ディスティア23歳か24歳で、トリップ設定。
このル-トだと、確実に薄桜鬼二次、ヨルムンガンド二次も無いです。
派生の種二次や、OO二次も無いです。
辛うじて、ヴァンパイア十字界と津守時生先生のSF三部作関連があるぐらいか。
後、ジェニーシリーズとボク月に関わるぐらいで。(何れも十代で関わってる?設定をある程度すり合わせると)
だから、ディス嬢バッドエンドル-トと言いつつ、世界にとってもバッドエンドか?
ヨルムンガンドのエンドは絶対的に納得無理なのです。
なんだかんだ言いつつ、恋愛的な予定の相手いるけども。
それでもあれだ、モンハンネタでディスティアが関わるお話は、ディスティアにとって『何か』が終わってしまった後の長い後日談の一話。
これは、その一番初めのお話。
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未練が無いと言えば、ウソになる。
だけど、来てしまったのなら、帰れないのなら、ここで暮らすまで。
それが、元の世界よりはるか遠い地であったとしても。
ただ、愛していたから +My world is a color of the crime or Only your death.+
ポスン。
そんなマヌケな音と共に、黒い何かの頭に落ちてきた何か。
金属的な濃いめの水色に銀色を混ぜたような淡い青銀色に、同じ系統の淡い水色の瞳、抜けるような白い肌。
紺色の膝丈のハイネックのPコ-トに、踝丈の深緑色のサーキュラソーのマキシ丈スカ-ト。
スカ-トで、最大限の動きやすさを追求したように、コ-トにも切れ込みが前後合わせて四本入っている。
髪を黒いヘアバンドで抑えている二十代を少し超えた女性。
その女性が落ちたのは小さな丘に匹敵しようかと言う強大で巨大な漆黒の龍。
女性も平均よりも長身と言えども、十倍以上も差がある状態では意味を成さないだろう。
なにしろ、頭だけで女性の数倍はあるのだから。
女性は、その漆黒の龍の角の間に腰かけ、人で言うなら鼻筋に足を乗せる形で身を起こし座る。
「・・・そっか、拒否されちゃったか。」
『・・・・・・うぬは、『何』だ。』
「意味は無くなっちゃったけど、そうね。
ディスティア・メイベル=ヴァリード・エンデファング、もしくは、《風舞姫》。
或いは、《世界から拒絶された者》かしら。」
『・・・・・・』
「人間か、どうかなんて、貴方の質問が答えよ。
私から、あの人を奪った世界を壊そうとしたのに・・・世界に拒否されて此処にいるのが私、それ以上でもそれ以下でもないよ。
多分、著しく死ねなくなっている私を世界は、『人間』だと定義しないでしょう。」
頭を身じろぎさえせずに、片目だけを開けたその黒龍は、訪ねてくる。
敢えて、『何者』ではなく、『何』であるか、と。
ある程度、この状況を理解しているのか、女性はあっさりと名前と黒龍の疑問に答えた。
繰り返すが、女性は、漆黒の龍の頭に座っている。
「・・・少し待ってくれないかな、ちょっと確認したい。」
『何をだ。』
「この世界の事。
識っているだけの世界に近いけど、実情を知りたいだけよ。」
『・・・降りろ。』
「はい?」
『人の頭にいつまで乗っているつもりだ。』
「・・・ああ、そうね。」
女性は、そう言って、今までの彼女では考えられなかったのだけれど、能力を行使し背中に黒二枚と白一枚の羽根を広げ、床に降りた。
降りると同時に羽根はしまう。
2mに少し足りない程度の・・・ヒト種の雌にしては、大柄ではあるが、黒龍からすれば、小さなヒトである。
あるが、今の技術は黒龍とて、知らない。
ハンターではない。
千数百年前のあの大戦を生き抜いたどの古龍とてらないだろう。
そして、モンスター・・・正確に言えば、黒龍にとっての同族である龍やその他の牙獣種のような血にも濡れているのだろうが、それよりも同族かそれに近い筈のヒト種の血の匂いがより濃くより鮮やかにした。
この時点で、女性がハンターであるということは無いだろう。
何故なら、ハンターは、『人に武器を向けるのは御法度。たとえ幾百の兵士に取り囲まれ、ハンターズギルドを占拠されようとも、ハンターは武器を抜いてはならない。ハンターの刃は、あくまでもモンスターへ向けるべきもの。』、そう律しているのだから。
