快読日記

日々の読書記録

「病の神様」横尾忠則

2020年02月25日 | エッセイ・自叙伝・手記・紀行
2月24日(月)

横尾忠則の「病の神様」(横尾忠則 文春文庫)を読み終わる。

10年周期で事故に遭う話に始まって、むちうち、不眠、過呼吸、喘息、発熱、飛蚊症、帯状疱疹など、タイトル通り病気にちなんだエッセイ集。

何がいいって横尾忠則のものの考え方が大好きです。

病気をきっかけに、不調の原因はあれで、その病気が結果的にこんないいことに結びついた!みたいな考え方をするところがいいです。

自分を導いてくれるなにかに対する信頼がハンパない。

こういう人にはいい人生が与えられるにきまってます。

あと、一度信頼した医者や鍼灸師には驚くほど素直で、看護婦さんが大好きで、とにかくチャーミング。

よく「体の声をきく」とか言うけど、本当に心底素直に体の声に耳を澄ますってなかなか難しい。
それを本能なのか何なのか、やってくれる横尾忠則なんです。


こういうのを読んでいると、人が年をとると病気の話ばかりするのは、案外楽しいからなんじゃないかと思えてきます。
お前も俺もみんな結局老いて病気になって死ぬんだ、わはは、みたいな。
(考えてみれば「病気以外の死」は本人も周りもつらいですから。)