人間にはあまり構われずに育った。
少年時代から二十歳過ぎまでは学問に熱中するが、
教える立場になることを認められなかったり、恩師を亡くしたりした為、
学問所を離れ、世捨て人のように暮らし始める。
前後して、夫に先立たれた為精神を病んだ母を連れて、離宮の一つに移った。
兄王の年若い妻とは折り合いが悪く、孤立を深めていく。
この頃から緑内障と慢性の頭痛をわずらって、
昼より夜の生活を好むようになった。
32歳の時、王弟の予言の力を求めるソロン家の世継ぎオンラード・ウルに出会う。
若く野心家のオンラード・ウルを当初冷たくあしらうが、のちに心をひらいた。
その後兄王の急逝により10世王として即位。
異界より潮見智栄を喚び出して妻とし、一人息子のシャリオルフィンをもうけた。
妻の智栄とは理想の社会像に関して意見の一致する点が多く、
二人は息子に自由や平等、権利といった概念を教える。
一方でフォルスクランは自分の崇拝者であるオンラード・ウルに助けを求め、
大いなる改革を行うであろうシャリオルフィンの補佐役として、
ソロン家の次男クリシス・ノイを王家に迎える密約を結んだ。
その後も折々にオンラード・ウルとはひそかに会談を重ねるが、
王としても十二分に働き、学問所の教壇に立つなど、新しい試みにも取り組んだ。
しかし病身をいたわることは少なく、
夫の死を恐れる智栄の心痛を深める結果となる。
元々は私情に溺れる性質ではなかったが、北の国境の異変を察知した折、
領主オンラード・ウルの身を案じて心を傾け、彼の危地に際し、
ついには肉体を解脱して魂を北の戦場へ飛ばした。
その時自分が本当に守りたかったものを悟り、オンラード・ウルを生還へと導く。
しかし幽体離脱の負荷は重く、達成感と安堵に気持ちがゆるんだ瞬間、
個としての意識を保つことが出来ず、魂は世界の源である混沌に呑まれた。
前後して心臓も停止し、遺体は王家の墓所へ葬られた。

④外見
身長はそこそこ(174.5㎝)だが、細身でバランスが取れている為に高く見える。
年を経るごとに痩せたが、表情はますます柔和になった。
まっすぐで長い黒髪は40代以降白い筋が目立つようになる。
造作は繊細だが、黒い瞳に宿る光は強く、男性的。
王という華々しい立場だが、鮮やかな色彩を好まず、
公の場以外は簡素な衣服で過ごした。

⑤性格
常に他人に気を配り、いつもにこやかで激しい感情を表に出すことはない。
が、自身に対しては非常にストイックで、
その厳しさは周囲の人間を痛ましい気持ちにさせることも。
若い頃はひどい厭世家だったが、責任ある立場になったのちは
ポジティヴシンキングにつとめている。
しかし、ごく限られた人間にしか見せない素顔は、意外と幼く、
人恋しい性質だったようである。

⑥趣味・特技
若い頃は読書と乗馬。ストレスが溜まってくると外出して発散、という時期もあった。
どちらも目を悪くしてから控えざるをえなかったが、
音楽鑑賞やアロマテラピー(もどき)を楽しんでいたようである。
水盤に水を張り、そのおもてからさまざまな事象を読み取る能力者。
予言者として特にすぐれていた訳ではないが、
ゆたかな学識とあわせて伝えられる言葉は、
導師にふさわしい真実を映していたようである。


⑦その他 作者コメント
はあはあ。やっとここまでこぎつけました…。難産でしたね。
フォルスクランのエピソードは、実際に書くのがまだこれから
というせいもあるのですが、流れ的にはもう決まっているので
性格なども理解出来ていると思っていたのですが、
彼だけは、本当に読めません(苦悶)
興味のない脇キャラならメインエピソードを出すこともないのですが、
作者は彼が好きなもので書きたいんです。書くと動くんです。
でもそうなると話があらぬ方向へ。……。

「春の冠」の時点では彼は病死の筈だったんですよ。
それが幽体離脱の末の衰弱死で、それもオンラード・ウルを想っての行為だなんて
思ってもみませんでした。
フィーとシャリオの関係もそれを受けて変わってくるし…。
より深く書いてみて、作者が気付いたのは、彼がゲイであることでした。
これは富江の作為ではなく、本当に彼からの主張です。
だから、仲が悪い訳でもないのに妻の智栄とは冷ややかで距離があり、
オンラード・ウルとは離れているのに心はつながっている。
それを作者は出会いの経緯やら何やらで説明しようと試みていたのですが、
もう誤魔化すような書き方はやめた方がいいんでしょうね。
彼が愛していたのはオンラード・ウルで、智栄には同志愛しか抱けなかった。
かつて彼が王にはなれない王子だった頃、伴侶を得られそうにないという絶望から
同性に走ったのだという理由付けも考えたのですが、
それもどうやら蛇足のようです。
彼の真意に作者も気付くのが遅すぎました。
彼の想いをふまえて、次のエピソードはしんみりと良いものが書けそうです。
彼が闇から救い出され、ひとと世界を愛しく抱きしめるまでの物語を。

