先日、環境省帯広自然保護官事務所に行ってきた。行った理由は、5月7日付けの地元新聞に、帯広自然保護官事務所のアクティブ・レンジャーに富良野市出身の谷水亨さん(62)が着任した記事が載っていたからである。
彼は、旧国鉄の池田機関区を振り出しに、民営化後には釧路旅行センターにもいたらしい。登山が趣味で日高山脈や大雪山を中心に、道内の山々の林道情報にも詳しく、登山専門誌の「山と渓谷」の山岳ライターとしても活躍している。日高山脈を愛する者としては、嬉しい限りである。
帯広自然保護官事務所の山北育美自然保護官(42)も、着任してから1年足らずであるが、すでに20座以上の日高山脈の山々を登っているらしい。環境省では、日高山脈・襟裳国定公園の早期の国立公園化を目指して動いており、そのための帯広自然保護官事務所の設置である。
日高山脈は、北海道の中央南部にある山脈で、狩勝峠側の佐幌岳から襟裳岬までの、長さはおよそ150 kmである。「北海道の背骨」といわれるほど地形が険しく、山脈を横断する道路は、狩勝峠のある国道38号線、日勝峠のある一般国道274号線、天満街道のある国道236号線の三つである。日高山脈は、氷河の痕跡であるカールが見られる日本では数少ない山脈で、登山道はあまり整備されておらず登るのが容易ではない。
日高山脈は地形や地質に独特のものがあり、植物や高山チョウなど固有種が多数みられ、野生生物の重要な生息環境となっている。外国にあるアルプス、ヒマラヤなどの山脈の多くは、地殻運動による横圧力によって地層が褶曲した褶曲山脈であるが、日高山脈も褶曲山脈である。なお、狩勝峠の「狩」は、札幌市のある石狩から、「勝」は帯広市のある十勝から取っている。
私も趣味が登山だったので日高山脈の主要な山に登ったが、「北海道の登山は、日高に始まり日高で終わる」と言われるように魅力一杯の山々が連なっている。日高山脈・襟裳国定公園が国立公園に昇格すれば、十勝では「阿寒摩周国立公園」、「大雪山国立公園」につぐ3カ所目で、北海道では「釧路湿原」に続く7カ所目となる。日本には34カ所の国立公園があるそうだ。
なお、“カムイエクウチカウシ山”は、熊が転げ落ちるほど急峻な山の意で、写真にある左側の真っ白く輝いて山である。日高山脈第二の高峰で、標高1,979mである。なお、日高山脈の最高峰の山は日高幌尻岳(2,052m)で、登山口は日高側にある。
「十勝の活性化を考える会」会員
(出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』)