かと言って、兵士や傭兵のそれではない。
焦点の合わない眼で、虚空を見つめている女性の周りを護るように風が舞う。
仇名通りではないのだろうが、風を操っているのかもしれない。
「・・・なるほど、人間は何処に在っても愚かなのね。
そして、歴史は数多く生き残った存在のもの、ああ、クダラナイ、ホントウにクダラナイ。」
女性が、情報収集とやらを終えたのか、酷薄なまでな無表情でそうつぶやいた。
焦点は合うがどこを見ているわけでもない。
『何を知りおった?』
「人が、貴方達・竜にしたことをも。
人工的な鎧に身を包みこまされた竜は、人工的に翼や関節を強化された竜は、
腕をもがれレーザー機械を強引に内蔵された竜は、
毒棘のあるリオレイアの尾を、わざわざ尾を引きちぎったリオレウスに接合された竜は、
グラビモスの鎧を無理矢理縫い付けられたイャンガルルガは、
右翼も左翼も身体も全く別物の竜で組み上げられたそれは、
モノブロスの一角を強制的に備えられ全身を棘だらけにされたディアブロスは、
本来の脳味噌をあますところ無く焼かれ、配線ばかりが犇めく機械の塊を頭蓋の中に組まれた竜は、・・・・・・そんなのは龍じゃない、竜じゃない。
何処に在っても、人は愚かだ、同族に対しても同じなのに世界が違えば違うかもしれないなんて甘かった。
・・・・・・共食いなんて、イビルジョーぐらいしかしないでしょう?
それとて、本能で在ってそこに意思は無い。
どこにでもいるものね、他人の身体をいじくりまわして、利己的に何かを成しえようとする人。」
敢えて言えば、哀しさに大量の憤りを混ぜた様な静かな顔。
感情を中に押し込めるように、無表情ではあるが漏れてしまう程度には、憤っているようだ。
それは、もう気の遠くなるほど、なんて言うほど過去の事だ。
今では既に古代文明と呼ばれるようになってしまったあの“文明”。
彼の文明が滅んだのは、この黒龍を含めた古龍種と言う龍達中心となり滅ぼしたからだ。
無論、彼らとて無事には済まなかったが、それでも、文明レベルを後退させるには十分すぎるほどの“破壊”だった。
何故、そうしたのか。
それは、女性が口にしたそれと竜操術の関係だ。
考えても見て欲しい。
人間が人間以外に、先ほどのように、改造されたとすれば、貴方はどうするだろうか?
大概、怒るか目をそむけるかその辺りだろう。
そして、目の前の黒龍は怒り、戦い、その後の伝承の中で負けた。
『うぬは、変わっておるな。』
「誰かを失ったからって言っても、世界を壊そうとするぐらいだもの。
・・・それにね、『命』を軽んじるのはともかく、いじくりまわすのは嫌い。」
降りる沈黙。
そこへ、一つの人影が。
薄い紫色を帯びた銀髪と眠そうな空の蒼な右目と海の碧な左目の幼いと言ってもいい外見のそれ。
トガリ耳と漆黒の角、そして何より気配が、彼を龍と教える。
デコルテの空いた白地に赤の紋様と縁取りの着物風の巻きワンピース、下には黒に近い赤のハイネックではあるが、それは最低限の生地のせいか鎖骨が綺麗に見えている。首の白いもふもふなチョーカーはとても愛らしく、嵌っている石も瞳の色よりも緑みの強く、彼の色彩の中では、数少なく紅と白以外であった。。
水干のように、前から見れば、袖と身頃はくっついていないが、後ろでくっついているよう。
装飾は全体的に少なく、ワンピースを止めている白と紅の兵児帯のような柔らかい生地でリボン結びになっていて、その足の先に青味を帯びた水晶のようなひし形を潰したような三連飾りがついている。
一言で言えば、和ロリ風の衣装を着た少年。
レギンスのようなボトムを巻き込むように色あせた色合いの紅色の紐で止められているのは、サンダルのような靴だった。
総合すれば、和風な衣装な眠そうな無表情の幼子。
露出は決して低くは無いし、全体的に薄着なのだが年齢以上に性別は分からない。
『・・・・・・・・・・・・』
『なんじゃ、ルーツ。』
『・・・・・・・・・』
『ほう、人間、戦えるのか?』
「それなりに、でなきゃ、世界なんて壊そうとはしないわ。
