すいーと雑記帳

とっこの独り言

石川真生さんの写真展へ

2011-11-04 16:53:47 | 日録・雑感など
11月4日 FRI  27℃ 

昨日の午後、チョイさんと、沖縄市のギャラリー・ラファイエットで開催されている石川真生さんの写真展、「日の丸を視る目」を見に行きました。



「『日の丸』の旗を使って、自分を、日本人を、日本の国を表現してください」ということで、真生さんが1993年から2011年までの間に撮った184組の人たちの写真の一部が展示されています。

それこそ、北海道から沖縄まで、老若男女を問わず、左翼右翼を問わず、アイヌの人、在日朝鮮・韓国人、障害を持った人など日本に住む様々な背景をもった人たち、さらに韓国、台湾の人たちが、自分なりに日の丸の旗を使って何かを表現しようとしている姿にまず感銘を受けます。

「よくもあんなに色々と、撮影場所から衣装からポーズから思いつけるもんだわ」「なるほどなあ、やっぱり日の丸については実に色々なスタンスがあるな~」「この人はこの写真で何を訴えようとしているのかな?」「私だったら日の丸の旗を持たされて、何か表現しろと言われても何も出来ないわ…」等々、いろいろと深く考えさせられる、非常に面白い写真展でした。素直でとてもほのぼのした写真から、凝りに凝った強烈な写真まで、一枚一枚見ていくのが楽しかった!

チョイさんの知人の京都の人たちの写真もありました。それぞれにインパクトのある写真でしたが、中でも性同一性障害のYさんという人が京都のR大学の正門前で撮ったセミヌードの美しい写真がとても印象的で、見る者に何か強烈に訴えかけてくる迫力がありました。

何より驚いたのは、こんなに多くの国籍、男女、年齢、思想信条の違う人たちが、真生さんの前で、見事に自分を表現したみせた、ということでした。
それには、やはり彼女の「人に向き合う姿勢」が大きいと思います。たとえ自分とハッキリ思想信条、考え方が違うと分かっていても、まずは相手の言うことを虚心坦懐に聞く、そして言うことは言う、そういうスタンスがどんな人にも心を開かせるのでしょうね。これは、言うは易くなかなか誰にでも出来ることではありません。そこが写真家としても一番の強みだろうな、と感じました。

だから、真生さんはやっぱり人を撮らせたら一番いい、と思います。自分も裸をさらけ出しつつその人の懐に飛び込んでいって撮るからかな? 真生さんの天性の資質も大いにあるでしょうし、誰にでも真似のできることではありませんが・・・。

久しぶりに会った真生さんは、染めたて(?)の金髪キンキラで真っ赤なスパイダーマンのTシャツを着て、いつにもまして元気いっぱいでした!


金髪と白髪のオネエサン二人(会場にて)


マオさんとチョイさん

会場の写真には、何も説明がついてなかったのですが、会場で買った写真集「日の丸を視る目」の最後には、100組の人たちの紹介、写真にこめた思いがそれぞれ語られていて、ますます興味深いものがありました。(会場の写真にもキャプションがあった方がよいのにと思いました。説明無しの方が自由に見られるという考えもあるでしょうが、被写体の思いが伝わると、また写真を視る目にも深みが増す、というもの)


定価5,000円は、安い値段ではないけれど、中身をみると十二分に値打ちがある写真集ですよ。
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