フォルスクランの由来はフォルスがラテン語で運を意味する言葉、
クランは手持ちの辞書には載ってないのですが、多分ケルト語圏の言葉で
氏族と訳されている単語です。ゲームの中の用語としても時々見ますね。

この世界の死者の魂がどこへゆくのか、作者は決めていません。
アシアン年代記の世界はまだ宗教を持たないのです。(のちには生まれますが)
おそらくは肉体と同様、土に水に世界へ還っていくのでしょうね。
本来ならば、ミイラとして保存された肉体に、
彼の魂の残滓も縛り付けられる筈でした。彼の父や兄のように。
子や孫に断片的な想いを語り続ける為に。
しかし彼は解き放たれたのです。
玉座を捨て、家族を捨て、無我夢中で辿り着いたところ。
そこは夢にまで見たあのひとの土地だった…。
彼は世界に還りました。そこへはのちにオンラード・ウルもゆきました。
彼の一生は幸福ではなかった。
しかしその瞬間はとても満たされていたと信じたいです。

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〆切間近でも第10弾

2006-10-11 00:39:44 | 設定公開

どうせ入力するなら、正規?形式でーという訳で、
今回はオンラード殿でございます。どうぞー。

①フルネーム
オンラード・ウル・ソロン。幼少時の愛称はオウル。

②生年月・出身地
アシアン暦216年11月生まれ
王国北部、ソロン侯領の都マイオス出身。

③身分・素性
ソロン侯デジール・ブレと正妃の間に生まれる。
嫡男ではあったが、父が老いてからの子であり、
異母兄弟が多いこともあって、なかなか世継ぎと認められなかった。
文武両道を目指すが、父の思惑により学問所は中退。
その後自らの才覚により森の魔女シルマオンブルと
王弟フォルスクランの信用を得、ソロン家の頭領となった。
ナサレフ侯の娘ルスキニアと結婚し、二児をもうけた後は
職務に没頭、家庭とは縁のない夫だったようである。
王子シャリオルフィンの誕生に際し、フォルスクランに求められて
息子クリシス・ノイをその補佐役に差し出すことを決意、
フォルスクランの望む改革の為ひそかに計画を進める。
世継ぎの長男フィダム・レイにも同様に王家の支えとなることを望んだが
多感な少年が父の意向を理解する前に、オンラード・ウルは戦場で負傷、
蛮族に捕らわれる。
その時窮地を察して肉体から離脱したフォルスクランの幽体に導かれ、
奇跡の帰還を果たすも、右腕を壊死の為切断し、失う。
肉体的なダメージも大きかったが、幽体離脱の負荷に耐えきれず命を落とした
フォルスクランへの罪の意識から、ソロン侯の座を息子に譲った。
当主の座には長子フィダム・レイが就く筈だったが、
王子シャリオルフィンが補佐役にフィダム・レイを選んだ為、
次子のクリシス・ノイがソロン侯を継いだ。
その後間もなく、オンラード・ウルは近くの湖畔の別邸に移り、
妻ルスキニアの看護を受ける穏やかな暮らしに入った。
武人には受けの良くないクリシス・ノイの後ろ楯となりつつ、
亡き人を想う日々を送るが、心身の傷は癒しがたく、
数年後クリシス・ノイの結婚を見届けてのち、世を去った。

④外見
非常に長身(190cm強)。巌のごとく強健な肉体を持つ生粋の戦士である。
クセの強い濃褐色の髪に鋭い灰色の瞳。
彫りが深く野性味の強い顔立ちに、壮年期は口髭をたくわえ、
かなりいかつい印象だが、口許は意外とやさしい。

⑤性格
勇猛果敢、大胆不敵、武人として申し分のない美質を持つ。
一方で未知なものに対する恐れが強く、かたくなになる面も。
女性にはあまり興味がないが、妻には格別の愛着があったようである。…。


⑥趣味・特技
馬にはかなりうるさい。戦馬レーチェの他、狩猟用、遠乗り用等々
多数お気に入りがいた様子。
滅茶滅茶酒に強く、酔ったことがない。
教養関係には興味が無く、諸侯の中では無粋な輩と思われていたようである。