・・・で、この子が、祖龍・・・ミラ・ルーツ?」
『・・・・・・!?』
「知って識(し)っていただけ、会ったのは初めてよ。
優しく寛容であろうとしている祖龍さん。」
『・・・・・・・・・』
『うぬが、積極的になるのは珍しいのう。』
『・・・・・・・・・』
『人間、うぬの最高の一撃を放ってみろ。』
ルーツが何と言ったのかは、ボレアスと女性以外は解らないが、ボレアスの返答からするに、大きく分けて三つ。
『え、僕のこと解るの?』
『此処に住ませてあげればいい。』
『戦えないわけじゃないし、試せば?』辺りだろう。
その言葉に反応して、しばしの沈黙の後。
「・・・後悔、しないでください。
ひとつのコンボを手加減して討ちこみます、ヤバいと思ったなら、逃げるなり迎撃するなりしてください。
・・・・・・一度始めるとある程度の修正はともかく、止めれませんので。」
言うなり、一つの杖を取りだし、距離を取る。
この広間の端から端、おおよそ、300メートル。
黒い龍がいる場所から最大限に離れておよそ、250少々。
中空から現れたそれは、鍵を身丈まで伸ばしたヤドリギモチーフのヘッドの女性の身丈以上の杖だった。
葉を丸く輪のようにデザインし三角に重ね、その輪の中に半透明の藍と緑をの色を行き来する珠を嵌めたそれ。
「距離測定開始・・・終了。
照準固定、圧縮術式解凍開始。
6%・・・17%・・・・・・48%
同時に、付与術式詠唱開始・・・加速及びカレントエリアの作成
属性付与、効果範囲設定。
コンクリフト解除・・・・・・《風霊砲》」
女性が、半眼になり、杖に鈍い光が集まり始める。
それが収束し始めたと同時に、言葉は終わり、雷と風を編み込んだような細い螺旋状に発射された。
一番近い情景を言うならば、放水車から超高圧で放水される水、それに雷をまとわせたような、とでも言うのだろうか。
「っ!!・・・何を。」
その風と雷の奔流とボレアスの間に、ルーツが身を躍らせる。
ボレアスもその螺旋に込められた力に意識せずして反応して迎撃しようとしたのとほぼ同時にだ。
力同士が接触するその刹那―――――――――――音がしなかった。
ぶつかる爆音も、弾ける轟音も、弾け飛ばす騒音も・・・呑まれる消滅音すらも。
まるで元々、凪いだ海にいたように、何も音がしなかったのだ。
今は飛び散った電流がパチパチと小さく迸る足音だけが、嫌に大きく室内にこだましている。
その場にいた『四人』全員が唖然とする。
姿を現していないバルカンですら、息を呑んだのはボレアスには解った。
ただ一人ミラボレアスのみが茫然とした感情を表に出さずに面倒臭そうに静かに言葉を紡ぐ。
「何をしおる、ルーツ。」
「・・・・・・ほんとうに、全力じゃないの?」
「ええ、まだ、封印が三つ四つ残っているわ、その状況でこれ。
まぁ、ずいぶんと編みやすかったから、意図よりも強いけれどね。
最後の封印自体解いてかけ直してだから、前よりもそれなりに強いけど、それでも封印を二つかけた状態な感覚だったわ。」
それを無視して、会話を成す二人。
あっさりとストッパーがあるようなことを明言する女性。
実際、とある異世界の蓮姫ではないが、完全に封印を解いた状態ではある程度の感情の揺れで魔力の暴走があったり、周りのそれを吸収しようとする故に周りに害を及ぼす。
それがない程度の今の現状での最高の一撃がそれだ。
まぁ、高威力を時間をかけて行う魔術師よりも、小技を連射できる方が重宝はされる。
されるが、魔術を生業とするならば、それが実践であれ、研究畑であれ、龍すら倒す一撃を夢想しようというのはそれこそ、見果てぬ夢だろう。
「・・・・・・・・・」
「難しいのう、バルカンの八割は荷が勝ち過ぎる。
我とて、無傷では無理じゃな。」
「怪我させたら、五月蠅そうな方、廊下にいるわね。
・・・それが、バルカン?」
「・・・っ!?」
「すいません、先ほど探索した際に見つけてしまったんだけど、言うのもあれだから黙ってました。
倣い性、裏稼業やってると索敵もしてしまうから。」
「・・・・・・で、どうするのだ、ルーツ。」
女性の指摘に従うように現れ、しかし、女性を無視して、一人の女性形の龍がルーツに尋ねる。
