セピア色の想い出。

日々の生活と、其処から生まれる物語の布飾り。

ある日の会話(家族の写真(オリ)/過去)

2008-07-28 08:30:54 | ある日の会話(ジャンル混合)
本編時間軸より四年前。
女主人公、ディスティアの妹が彼女の因縁に巻き込まれた出来事の終焉直後。



「エイレンさん、これ預かって欲しい。」
「…《赤き女夜叉》のシンボルの紅いカラスマスクか。」
「うん。
 …男って、なんで最強(あんなの)欲しがるんだろうね。」
「そういうモノだよ、ディス。」
「狙うならね、私を狙えばいい。
 ナツメを狙うのは卑怯だ。」
「…まぁね、裏稼業としてならまだしも、ガキのケンカにはやりすぎたな。」
「……でも、私の名前が有名(うれもの)過ぎるのも一つだわ
 だから、今の群雄割拠を終わらせる、あの魔王のように」
「楽じゃないし、大丈夫なのかな?
 …本気の礼装する時には、取りに来い。」
「うん、ショート特攻服に白タスキ、安全靴か。
 一応、発注するかな、作って無いし。」
「はあ!?
 総長が作ってないってなんで。」
「先代と初代との約束。
 『血闘(ほんき)の礼装なんざ、しない総長であれ』って。」
「………」
「もう、「血」で染まってるのにね」
「アイツラが選んだのはお前だよ。」
「うん、ありがとう」




※血闘(ほんき)の礼装は、総長が生涯一度としてやる服装。
つまりは殺し合い込みの決闘の覚悟

或る日の会話(復活/ラルとアリアズナ)

2008-07-22 17:01:41 | ある日の会話(ジャンル混合)
指輪編後から約五年。
沢田綱吉が十代目就任決定後。
アリアズナの私邸の庭
木ノ下の安楽椅子にて。


「時間が無いわよ。」
「なんのことだ?」
「アルコバレーノの孫を二人持っている私にそれは白々しいわ」
「…確かに、否定はしない。
 後、十年持つかどうかだろうな。」
「そうね。」
「しかし、どうしろと?」
「マーモンやヴェルデみたいにあがこうとは思わないのかしら?」
「なりそこないに何をしろと?」
「(事実上、アルコバレーノで、初代に継ぐ証なのに。)」
「…どうした?」
「なんでも無いわ。
 ただ、好きな人がいるなら告っちゃえば?」
「…は、な、と?」
「『はぁ?何を誰に言えと?』かしら」
「ああ、そうだ」
「見てればわかるわ。」
「言えるか!」
「ラル、闇が春を望んじゃダメとは限らないわ。」
「……」




そんな会話
まだ平和なある日の一幕。

ある日の会話(沢田奈々とアリアズナ)

2008-07-09 18:58:04 | ある日の会話(ジャンル混合)
奈々とアリアズナ
義妹と義姉



「ザンくん、結局失敗したのね」
「ええ、結局殺さずに冷凍睡眠で済んだわ。」
「…姉様には余り良くない結果だったみたいですね」
「うん、そうね。
三人目の義息子だけど、アレはヴァリアー以外にあっちゃいけないのかも知れない。」
「でも、そうならずに九代目に反旗を翻したのよね」
「そう。
 正直言ってね、あの子のサガを考えるならギリギリまでいた方がマシよ。」
「…姉様はどうなさるつもりですか?」
「とりあえず、仕事復帰かしら?」
「義兄様もですよね…」
「…ええ、暫定的によ。」
「……」
「初代の末たる義妹よ
 貴女としては予測のうちでしょう?」
「そうですけど、実際にそうなるのは違いますわ、姉様」
「まぁ、確かに。」
「…まま、こわいゆめみた」
「あらあら、おっきしちゃったのね、ツッくん」
「大きくなったわね、ツナヨシ坊や」

(奈々がツナを寝かしつけに行く)
(やがて沈黙に耐えられなくなり呟く)

「……下手な方向に動けば、ツナヨシ坊やが十代目になってしまうわね。
 奈々、貴女はそれでも中立を貫けるの?」
「どうしましたか、姉様?」
「何でもないわ。
 …さてそろそろ帰るわ」
「泊まって行かないんですか?」
「ゆりかごの後始末もあるし、急がないとリカルド…ゴーラが来ちゃうわ。」
「そうですか…
 次はいつに?」
「ま、十代目が確定したらかしら?
 でないと巻き込んじゃいそうだから。」
「…お元気で、姉様
 あらゆる光の祝福とあらゆる闇の幸運を。
 姉様はまた悪魔と踊るのでしょう?」
「…ふふ、そうね。
 私が《大海》である限りは仕方ないわ。」
「…でも、私の約束は遅くなっても守ってくれたわ。」
「ええ、今回も守るわ。」
「だから、です。」
「ありがとう、奈々。
 貴女にも、同じ祝福と幸運を。
 更には深い眠りと穏やかな夢を得られるように願ってるわ。」
「それでは、さようなら、姉様」
「それでは、さようなら、奈々。」





テュールの腹違いの妹奈々さん。
色々ややこしい人です。
義理的にアリアズナの義妹で、最強ママな奈々さんです。
揺藍の反乱の直後に