⑦その他 作者コメント
フィーとクリスのパパ、オンラード殿です。
どこから見ても国境の猪武者だった彼が、似合わぬ陰謀を心に秘めたのは、
それがフォルスクランの望みであるという、
ただそれだけの理由だったのかもしれません。
多少の跡目争いをのぞけば、単純に純真に育ってきたオンラードにとって、
年上の美しい王族が抱く愛憎や憂いの表情は
あまりにも甘美な毒だったのでしょう。
動かされたのは保護欲だったかもしれないし、支配欲だったかもしれないし、
武骨な自分に対するコンプレックスだったかもしれないし、
そのすべてだったかもしれません。

彼は当初、自分がフォルスクランを守る立場だと自負していたようですが、
のちに王となったフォルスクランがうちに秘めた強さと厳しさに、
大いに救われたようです。
古い因習が骨の髄まで染みこんだオンラードには、
慣習破りのすべてが強いストレスに違いなかったでしょうから。
そんな傾倒、心酔といった言葉ではあらわせないほどの想いを捧げた相手、
フォルスクランが、幽体での姿とはいえ、自分のピンチに現れて救ってくれるとは
オンラードにとっては夢以外の何ものでもなかったでしょう。
しかし、生還して物事の判断力が戻って、
それが主君の自殺行為だったことを彼は知ります。
そしてそれが究極の愛ゆえであることも。
後を追って死ぬことも赦されない、
しかし何かを成し遂げて報いるにはあまりにも不具な命を抱えて、
彼は何年かを生き続けます。ルシーに詫び、クリスを見守りながら。
やつれた身体に病を得た時、オンラードの心をとらえたのは何だったのでしょうか。
それを書く勇気は、今の富江にはありません。

オンラードはラテン語で「正直な」の意味。
書き進めるほど名前に正直な生き様になってしまった彼には
ある意味皮肉な由来となりました。

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追い込み間近の第9弾

2006-09-25 23:58:35 | 設定公開

原稿出来てるのに何でアップしないかなー、
とか言ってても始まらないので、とにかく続けます。
今回は「夜鳴鳥」ヒロイン予定でもある、ルシーです。

①フルネーム
ルスキニア・ナサレフ。愛称はルシー。

②生年月・出身地
アシアン暦224年2月生まれ
半島西部ナサレフ侯領の都エルナ出身。

③身分・素性
諸侯の一翼、エルナ領主ナサレフ侯の息女として生まれる。
兄は次のナサレフ侯となったアルコン。
生後すぐに親同士の取り決めで、ソロン侯公子オンラード・ウルと婚約。
気候穏やかなエルナで、姫君として何不自由なく成長する。
10歳で王都クォーナへ。社交界デビュー前の年齢だが、行儀見習いとして
長期滞在する。この時兄アルコンのはからいで、当時18歳の婚約者
オンラード・ウルと初対面を果たす。
16歳で結婚し、マイオスに移り住む。当初は北方の気候に馴染めず、
体調を崩しがちだったが、20歳を過ぎて二児に恵まれる頃には、
山城ジャンヴィエ城の暮らしにも慣れ、頭領の奥方として
一目置かれる存在となった。
夫のオンラード・ウルは多忙で、ともに過ごす時間は短かったが、
明るくけなげに待つ妻であり続けた。
オンラード・ウルが負傷の為不具の身となった時は献身的に寄り添い、
彼の隠居生活にも連れ添って、湖畔の別邸へと移った。
そこで夫の最期まで数年間を過ごした後は、
既に妻帯していた息子クリシス・ノイの許へは行かず、
実家に戻って親族の間で静かな余生を送った。

④外見
小柄で華奢。幼い顔立ちとあいまって、少女のような可憐さをたもち続けた。
長いまっすぐな金髪。青い瞳。
少々乙女チックではあるが、若くてお美しい奥様とお呼びするのに、
ふさわしい女性だった様子。


⑤性格
基本的にはおしゃべりで陽気で楽天的。
甘えるのが上手で誰にでも好かれるタイプ。
夫の前では可愛らしく振る舞っているが、諸侯の家に生まれたのは伊達ではなく、
いざという時には肝の据わった女性である。

⑥趣味・特技
美しいものが大好き。ファッションやガーデニング、料理に情熱をそそぎ、
野暮ったい北の地のカリスママダムとなった。
しかし単なる浪費家ではなく、衣装デザインや庭の構成などはほとんど
自分が指示して作らせた。
刺繍やレース編みは自身の作品も多かったようである。