その女性は、外見的な年齢は二十代半ばほど。
深紅の髪をサイドポニテの形に淡い紫色の腕輪で髪を留めた碧の瞳の美人。
胸元を開けた深緋と海老茶の間の色合いで軍服と魔術士衣を足して二で割ったようなそれを着ていた。
紫色の腕輪は、何かの骨を加工したものだろうか。
スリットも深いが、彼女の違和感は二つ
胸の鈍く光る龍を意匠化した紋様と肩にしがみついているムーディカラーのアイルーだろう。
紋様はともかく、アイルーは凛とした彼女に少々の違和感を覚えさせる。
凛とした美人がルーツと会話(?/何しろ、片方が無言なのだから)していると。
その肩のアイルーが、飛び降りて、女性の方へ来た。
「ニャニャ、おねえさん、だんニャたちともにんげんともちがうニャ。
おねえさんはニャにニャのニャ?」
「さぁね、貴方は?」
「ニャ、ボクはこうめ(紅梅)ニャ、だんニャに付けてもらったニャ。」
視線を合わせる為にか、女性はそのアイルーを抱き上げる。
かなり、小さなアイルーだった。
大人の・・・ネコで言う成猫・・・アイルーは、ヒト族の七歳時八歳児とそう変わらない体長である。
その半分の半分、四分の一を辛うじて超えるぐらいだろうか。
「そうか、良い名前だね。」
「ニャ~、だんニャにもらったからたからものニャのニャ。」
とかなんとか。
女性が、もふもふと毛皮を遊んでいると、話がまとまったようだった。
・・・ひとつ、いや、強いて違和感を上げるのならば、だが。
女性は、嬉しそうに紅梅を撫でてはいたが、笑顔でいたのだが何処か疲れた様な。
いや、もっと言えば、どこか焦点の合っていない瞳をしていた。
結論だけを言えば、女性―ディスティアは、この城に住むことになった。
滅多に意見を合わせないボレアスとルーツが、そろって賛成したこと。
万が一、女性がハンターだったらと危惧していたバルカンもとある共通点により、消極的ながら賛成をすることになった。
おまけ?
「・・・で、黒龍さん、なんで同類の封印の留め金だけ外したのかしら?」
名前を名乗りあった後、ディスティアはわざわざ、黒龍とボレアスを呼び、そう尋ねた。
「何のじゃ?」
「人が溶岩渓谷と呼ぶ場所の更に奥、その苛酷さゆえに神域と呼ばれる場所に『黒き神』が『白き神』の反対を押し切って封印したあの子。
・・・要らないなら貰っても良い?
どうせ、戦力にするつもりで留め金だけ外したのでしょう?」
「どこまで解っておるのじゃ?」
「・・・どこまでも、知って識っていても、叶わない事は幾らでもあるけれどね。
貴方のソレの尻馬に乗ってやろうって言ってるの、そういう子の手綱の扱い難しいのは身にしみているからね。」
「・・・殺したか?」
「いいえ、壊したの。
勝手に作って、勝手に期待して、壊してしまったの。」
ぽつりと、或いは、淡々と言ったその一言が厭に空虚に響いた。
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とりあえず、アップです。
落差激しいな、マジに。
この数日後にアップ予定のバレンタイン話との落差が、orz。
とりあえず、ディスティア。
今まで、戦闘描写は意図的にそれなりにしてこなかったわけですが。
しても、超能力(スキル)的な部分以外の今の技術のみだったり。
ヨルムンガンド二次ラストで少しだけ、使ったぐらいか。
ネタバレ防止に後数回は投げときますが。
一応、理由ありまして、書くかは不明なんで端的に言うならば、ディスティアを含め『御伽噺の幽霊』は世界にとっての異物なわけでして。
それの最たるものである超能力を使い過ぎると、世界の復元作用?みたいなので弾き飛ばされるし、世界の神様みたいなのに拒絶される。
んで、世界のとっての異物どうこうってのは、この世界でも変わらない・・・はずなんだけど、構わずディス嬢は能力使ってる=一種の歯止めと言うか抑制が無くなっている状況なのです、はい。
やけっぱちとも違うんですけどね?
タイトルの英語の意訳『私の世界は、罪か唯一の貴方の死の色しかない』的な。
言うまでも無く、ディス嬢を指しています。
まぁ、恋人が死んで、直接殺した相手を殺害した直後のお話しですので。
とあれ、次の物語にて。