attention!!
前半は、ヨルムンガンド原作四巻か五巻ぐらいまで。
バルメがいったん離脱する前のお話。(髪の長さ的な意味で。)
たぶん、オ-ケストラ編以降は確定。
後半は、ヨルムンガンド原作十巻から直で挿入。
十一巻の内容は一切知りませんので悪しからず。
次巻で最後と言うことなので、こっちのは、一足早いエンディングみたいな?
・・・だって、親に反抗するような理由で世界を敵に回して生き残れるはずも無いでしょ?的に思ったのです。
また、後半登場のシェンフォア嬢は、作者の純然たる趣味。(タイトルのαは彼女。)
かつ、作中の会話は基本、英語で行われているものとする。
()で注釈してある場合、メジャーじゃなかったり、英語ではない言語であるとする。
ついでに書きますが、「この物語は、フィクションであり、実在の人物・団体・事件・地名とは一切関係有りません。」です。
・・・+αの原作の関係です、はい。
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ヨナが入って間もない頃のことだ。
アフリカ某国のビル屋上。
白い髪で少女と呼んで差し支えないココ=ヘクマティアル。
銀髪と浅黒い肌の西アジア系少年で、左眼の下の切り傷がチャーミングなヨナ。
白髪交じりの実におっさんくさいレーム。
バルメ相手に、ナイフ演習中の一人の女性。
ゴム製などではなく真剣で、ナイフ演習中である。
文字通りの真剣勝負だ。
バルメは、黒い髪を長く伸ばし、タンクトップにカーゴパンツの締まってはいるが筋肉質で更に言うなら巨乳である。
また、元々の所属を示すようにタンクトップの背中から、鳥のタトゥーと右目の眼帯が特徴的だ。
女性は、青く輝く髪をざっくばらんにまとめた三つ編みと、キャミソールと黒く長いスカ-ト姿だ。
元々、着ていたらしいデニムブラウスは、ヨナがタオルと一緒に抱えている。
女性は、ココの私兵の中でも、白兵戦に長けるバルメと互角にやり合う。
右左右とナイフの持ち手を変えながら、ヘビが噛み付くように執拗な手数優先の攻撃。
しかし、まだ余裕はあるようで、バルメに話しかける。
「基本は、蛇の噛みつき(スネークバイト)のようににでしたっけ?」
「でしたっけ?って、そんな姿で、これだけやっといてですか?」
「師匠が13の時に殺されて以来、戦闘は独学ですから。
ナイフ術は基本をやった直後にでしたから尚更です。」
「つか、そんなカッコでいつもやってんのか?」
「ええ、こういう格好は、《風舞姫》ですから。
・・・足をさらせないのもありますけれどね。」
「でも、昔の喪服の方がひらひらのうわーたったよー」
「ああ、そう言えば、最初の頃は黒き寡婦(ブラックウィドー)でしたね。」
「・・・おりゃ、記憶力悪いが、くるぶし丈の膨らんだスカートの古式ゆかしいヤツだよな?」
「そうですね、百年前の寡婦の格好なので。
まぁ、私のナイフ術は本職ではないんです。
・・・というわけで、終わらせましょうか。」
ココとレームとも会話をしつつ、女性はそう呟くと同時に、上半身を引き、同時にスカートをまくり、バルメの手を真上に向かせた上で、ナイフの柄頭・・・持ち手の先のほうを蹴り飛ばす。
綺麗に、そう仕向けたのだろうが、真上に空に飛んでいくナイフ。
そして、抱きかかえるようにして、ついでにいうなら、唇を奪いつつバルメをその場から退かせた数秒後、ナイフがコンクリートの地面に落ちた。
「はい、ミス・ココ。
約束どおり、少年貸してくださいね。」
「相変わらず、無茶苦茶です。」
「何を今更、この稼業の・・・しかも、傭兵なんかをしているような人間が常識的なら、世界は終わっていますよ。」
「はいはい、えっと、何日?」
「十日、ほどですね。
超過は無いと思いますが、まったく、無茶苦茶な依頼ですよ。
完全に崩壊しているような、北朝鮮やソマリアの方がよほど、やりやすいのですがね。」
どうやら、女性は女性の仕事の為に、少年ーヨナを雇いに来たらしい。
いつも組んでいた青年が行方不明な為・・・と言うのは、ヘクマティアル本社からの情報だ。