⑦その他 作者コメント
天真爛漫なお姫様から、常に少女らしさを失わない可愛らしい奥方へ。
男ばかりながら二児にも恵まれ、一見何の不自由もないように見える
ルシーですが、ただ一つままならないものが、夫のオンラード・ウルでした。
戦場と王都の往復に明け暮れ、城にはまともな寝床もない有様。
でもルシーがそれを我慢出来たのは、ナサレフ侯の娘の矜持と、
それでも夫に、女性としては最も愛されているという実感あってのことでした。
単なるワガママ娘だったら、一年目の冬に逃げ帰ってますよ。
ま、エルナからついてきた侍女たちはその方が嬉しかったかもしれませんが・苦笑。
ゆえに右腕を失い、衰弱して戻った夫の有様は、
むしろ彼女を幸福にしたかもしれません。
彼も長生きはしませんでしたが、
もっと若くに戦死していた可能性もあったのですから、
毎日寄り添い、世話をして、感謝の言葉をもらう数年は、
彼女にとっては蜜月だったのでしょうね。
たとえ夫がすべての生き甲斐を奪われていたにしても。

夫がフォルスクラン王に傾倒していたことは、渋々認めていたようです。
勝負の出来る相手ではありませんし。そこはちょっと可哀想なところです。
息子達とは仲良しでしたが、相談事のしやすいキャラではないので、
あまり頼られてはいなかったようです…。
その為か晩年の彼女は実家に戻ってしまうのですが、
兄の家族は気さくだし、ソロン家の援助はあるしで、
なかなか優雅な暮らしだったようです。

ルスキニアはナイチンゲールを意味するラテン語。
姓のナサレフは響きだけでつけていた頃のもので、特に意味はありません。
ロシアとか東欧っぽい響きを意識したのかな、と思います

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勢いづいたら第8弾

2006-09-05 14:15:24 | 設定公開

頑張る気があるうちにやっとかないと!
という訳で、今週も設定公開UPします!
今回はフィダム・レイの弟、クリスの回ですよ~。

①フルネーム
クリシス・ノイ・ソロン。愛称はクリス。

②生年月・出身地
アシアン暦246年10月生まれ
半島北部ソロン侯領の都マイオス出身。

③身分・素性
ソロン侯オンラード・ウル・ソロンとナサレフ侯息女ルスキニア・ナサレフの間に
次男として誕生。兄と較べて線が細く、世継ぎでもなかったことから、
武人の家系にあって割と勉学中心に育てられた。
やがては王家の補佐役に、という父のひそかな意向により、
12歳で次男ながら異例の社交界デビューを果たす。
母系譲りの気さくな気性の為、王宮、学問所、王都の下町、
といった各処で人気者となった。
兄と較べると随分と軟派だが、勉強はよく出来たらしい。領地滞在時は
ソロン家の財務を手伝っていたしっかり者でもある。
本人はソロン家付きの文官として兄を補佐することを考えていたが、
兄のフィダム・レイが家を捨てて王家の補佐役となった為状況は一変、
諸侯の一翼ソロン侯を継ぐことになる。
軍務はからきしの素人だったが、最初の数年は父オンラード・ウルが存命だった為
どうにか乗り切る。
旧臣の家系より妻を迎えたこともあり、親族の反発はほとんどなかったが、
かねてより叛心を持つドーセア伯の半独立を防ぐことは出来なかった。
税制改革、外交に多くの成果を残し、特に隣国シリクの立国前後に
多くの援助の手を差しのべた。
子どもは女児ばかりだったが、優秀な婿養子を取ってみずからは早々に隠居。
気ままに兄や不死王を訪れ、二人の苦悩をやわらげる余生を送った。

④外見
中肉中背(174.5センチ)淡い金褐色の髪、瞳はグレイ。
非常に母親似。幼少時は紅顔の美少年、のちに物腰やわらかな貴族となり、
生涯好感度の高い容姿を保ち続けた。

⑤性格
少年の頃はお坊ちゃんらしく甘え上手でわがままな面もあったが、
天性の社交家でよく気が付き、気配り上手。
人物鑑定眼も確かで、多くの優秀な官僚・技師を登用した。
目上の男性が苦手だが、年上の女性には滅法強い。
武家らしくないたくみな話術は、代々のソロン家当主の中でも異彩を放った。


⑥趣味・特技
とにかく人に会うのが好き。その為下町の店や料理にも詳しくなった。
楽器や舞踊は多少たしなむが、運動系はさっぱり。
意外と仕事人間なのかも…という気もする。

⑦その他 作者コメント
主演エピソードの構想もあります、クリスです。
初登場は「春の冠」で、大人になってからの話だったので、
妻帯者の落ち着きぶりに「おっちゃん」イメージもあったようですが、
「かがやく夜の唄」の方では弟キャラ直球の
あれやこれやも披露してくれましたねー。

クリスは書きやすいです。フィーに対するツッコミとか、
割と作者サイドと同じ意見だからかもしれませんが。
兄に人生狂うほどのとばっちりを受けながら、
彼がどこか悠々としているのは、12歳の時に下された、
フォルスクランの予言のせいなんでしょうね。
ソロン侯になることを明言されたクリスは、早くに兄を亡くすのではないかと
不安と恐怖を抱えていた筈なんです。
でも、思いがけない結果になり、失わずに済んだ。
なんだかんだいっても兄好きのクリスが、うきうきと与えられた課題に
取り組んだことは間違いないでしょう。

