600億円以上もかかると予想されるゴミ中間処理施設が、十勝1箇所のみの建設で進行している。関係機関は、十勝圏複合事務組合。理事長は米沢則寿帯広市長で、現在地に近い地点の約5.5メートルも低い場所と聞いている。
十勝の広さは、私が働いていた岐阜県と同じで、岐阜県庁に問い合せると、岐阜県にはゴミ処理施設が10箇所あり、リスク管理も出来ているらしい。ゴミ中間処理施設の1箇所のみの建設は、リスク管理面を考えるとあり得ないのである。水没しないようにするためには遮蔽壁を作る必要があり、それにかかる膨大な費用が掛かることも想定せねばならないだろう。
私が言いたいのは地球温暖化が進んでいるので、「我々は、どんな国を目指すのか」ということである。しかも、この投資額が600億円とすると、十勝住民一人当たり約20万円かかる計算になる。東京都の人口1,200万人を考慮すると、実に2.4兆円の莫大な投資額となり、この点も十分に加味しなければならないと思っている。
当選した帯広市議会議員に水を差すようであるが、新ゴミ処理場の再考を求めたい。住み良い“まち”とは、リスク管理がしっかりしていることが、最も求められるのである。今回の当選した議員には若い人が多いらしく、新ゴミ中間処理施設にも新しい考えを持つことを期待したい。当該箇所が水没するとゴミ処理がストップし、十勝一円がゴミ屋敷となる可能性もあるだろう。
私の属する町内会では女性が会長で、環境にやさしい女性が、十勝を変えると思っている。女性が環境に対して厳しい目で見ていることは確かであり、これからの地球を守っていく存在だと思っている。
ただ、自然環境などの変化に対して無関心な人が多くなったように思う。かつては、まちを変えようとか、もっと良くしようという姿勢が、多くの人々にあったのではないだろうか。戦後、国土再建というテーマの中で日本人は生き、住民同士に連帯感があった。街をきれいにするとか、国をどうするかといったことを、住民が真剣に考えていたように思う。
日本は貧しい国になってしまったので、道路・水道・橋などの公共施設を、今後はいかに維持していくかが問題になる。そのひとつに、ゴミ中間処理施設があると思っている。 公僕が必要とされる所以であるが、その公僕が誰もこの処理施設のことを詳しく知っていないと思われるので、“ためらい、たらいまわし、他人事”の縦割り行政を改めてもらいたいと思っている。
この投資に関して、有識者はどのように考えているのだろか。賛成か、反対か、あるいは無関心なのかは分かりかねるが、十勝の未来を左右することは確かだと思っている。
今回の帯広市議会議員選挙の50%割れの投票率や町内会の加入率低下が、その無関心を如実に示していると思う。地元新聞によれば、相次ぐ町内会の解散により、町内会が管理していた防犯灯が撤去されているそうだ。帯広市市民活動課によると、過去5年間で19の町内会が解散したそうで、無関心であることが自分の首を絞めることになると思っている。
「十勝の活性化を考える会」会員