現在の彼の雇い主は、ココの兄なのだが、その兄・キャスパーから許可はもぎ取ってきた、とのこと。
どこの民族か定かではない彼女と明らかに西アジア系の少年とでは兄弟と言うのも難しいだろうが、単独の戦争屋の面々では更に難しい依頼であるからと、ココの元を訪れた。
レンタル料として、欧州のテロリストどもの報告書を提示されたが、却下され、暇つぶしにか、バルメから一本取れたら、とのことで了承を得たわけだ。
結果、先ほどの試合になる。
正確に言うなら、一本ではなく、勝ち負け関係なく『試合中にキスできたら』とココは完全完璧面白がって提案したのだが、それをあっさりと、勝った上で叶えるあたり、女性の実力がうかがい知れた。
それから、特筆することは少ない。
彼女とココチームがそれなりに親しいこと。
例えば、この直後、他のメンバーも来て、ルツとアールが女性に対して、セクハラまがいの発言をした時も本気で怒るよりも、仲間内に対するように、顔を真っ赤にして、靴を投げるだけにとどめたり。
それをみて、ココ達が笑ったり、少なくとも、ビジネスライクな関係だけではない雰囲気だった。
もう一つはヨナと彼女が依頼中、車に乗っていた時の会話。
助手席の少年に、女性は話しておこうとでも言うように、話しかける。
「・・・ああ、そうだ、少年。」
「ヨナでいい。
知り合いの弟っていう設定にしても、怪しまれる。」
「なら、ヨナ。
今は言葉にできないが、もしも、君がミス・ココに銃を向けたなら、私のところに来ない?」
「ありえない。」
「・・・残念ながら、一年以内にあるから言っているの。」
「言葉にできないって?」
「そうね、言葉にしたら、確定してしまいそうだから。
ミス・ココは、そこまで想像が行っていないけれど、ヨナと他のメンバーが違うってこと。
それが原因でね、まぁ、今私がここまで口にしたことで変わってくれるなら、思考停止ではあるけれどそっちの方がいいかもしれないけれどね。」
「わけが解からない。」
「何が?」
「ココを裏切ることがあるかどうかはどうでもいい。
何故、お前はそれを言う?」
「・・・ガキ・・・、十七、十八ぐらいまではさ。
学校に行って、将来役に立つかわからない勉強して、衣食住を心配せずに甘やかされてりゃいい。
甘やかされっぱなしってのも、問題だけどね、ガキには武器を持って欲しくないし、戦って死んで欲しくも無い。」
「・・・甘いね。(・・・・あの司令みたいだ)」
「うん、私は優しくない。
ただのエゴよ、ある意味で子どもに、見殺しにしてしまったあの子を重ねているだけだもの。」
「そんなの絶対にダメだ、ココ。」
「・・・・・・ヨナ?」
呆然と、ココは呟き。
ヨナは、彼女に銃を向け。
レームが、彼に照準を合わせた。
一瞬、ほんの一瞬だけ世界が凍った。
「ょぉぉぉおくやった、少年。
私が味方してやる。」
降ってくる声。
否、文字通り、一人の女性が降ってきた。
肌も含めて一切、露出していない真っ黒い衣装。
防寒に重きを置いたパイロットスーツをすっきりさせたようなシルエット。
顔を全てを覆っていたマスクを取り去り、長く青に輝く髪を靡かせ、ニヤリと笑うは、情報屋・メレディ。
いつぞや、バルメとナイフの真剣勝負をしたあの彼女。
真昼のケープタウンの寂れた港に在ってすら、悪夢のような登場の仕方だ。
「久しぶりだね、ミズ・ココ。
お仕事と自分のプライドの為に、参上。
・・・言ったよね、身内と友人に手を出したら、殺すって。」
あくまでも、穏やかに友人に話しかけるような口調だ。
しかし、周りの雰囲気に折り合わないことこの上ない。
「SR班の鏑木とやり合った時、私の妹と黎夜に流れ弾が当たってね、絶惨治療中だ。
新羅曰く、妹はかすり傷だけど、黎夜の方は人間じゃなかったら、半年レベルだ、ホント、死ねやのレベルよね。
・・・それが無かったら、殺さない方向に仕事相手に交渉したんだけど・・・」
「何故、お前がここにいる、お嬢ちゃん」
「知っていたから。
理由まで見なかったから、絶惨後悔中だけれど・・・、ねぇ。
で、少年、どうする?