それから、クリスといえば智栄とのエピソードですが、
何かと親しくしていたのは事実のようです。
まあ年増好きというのはフィーのうがった見方で、
自分の母親にない女親らしさに惹かれてしまうみたいですね。

クリシスはギリシャ語で「判断」の意味。ノイには特に意味はありません。
短めの名前なので、愛称いらなかったかもしれませんが、
ちょっと噛みそうなので、縮めました。
彼の長所を端的にあらわしている、良い名前だと思います。

クリスは…シャリオと仲良かったんですかねえ?
何かと縁があって、いっしょに行動することも多かったと思いますが、
……シャリオは人見知りなもので。
他の市民の友達もまじえたグループに引き込んで、和気あいあいと付き合いたい
クリスの試みは、挫折することが多かったようです…。

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忘れた頃の第7弾

2006-08-29 23:51:43 | 設定公開

ほんとお久しぶりね~。なんですが。
夏が終わっちゃわないうちに、設定公開いきます。
ネタバレ部分は例によって反転でー。

①フルネーム
テルカ・ファン

②生年月・出身地
アシアン暦244年10月生まれ
半島南東部グルカ侯領の都ヴィトリア近郊にある旅芸人の村で生まれる。

③身分・素性
旅芸人の座長ジェルバ・ファンを父に、領主グルカ家の血を引き、
グルカ侯の側近をつとめた才媛を母に持つ。
大恋愛の結実として生まれた娘だったが、両親の関係は長続きせず離縁。
父の後妻の一族である旅芸人たちに育てられた。
スーリの他何人かいる異母弟妹とは区別され、姫として大切に扱われる。
実母とはたまに会い、勉強して役人になることをすすめられるが、
本人は性に合わないと辞退。父に従うヒバリ一座の一員となる。
担当は芸ではなく、裏方としての経理・庶務・広報等々。
分隊の隊長として父の補佐役として、信頼を集める立場となった。
16歳の夏に、イムレ火山の山裾で休んでいたところ、
王子シャリオルフィンに求められて、彼とフィダム・レイを窮地から救う。
帰る手段のない二人を一座に同行させることになるが、
短い旅の間にシャリオルフィンと愛し合い、彼の初めての女性となった。
しかし王都行きを誘うシャリオルフィンをあっさりと拒否。
思い出の他は何も得ず、旅芸人の行き方を選んだ。
その後父を継いでヒバリ一座の座長となるが、
異母弟スーリが成人すると一線を退いた。
恋多き女でもあったが、母のすすめる官僚と結婚する。
見合いのような縁ではあったが、理想が高くて性格のアツい者同士で気が合い、
多くの子どもをもうけた。
息子のひとりはクォーナの学問所に進み、
母の昔の恋人と意外な再会を果たすことになる。
結婚して母となっても、単なる奥様の立場にはおさまらず、
ヒバリ一座の為、グルカ家の為、何かと働く一生を送った。

④外見
ほどほどの身長(160㎝ちょっと)。
日焼けしたスレンダーボディに肩出しヘソ出しの原色の衣装が映える、
健康的な色気の持ち主。目は緑がかった褐色。
くるくると渦を巻く長い髪は本来赤褐色だが、
陽の当たりすぎで退色し、毛先ではほとんど金色。
美人というよりは愛嬌のあるタイプで、常ににこやかだが、
必要な時には意志の強い凛とした表情を見せる。

⑤性格
常に前向きで立ち止まらないタイプ。頭の回転が速く機転がきき、行動派。
恋愛にも非常に積極的だが、気性がさっぱりしているので、
ドロドロした関係とは無縁。
商売上、下手に出ることもあるが、本来は誇り高い人間。
芸人の気性と貴族の人格をあわせ持つ、市井のカリスマである。


⑥趣味・特技
舞台には立たないが、踊りは師匠の腕前。
料理・裁縫・読み書き・計算なども得意。
趣味というほどではないが、髪を洗ったり風呂に入ったりするのが
やすらぎのひとときらしい。

