3月26日(金)
「日没」桐野夏生(岩波書店 2020年)を読了。
桐野夏生にとって「書く」という衝動や行為は、
おぞましい腫瘍のように体内に芽生えて大きくなってきたもので、
でも、どういうわけかそれが作家を生かしていて、
切り離してしまえば作家本人の命も尽きてしまうので、
だから、それを抱えたまま生きていくしかない、っていうかんじなんだろうか。
そんな苦悩と愉悦と誇りを抱え、それを繰り返し描いている気がします。
その行為は作家自身の心身を削りえぐることになるのに、
それでも作家は書くのを止めない。
どんな手を使って阻止されたとしても。
そういう覚悟が読み手をビビらせる傑作だと思いました。
この作品、小説家が読むとどう感じるんでしょう、聞いてみたいです。
特に「読んだ人に元気を与えたい」系の作家からみたら。
「作家」を名乗ってはいても別物だからいいのか。それはそれで需要があるから問題ないのかな。
じゃあ、読者側から何が言えるかといえば①「読む覚悟」。
“わたしはこれだけ腹をくくって書いてる。お前はどうだ。”
そんな何かを突きつけられるので、読む側にも相応の覚悟が強いられます。
②「だから読解力をつけねば大変なことになる」です。
学校で教える「国語」教材が実用文中心になるそうで、
この国がどういう人間を作っていきたいのかがわかります。
読解力のない、思考力や判断力や想像力、洞察力、共感のない人間、
その先になにがあるのか、と考えると、
つい「明日の日本を見たくない」という言葉を思い出してしまいます。
「日没」桐野夏生(岩波書店 2020年)を読了。
桐野夏生にとって「書く」という衝動や行為は、
おぞましい腫瘍のように体内に芽生えて大きくなってきたもので、
でも、どういうわけかそれが作家を生かしていて、
切り離してしまえば作家本人の命も尽きてしまうので、
だから、それを抱えたまま生きていくしかない、っていうかんじなんだろうか。
そんな苦悩と愉悦と誇りを抱え、それを繰り返し描いている気がします。
その行為は作家自身の心身を削りえぐることになるのに、
それでも作家は書くのを止めない。
どんな手を使って阻止されたとしても。
そういう覚悟が読み手をビビらせる傑作だと思いました。
この作品、小説家が読むとどう感じるんでしょう、聞いてみたいです。
特に「読んだ人に元気を与えたい」系の作家からみたら。
「作家」を名乗ってはいても別物だからいいのか。それはそれで需要があるから問題ないのかな。
じゃあ、読者側から何が言えるかといえば①「読む覚悟」。
“わたしはこれだけ腹をくくって書いてる。お前はどうだ。”
そんな何かを突きつけられるので、読む側にも相応の覚悟が強いられます。
②「だから読解力をつけねば大変なことになる」です。
学校で教える「国語」教材が実用文中心になるそうで、
この国がどういう人間を作っていきたいのかがわかります。
読解力のない、思考力や判断力や想像力、洞察力、共感のない人間、
その先になにがあるのか、と考えると、
つい「明日の日本を見たくない」という言葉を思い出してしまいます。