チビ共も確保可能よ。」
レームの言葉に、静かにメレディは、答える。
静かに、だけれど、怒りをにじませてだ。
奇しくもであるが、約一年前に、少年に言った場面がここなのである。
「・・・・・・」
「ミズ・ココ、その仲間のレーム以外の面々。
なんで、少年がこうしたかわかる?
解かってないでしょ?
解かってないなら、ケツまくって失せな。」
悠々と、拳銃を取り出し、ココ達に向けるメレディ。
あくまで晴れやか、あくまでも涼やか。
そして、あくまでも、辛辣だ。
彼女がここにいるのは、助けて貰えなかったあの時の自分を救おうとしている、と言っても間違っていないのだ。
或いは、あの時、自分を庇って死んでしまったあの少年を救おうとしている、と言っても間違っていないのだ。
いつもより、多弁なのは突っ走りそうなその激情を押さえ込もうとしているせいでもある。
「・・・ここか?」
「うん、前に君に言った出来事は恐らくここだ。」
「なら、ここで止める為にも・・・」
「少年、今のミス・ココの優位は量子コンピュータあってこそのものだよ。
それを何もしないで、ここにいると思う?」
『こちら、雷神。
風舞姫、終わったで。
セキュリティ、ザルやで、ザル。
連鎖して、人工衛星も潰しとくで、オーヴァ。』
『こちら、風舞姫。
了解した、ドク・マイアミにミス・ココに連絡しろってメッセ送っておいて。
ついでに必要データ、各国の情報部へ、オ-ヴァ。』
その時、無線が入った。
漏れ聞こえてきたのは、日本語。
流暢過ぎて、聞き取れなかったが、この状況で来る無線だ。
穏便な内容であるはずが無い。
トージョだけが、内容全てを理解していた。
何か言うはもとより、どうすればいいのか、反応できないココ達。
疑うは元より、有りうるなどととは思わなかったのだ。
「・・・計画を止めるなら、人間潰すより、道具を潰せ。
簡単な理論だよ?
まぁ、マンハッタン計画みたいに、多数の人員が関わってるなら、人間もだけどね。」
「何故、その少年に言う無い。
人質の子ども、姐々(チェチェ)助けた。
少年、その女に従てる理由、違うか?
後は、姐々(チェチェ)が少年攫う、それで終了ね。」
「そーだけどね、シェンホア。
言うまで出てこないでって言わなかった?」
深い藍色の髪を長く伸ばしたアジア系・・・恐らくは、訛りの入る英語からして華僑系の妙齢の美女。
真紅に壮麗な刺繍の入ったチャイナドレスに、白の短いジャケット。
カタギではない証拠に、深いスリットから覗く太ももにはは無数の鏢が、両手には二つの青龍刀が握られている。
また、それ以上に隠そうともしない殺気が彼女から溢れていた。
それなりに有名で、三合会(トライアド)に雇われることが多い女性であった。
「とても楽しくなりそうな状況ね。
ペイをふいしても、ヤりたいよ?」
「・・・少年の判断、待ってね。
その後は、マオ以外は殺してもいいから。」
「お前の目的は、ヨナだけか?」
「うん、そう。
亀裂が決裂したのなら・・・。
そういう風に生きれるようにおせっかいさ。」
「猫猫(マオマオ)て誰か?」
「ネコちゃん、違う。
あのおっちゃん。」
私兵の中の一人。
アジア系で三十代の砲撃手を指す。
もちろん、可愛くないおっさんである。
「可愛くないね、甘いネ、姐々(チェチェ)。
・・・ヴェルマーも同じ違う?」
「何を今更。
バルメの方は、今何をしているか知っている。
知らないで待っている人がいるなら、死なないで欲しい、それだけ。
今は、私が依頼人よ。」
「手加減するはない。
