快読日記

日々の読書記録

「キダ・タロー対談 ひと・こころ・いのち これが私の生きる道―26人からのメッセージ―」

2020年03月13日 | その他
3月11日(水)

「キダ・タロー対談 ひと・こころ・いのち これが私の生きる道―26人からのメッセージ―」(本願寺出版社)は、西本願寺が発行する月刊誌連載をまとめたもので、ゲストは芸能人・学者・芸術家・経済人・スポーツマンなどジャンルかなり広め。

とくにおもしろかったのは、
近藤正臣が環境問題に取り組んでいる話や、
桜守・佐野藤右衛門の桜の話。

キダ・タローの返しももちろんおもしろかった。
例えば、ウミガメの研究を46年続けている名古屋港水族館長が結局「ウミガメのことはまだよくわからない」と繰り返すんですが、
それに対してキダ・タローは「ハハハハハ、けっさくやなあ。46年も研究してはって、わからんって」。
相手の言うことをただキャッチするだけ!
これ、簡単なようでなかなかできないことですよ。
さすが浪速のモーツァルト!


「最近の若者にもの申す」的な場面は、あまりにステレオタイプ(←キダがというより例えば大村崑が)なご意見なんだけど、そこにはむしろ安定感が漂います。
そう。年寄りは若い人を変に理解したり媚びたりしなくていいの。


関西弁の、のったりした雰囲気と仏教のベースがあいまって、心の水分補給になる1冊でした。
例えるならば、昆布茶みたいな本。