快読日記

日々の読書記録

「背筋の凍る話PART2」桜金造

2020年03月15日 | その他
3月14日(土)

この令和の御代に桜金造の怪談本を読んでいる人間なんていますか。
わたし以外に。
しかも「PART1」を読み終えてから10年以上の時を経ての「PART2」。

ふだんなら(自分もよくやるくせに)イラッとする変換ミス・誤植の類もちょうどいいスパイス。
それ込みのチープな雰囲気が、怪談にぴったりだからです。

「PART1」に比べて質が落ちてるわけではない(実は今回「1」を読み直してしまった)のにあんまり怖くなかったのは、わたしに原因があるってことでしょう。
つまり、50を目前に大人になったということではないか。
霊との遭遇や死後の世界の話にビビる老人なんてイメージできません。
年を取るにつれ、この世よりあの世に親しみを感じるから…かどうかはわからないですが。

そんなわけで、
「怖いっ!」というより、じんわり切ない、哀愁漂うかんじの「2」でした。
「1」の方がネタ感が強く、「2」はリアルさを追求している印象です。

撮影所に今でも赤木圭一郎の幽霊が出る話なんてとくに悲しい。