超の着かない一流でもこれだけいるなら現役の『金義潘(カンイファン)の白紙扇(バックジーシン)』と火傷顔(フライフェイス)とボリス、『二挺拳銃(トゥーハンド)』をいっぺんに相手にするようなモノね。
職業軍人と言っても、まとまれば強いよ、毛利の矢よ。」
「刹と援護いても?」
「無理ね。
この稼業、油断しない、鉄則よ。」
「・・・わかった。
極力、できれば、可能なら、でいいわ。」
つらつらと、会話を流す二人。
周りの面々は、敵か味方か、女性ー自分達が風舞姫と呼び、女性が姐々と呼ぶその人の真意が読めず動かない。
「お仕事・・・とか言っていたが、何処のだ?」
「ロアナプラ、正確には、メインとしては、《ホテル・モスクワ》と《三合会(トライアド)》のタイ支部トップから。
バラライカの言葉に、思わず涙でちゃった。
アフガンツィ(アフガニスタン帰還兵)だから、全く知らないわけじゃないでしょ、レーム。」
「・・・あの火傷顔(フライフェイス)か?」
レームの質問にさらりと、メレディは答える。
≪ホテル・モスクワ≫に幹部は数在れど、タカ派、有数の攻撃力を有するは、ミス・バラライカ。
旧ソ連の第318後方撹乱旅団・第11支隊出身で、アフガン侵攻の際、上官志望の為、彼女が率いた部隊だ。
そして、現在の≪ホテル・モスクワ≫のタイ支部随一の戦力「遊撃隊(ヴィソトニキ)」として、彼女直属の配下となっている。
いや、その部隊だけが、彼女の配下なのかもしれない。
その彼女からの依頼で、メレディは動く。
或いは、自身の為に。
「彼女からの伝言。
『ミス・ココとやらに伝えろ。
お前は、触れてはいけないモノに触れた。
我々、敗残兵ですらなくなった軍人崩れ(エクスミリタリー)の無頼者(マフィア)になった。
ソヴィエトに捨てられ、新生ロシアからも見捨てられ、そうして全てを失った我々に唯一残されたものだ。
軍旗の名の下で生と死と戦争の全てを味わってきた‐‐‐その矜持だ。
黴が生え、古びた碑に成り果てた矜持の残滓だ。
お前の意思は、明日無き生に等しい、張のようなそんな生き方はごめんだ。
無為に生を全うするのは、犬と変わらない。
お前の隊は、我々の敵ではない。
我々が望む死を、然るべき敵と然るべき戦いで、『自分が何者だったのか思い出して』死ぬことを叶えることはできない。』
・・・とのこと、貴女の思想だと、武器を所持している軍隊って言うけれど。
要は、武力の制限も当てはまるわよね、なら、私達みたいな異質(エイリアン)も皆殺しよね、だから、敵に回ります。」
要は、「テメェなんかに従えるか、クソボケ」程度の台詞である。
また、ココのヨルムンガンド計画は、言ってしまえば「強制平和」計画だ。
そこに、メレディは元より、バラライカ達の居場所は無い。
であれば、とる道は、多くない。
そんな台詞まで、言い終わった時だった。
ココのイリジウム衛星携帯電話に着信が入る。
ノロノロと、ココはどうにか、電話を取ると相手は、ドクター・マイアミであった。
『ちょっと、どういうこと、ココ。
量子コンピュータ、壊されちゃったわよ。
普通のPCと違うから、ウィルスってことは無いはずなのに。』
それで、すぐにココは頭を切り替える。
量子コンピュータ無しに計画はありえない。
既に巨額の資金を使っていることもあるが、諜報部が気付き始めた状況で、それが無くなる事は、王手を掛けられたも同然の状況だ。
「何をしたの。
非ノイマン型のあれにウィルスは・・・まさか、理論だけの量子コンピュータのウィルスを作った?」
「半分正解。
量子コンピュータ・・・正確には、今造られたのは、ウィンドウズで言う、Ver.1,0程度のだけど。
