IBM/Red HatがRed Hat Enterprise Linuxのソースコードを保守契約者限定に変更
IBM Red Hat Puts RHEL Source Behind Paywall - ServeTheHome
IBM傘下のRed Hatが、Red Hat Enterprise Linuxのソースコードの提供を保守契約者のみに変更したらしい。これまでは、SRPMファイルで提供されてきたため、ビルド環境さえあればRHEL互換Linuxを構築できたが、今後はそれができなくなる。恐らくCentOSがCentOS=RHELのダウンストリームという位置づけからCentOS Stream=RHELのアップストリームに変更されたのは、今回の動きの布石だったのだろう。
また、AWSのAmazon Linux 2023の動きを見ると、今回の計画を既に知らされていたか想定されていたのだろう、Amazon LinuxはAmazon Linux 2=CentOS同様のRHELのダウンストリームから、Amazon Linux 2023でFedora=アップストリームからのフォークという開発形態に変更されている(非公式ながらこちらの記事が解り易い?)。
ServeTheHomeの記事では、旧CentOSと同様の開発形態だったAlma LinuxとRocky Linuxへの影響に言及されているが、Oracle Linuxにも同様の影響が発生することだろう。
ところで、興味深いのがGPL互換性だろう。
実は筆者も誤解していたのだが、GPLの言うソースコードの提供はバイナリーに添付されるという条件のため、RHEL保守契約者にバイナリーとソースコードを提供するという新形態はGPL違反にならないようだ。
ちなみに、蛇足ながら筆者個人に関して言うと、大昔からRHEL(ほか旧CentOSやRocky LinuxなどのRHEL互換Linux)が大嫌いで個人では使用しておらず、保守契約済の職場での付き合いのため影響がない。
筆者はLinus Torvalds/Kernel.org公式のLinuxに好感を持っているため、Kernel.orgのカーネルに追従しているDebian GNU/Linux・Arch Linux・Amazon Linux・Intel Clear Linux・Microsoft CBL-Marinerなど(そのほかRaspberry Pi OS・OpenWrt・Armbianなども)には好感を持っているが、わざわざLTSでもないサポート切れのKernelに膨大なパッチを当てて10年間も保守して使っているRHELやUbuntuは理解に苦しむ。
Linux Version | Release Date | EOL Date | LTS | Major Linux |
---|---|---|---|---|
4.18 | 2018-08 | 2018-11 | Not LTS | RHEL 8 |
4.19 | 2018-10 | 2024-12 | 19 th LTS Release | Debian 10 Buster |
5.10 | 2020-12 | 2026-12 | 21 st LTS release | Debian 11 Bullseye |
5.14 | 2021-08 | 2021-11 | Not LTS | RHEL 9, SLES 15 SP4, SP5 |
5.15 | 2021-10 | 2023-10 | 22 nd LTS | Oracle UEK7 |
5.17 | 2022-03 | 2022-06 | Not LTS | Ubuntu 22.04 LTS |
6.1 | 2022-11 | 2026-12 | 23 rd LTS | Debian 12 Bookworm |