⑦その他 作者コメント
シャリオルフィンの初恋のひと、テルカ。
彼女はマジャスと対照的にしようと意識的に設定しました。
外見もそうですし、年齢も少し年上ですが同世代、
ポジティヴで強くて、幸福で愛にあふれた少女。
けれども、作者の思惑とは別に、彼女は生き生きとシャリオとの関係を
楽しんでくれたように思います。
彼女にとっては星の数ほどの恋愛経験のひとつに過ぎないのでしょうが。
テルカの父が率いるヒバリ一座は、表向きはグルカ侯領とアルシス侯領を
行き来する旅芸人ですが、アルシス侯領で捕らわれた人間(主に女こども)を
故郷に戻すというグルカ侯の密命を帯びた組織でもあります。
これはテルカの父が前妻の意向を汲んで始めたことで、
地道ではありますが、大きな意味のあることです。
グルカ家は巫女の家系であった為、兵力財力に乏しく、
その領内は海賊山賊の根城になっている。賊はしばしば隣のアルシス侯領に入り
悪事を働くのですが、その中で最も悪質なのが、人さらい。
さらった人間は北部の鉱山や農場で働く奴隷として売りさばかれ、
賊の重要な資金源となっています。
グルカ家はこの悪事がもとで“南海の覇者”アルシス家と戦争になることを
恐れています。勝負にならないですから。
かといって領内にはびこる悪の勢力を討つのも、なかなかはかどらない。
せめてわずかでも、被害者側の感情をやわらげるべく、
保護した奴隷を故郷に帰そう、そして帰郷したかれらに、グルカ家の誠意を
語ってもらおう…それがヒバリ一座が請け負っている裏の仕事です。
大っぴらに出来ればいいんですが、領主が直接やってしまうと、
領内の賊の存在を公認しちゃうことになりますので、
あくまでも秘密の慈善事業というかたちになっています。
長くなりましたが、そういった複雑な環境で、芸人と貴族の絆の結晶である
テルカが、姫としてあがめられて育ったのは当然といえるでしょう。
わがままな人間にもなれたのでしょうが、そのあたりは周囲のしつけがよろしく、
彼女は奔放ながらも使命感の強い娘となりました。
離れて暮らす実母からの影響もあったでしょうね。
そしてそんな彼女の強さは、自分の使命に悩む王子シャリオルフィンを
強く惹きつけることになるのでした…。
テルカとシャリオの恋はひとつの理想型。でも長続きはしない。
一緒にいる為にはどちらかの存在を手折ることになってしまうから。
そんな青春であり、想い出の恋です。ちなみに彼女の目とか髪の色は
のちにシャリオが出会うシャロムに似た感じにしてます。
テルカはその後シャリオと会うことはしませんでしたが、
なんらかの形で王政に助力したいとは思っていたようです。
その想いが、彼女の息子の一人を王都の学問所に向かわせます。
テルカの面影を持った青年が、シャリオの目にとまるのは
そう難しいことではなく、その新たな出会いは田舎出の青年を
歴史の中心へと導くのでした…続く。
テルカは、短い名前にしようと思っていました。庶民っぽく。
テルカは本文中で語られているとおり、照であり輝であり、
火、歌、夏、果、そして花です。
ファンは英語のFUN。雑伎団っぽいイメージも狙っています。

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ミスはさておき第六弾

2006-05-23 16:47:21 | 設定公開
年代ミスのショックさめやらぬ富江です、こんにちは。
あーもう全三巻刷り直したいー(無理)。
…意外と読者様には関係なかったりするのでしょうが、
とにかく情けないです。手書き文字の5と3を読み違えるなんてー。
はあ、とりあえず名誉回復もかねて、次のキャラ、いきます。

①フルネーム
グラナート・アウダーチア・アルシス。愛称はグラン。

②生年月・出身地
アシアン暦229年1月、アシアン王国南部の都市サナンに生まれる。

③身分・素性
父はアルシス侯アヴォリオ・スフィーダ。
母はマレアの町の領主が主家に奉公させていた侍女の一人。
アヴォリオの17人の息子の末子ということになっている。
他の大勢の庶子たちとともに、ペルラ城で大らかに育てられた。
13歳で一度王都へ登ったが、特殊な髪色と内陸暮らしに嫌気がさし、
学問所には入らずに帰郷。サナンで可能な限りの教育を受ける。

母親の直接の主人の家系が途絶えた為、21歳でそれを継ぎ、
小さな港町マレアの領主となる。
貴族らしくない人柄と、民衆にまかせっぱなしの行政がウケて、
人々に愛された。
特に宿屋兼居酒屋のイソシギ亭の一家とは親しく、
同い年の息子とはさんざん悪さや冒険をした間柄。
しかしその親友はのちに結婚して町を去り、
30代に入ってからは鬱屈した日々を送っていた。
そんな折、南部を旅行中の王子シャリオルフィンと
ソロン侯の世継ぎフィダム・レイを発見、やむをえず拘束し、
父アルシス侯のもとへおもむく。
王家とソロン家の重要な秘密に関わった縁を重視したアヴォリオにより、
急遽次のアルシス侯に指名される。