それの軍事用に特化した量子PC、ウィンドウズXPレベルのものね、それ用のマリオネットウィルスをレベルを落とし込んで、作成したの。
こういうのは、イタチゴッコよ、そして、私は≪図書館≫の中枢、それは明かしてあったのにね。」
『まぁ、厳密に言うたら、オリジナルみたい量子専用やなくて、ココちゃんのコンピュータ専用に組んだもんやからなぁ。』
「・・・≪L≫、勝手に回線侵入するな。」
『手持ち豚さんなんやもん。
後は、≪教皇≫と≪死神≫ら待機組だけやろ、動くんは。』
「・・・一応、失敗はしましたが17歳で、反≪チャイルドクラン≫同盟の盟主になったのは伊達じゃない。」
「・・・・・・」
「・・・ねぇ、あの時の言葉に嘘は無いの、メレディ?」
「ん?・・・無いよ。
少なくとも、自分の腕に収めれる程度のガキ達にはそうなって欲しい。」
「なら、行く。
メレディの方がマシだ。」
「了解(ラージャ)、シェンホア、当初通りに。
ラビもね。
≪L≫、奪取組にも同じく。」
そして、ヨナの回答の直後、いくつかの銃声が鳴る。
メレディはとっさに動く。
早口言葉の要領で二つの能力開放の言葉をつむぐと同時に、幻影呪を紡ぎ、髪の色は青く輝くそれのままだ。
矢次早に、指示を出しながら、ヨナを庇うように抱きしめる。
「シェンホア、ラビ、後任せた。
二十分後に、打ち合わせ地点に。
最低限全員、行動不能。
第一目標、回復役(リカバリー)。」
肩甲骨から、半透明でそれ自体が発光している翼で、ヨナと自身に当たるはずだった銃弾をはじくも、彼女自身に数発はかすり、腕に一発めり込んでいる。
それでも、メレディは、ヨナを抱き上げ、その翼で姿勢制御しつつ、飛び去った。
まぁ、その後のこの場のことで記すのは多くない。
レームとココが、屠られた時点で、さして彼らができることは少ないのだから。
「あたた、悪い、少年。
後ろバックから、包帯とガーゼくれ、止血する。」
「弾は?」
「抜くにしても、此処じゃ無理。」
「・・・ココ達を殺すのか?」
「わからない。
殺す・・・殺させるつもりだけどね。
レームと、ココまではどうにかなる。
あと、ウゴとルツぐらいなら、狙撃でどうにかなる。
だけど、トージョ、マオ、バルメ、ワイリを殺せれば奇跡だ。
・・・まぁ、バルメが一番、殺さないと、まずいね。
可能なら、ワイリもヤッときたい。」
あの港より、数キロ離れたワゴンの中。
脂汗だらけのメレディは、手当てをしながら、ヨナの質問に答える。
「少年、こんなでも世界は好きか?」
「・・・好きだよ。」
「なら、まだ、少年は幸せになれるさ。」
「メレディは?」
「どっちでもあるよ、嫌いだし好きだし、ね。」
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
後書き。
元々は、ある日の会話×二つでしたので、三千字行かないかな
思っていましたら、結構、八千字と短編ぐらいになりました、SSの予定でしたのに。
ええと、冒頭に書きましたが、十一巻の内容を知らずに、強制終了☆なノリで書きました。
途中で、ブラクラにはまってシェンホア嬢が登場しましたが、でなければ、メレディ無双になるだけでしたし。
作中の量子コンピュータ用ウィルスは、ガンダム種外伝のMS・ゲルフィニードのバチルスウェポンシステムより。
また、作中の青銀髪の女性=メレディ=ディスティアです。
色々と裏話と言うか、メレディが去った後の攻防など書きたいですが、十一巻発売まであんまし時間無いので、それは余力あれば、ですね。
説明不足・・・特に専門用語系は説明なげましたが、各自ググってくださいませ。
では、次の物語に。