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サガ・フロンティア2 その11

2009-04-23 17:38:27 | PS

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 まずは訂正から。

 その9 において、フィリップ2世とフィリップ3世との間に、血縁関係は無いと書きましたが、これは誤りでした。

 3世の母親のマリー(彼女はカンタールと離別し、ケルヴィンと再婚しました)は、2世の父フィリップと兄弟でありますので、当然、彼ら二人は血縁関係にあります。

 後にフィリップ3世の息子であるグスタフがファイアブランドの儀式を終えていることが解りますが、これは彼がフィニー王家に列なる者、ということだからです。

 それでは、前回からの続きです。

 クリューゲルの和平会議の席に一報が届けられました。

 ハン・ノヴァがギュスターヴを騙る一党と結託して武力蜂起し、これの鎮圧にあたって交戦したヤーデ伯チャールズが戦死したというものでした。

 どよめきが起こる席上にさらなる報告が入ります。

 偽ギュスターヴ軍の勝利を機に、ロードレスランド各地の野盗・不満分子が続々と偽軍の下に結集し、看過できない勢力になりつつあるといいます。

 尊大なヤーデ伯の戦死の報を受け、内心してやったりの諸侯もありましたが、さすがに事態の静観を許さないことを知り、自らの領地を守るべく早々に帰還しなければなりませんでしたが、わずかな手勢でヤーデ伯軍を撃破した偽軍に対処できるか、皆自信がありませんでした。

爾後の対処を練るべく休会を申し出る諸侯に向かって、今こそ決断の時、とばかりに席を立ったデーヴィドは居並ぶ諸侯に提案します。

 「我々は和平を実現させるべく、この場に集まっているのです。今こそ我らの団結を世界に示さなければ、ロードレスランドに巣くう反逆の輩を助長させ、やがては我々の領地をも脅かす事態を招きかねません。

 我らの願いは、長年の戦乱を終結させ、それぞれの所領の安全を確保することです。今こそ和平条約の締結をもって盟約の連合軍を発し、反逆の根を断たねばならないのです。」

 「その通りだ!早々に反乱軍を鎮圧しなければ、あちこちに飛び火しかねない!」

 デーヴィドのこの提案に、席上の諸侯は賛同を示しました。

「では、ヤーデ伯として私はここに宣言します。メルシュマン及びハン・ノヴァ近郊に所有する我が領地の、権利の一切を放棄します。

これをもって、和平実現のための誠意とお認めいただきたい!」

 室内に、またもやどよめきが起こります。

 これこそがデーヴィドの秘策でありました。

 相手の懐に刃を突き付けたまま信頼を得ることはできないことを、ケルヴィンらから学んでいたのです。

 要は、ヤーデ伯家による世界統治を望むものは、誰もいなかったということです。

 ギュスターヴ公にも、カンタールにも、ケルヴィンにも為し得なかったことを、我が父チャールズの狭量でできるはずがないことを、デーヴィドには分かっていました。

 では、突出したヤーデ伯家の権勢を維持するためだけに、今の戦争状態を放置してよいのかと自らに問えば、それこそ、やがて世界中の怨念がヤーデ伯家に向かうであろうことは、容易に想像ができ、それは絶対に避けなければなりません。

 世界に唯一の王を戴くには、まだ機は熟しておらず、また自らがその器でないことを十分に知っているデーヴィドが、唯一できること、それは、自らの身を斬ってでも、諸侯のヤーデ伯家に対する疑念を晴らし、それによって平和条約の調印に合意させることでした。

 「良いのかね、デーヴィド公?」

 「はい、ハンに固執していたのは私ではありませんから。しかし、ひとつだけ皆様方にお願いがあります」

 デーヴィドは、いまや中原における大都市に成長したハン・ノヴァが、特定の勢力と政治的繋がりを持つのを危惧し、今後、ハンを自由都市として自治権を与え、条約に批准した諸侯と同盟を結ぶことを提案しました。

 「よろしい! よくぞ決心なされたデーヴィド公。我らも、公のこの決意に応えねばなるまい!」

 ここにきて、ようやく和平会議がまとまり、反乱軍討伐の連合軍が結成されるのでした。 


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