2年ほど気が進まないまま父に従って、その手腕を肌で学び、
フォルスクラン王の死後間もなく家督を継いでアルシス侯となった。
王国の改革を目指すシャリオルフィンとフィダム・レイにとって
手強い政敵となる。
しかし完全に敵対していた訳ではなく、協力した事業もあれば、
酒を飲んで語り合うこともあった。
シャリオルフィンの死後は長兄の息子に家督を譲って懐かしいマレアに戻り、
気ままな隠居生活を送る。
正妻はサナンの大商人の娘だったが、子はなくこの時に別居した。
しかしマレアでは奥方と呼ばれる女性と、その子ども達と暮らしていたらしい。
大変な長生きをして、妻子や孫達に囲まれて大往生を遂げた。
その頃にはかなり忘れられた存在になっていた彼は、
遺言どおりに大諸侯でありながら小さな町の丘に葬られた。


④外見
かなりの長身(190㎝前後)。筋肉質だが細く、体脂肪率は数%。
浅黒い肌に縮れた黒い髪、海のように青い瞳。
各パーツの大きい陽気な顔立ちに、色鮮やかな衣装を好み、
諸侯の中では大いに異彩をはなった。
髪を隠す為に公の場では常に帽子を着用。


⑤性格
教養もあるが、非常に頭の回転が速くて利にさとく、
特にひとに嫌がらせをする時にその天才ぶりを発揮する。
しかし気に入った相手には敵味方の節度を保ちつつも
手をさしのべる勇気の持ち主。
本人が気取っているほど遊び人ではなく、
与えられた仕事はほどほどにこなす。
同性でつるむのが好きで恋愛に淡泊なのは、父母の関係の影響らしい。
酒好きで相当強いが、酔うとすぐに寝てしまう。


⑥趣味・特技
乗馬、釣りなどをたしなむが、基本的に熱中しない性格。
美酒美食にはこだわる。(でも肥らない・謎)
走力跳躍力にすぐれているが、実戦より逃げ足に活かされているとも。
人種や体格の特性で浮力が小さく、実はほとんど泳げない。


⑦その他 作者コメント
「かがやく夜の唄」では9章のうち1章半ほどしか出ていない
チョイ役のグラさんですが、妙に人気があります。
こうやってまとめてみると意外と書くことがあって、私もびっくりでした。
なるほど、キャラが立つというのは、こういうことなのねー。

おそらく1/4は黒人であろうグラナートは
見た目も中身もラテン系という、かなり珍しいタイプです。
やさぐれていそうで、育ちがお坊っちゃんなところとか、
怠け者っぽいのに仕方なく働いているところとか、
ポイント高いですよね、ほんとに。
庶子といっても土地と人数によっては
随分とあっけらかんとしているものなんですねえ。
イエロとはえらい違いです。
まあ、カナヅチなのは悩みの種だったみたいですが、
船は操れるみたいですし、船酔い体質よりは良かったんじゃないかな・苦笑。

家庭のぬくもりを知らない彼にとって、
母の故郷であるマレアの人々とイソシギ亭の一家は有難い存在だったようで、
結局は彼の最期の地となりました。
そのうち書く彼の主演話は、彼がマレアに来てすぐの物語となります。
イソシギ亭の息子が、いい奴なんですよね。
「夜の唄」の時点では結婚して別の土地にいたみたいですが。

なんだかんだいってフィーのことは気に入っていたらしいです。
会議でさんざんやり合ったあと、こっそり二人で飲んでたりとか。
で、自分が先につぶれちゃったりとか・爆。
でも基本的に諸侯の立場は彼にとって楽なものではなく、
シャリオの死後、彼はアルシス侯を退くことになります。
けど、幸福そうな老後ですねえ。

名前はイタリア語で、グラナートが「ガーネット」、アウダーチアが「大胆」の意味。
姓のアルシスは、グインサーガのある王子の名前から来ているようです…
っていうか、そのまんま・汗。
ちなみに父っつぁんのアヴォリオ・スフィーダは「象牙」「挑戦」の意味。
意外と親子でおそろなんですよ・微笑。
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リクエスト感謝の第五弾

2006-05-16 23:41:24 | 設定公開

えー今回はリクエストにお応えしまして、トニアです。
閑話休題っぽいというか、しばらく脇筋もよろしんじゃないか、と。
でも彼女のストーリーは、この先の物語のど真ん中でもあります。
覚悟して先をお読み下さいまし♪

①フルネーム
トニア・マレル・ジンニ。

②生年月・出身地
アシアン暦255年11月、アシアン王国北方の町ファリルで生まれる。

③身分・素性
ファリルの町では比較的裕福な鉄商人の家に生まれる。上は兄ばかりの末娘。
甘やかし放題の父、躾に厳しい母、がさつで出来の良くない兄たち、
という環境に育つ。遊ばせている余裕はないから、と洗濯娘にさせられたが、
プチお嬢様系の派閥を作ってサボってばかりいたらしい。
のちにドーセア伯の城に奉公して見初められたジーナ・ミウとは特に仲が良く、
自分も容姿に自信があるだけに同じような成功を夢見ていた。
町の青少年たちにはモテまくりの遊びまくりだったが、
本気の恋愛経験はなかった模様。

魔女ルミアエルダンの気まぐれにより、
無惨な姿で彼女の使者をつとめることになったジーナ・ミウの臨終に立ち会い、
死に異様な恐怖を抱く。
恐れはやがて魔女の仲間の疑いをかけられたシャロムへと向かい、
歪んだ正義感を振りかざすに至る。
その為シャロムは一度命を落とすことになった。
あまりにも過激な行動は、彼女の憎悪を知ったルミアエルダンが
それを増幅させたせいもあるが、もともとの性質が半分といったところ。
一時はシャロム迫害派の中心として大きな影響力を持ち、
彼の追放を成し遂げるが、
ファリルを訪れたアシアン王シャリオルフィンがシャロムを擁護した為、
信用を失う。
その後シャロムとルミアエルダンの決戦を目の当たりにして、
ファリルの町を出奔、
同じくシャロムを敵と憎む蛮族の若頭ムスターグと出会い、結託する。

シリク国王となったシャロムが政事に尽力している頃、辺境にのがれ、
蛮族のならず者を集めて、部族“ヴァランガ”の女王となった。
夫であるムスターグには二人の男児のほか、数々の汚い策略を授けて、
自分の野望のために操った。

勢力を得たのち、自分の息子達にシャロムの養女リリカを殺害させ、
シリク国に宣戦布告。
ムスターグとの関係はとっくの昔に破綻していたが、
それぞれの憎しみと野望の為に協力し、シャロムと養子シーリン、
シリクの国民達を大いに苦しめた。
その後不死王シャロムの力を受けたシーリンにより部族は壊滅、
追い詰められてシャロムと対峙する。
抵抗のすえシーリンに斬られるが、彼女が持ち憎悪に染まっていた
シャロムの魂のかけらは、シーリンと融合して彼を狂わせ、
新たな悲劇のみなもととなった。

④外見
やや小柄(152、3㎝)。華奢な少女だったが、のちに肥満する。
金色のふさふさした巻き毛に青灰色の瞳。
勝ち気そうだが美しく、ファリルの町では青少年の憧れの的だった。
蛮族の女王となった頃は偏った贅沢と二度の出産、
絶え間ないストレスの為に肥って醜く変貌し、
再会の折にシャロムの目をそむけさせた。

⑤性格
正義感も強いが、独善的で直情径行。
思いこんだ事には意外な忍耐力と行動力を発揮する。
目的の為に手段を選ばず、その手段は年を経るごとに姑息になった。
血を分けた息子達にすら愛情を注がず、自らの野望の為に利用した。


⑥趣味・特技
着飾ることや宝石には人並み以上に執着したが、趣味や特技は特になし。
男性にちやほやされるのが好きだったが、
花嫁にふさわしい習い事などには興味がなかった。


⑦その他 作者コメント
トニアは意外と人気が高いです。
「森の王」の女性キャラはルミア、マジャス、フィリテ、と
個別にファンコールをいただいたのですが、
狙って書いていた彼女たちと違って、
本当にトニアはひたすら意地悪にしただけなのです。
昔の少女マンガに出てきたような感じの。
ルミアみたいな大輪で確信犯の悪の華ではなく、
個人的な価値観から来る過激な正義漢、それがトニアです。

「森の王」では詳しく書かれていませんが、
トニアも創造者シャ・フロウの魂のかけらを持つ者です。
だからこその執着な訳ですが、イリと違ってトニアのかけらは
シャ・フロウの負の感情を司るものだった。
だからルミアエルダンに利用されたんですよね。
そしてシャロムと対立した為に故郷を出て蛮族のもとに
身を寄せるしかなかったトニアの恨みは蓄積し、
かけらは負のエネルギーに満たされてしまった。
次の物語でトニアはシャロムへの復讐を仕掛け、
それがかなわぬと彼に自分を殺させようとします。
そうすれば彼女の憎悪がシャロムと融合し、彼の魂は汚される。
トニアはルミアエルダンから、そうした知識を得ていたのかもしれません。
が、結局トニアを斬ったのは彼女が殺させたリリカの兄、シーリンでした。
そして彼の剣はシャロムの骨と力で出来ていた…。
憎悪と憤怒に染まったシャロムの力=剣と
復讐に我を失ったシャロムの養子シーリン…
精神のバランスを失い、故国に牙を剥いた彼は、
まさしくトニアの後継者となったのです。
それもトニアの思惑どおりだとしたら、恐ろしいですね。

命名の由来は彼女にはありません。
この頃は単に音だけで決めていたことも多かったですね。エムスとかも。

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