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私的コラム&雑記(&メモ)

今週の興味深かった記事(2019年 第36週)

2019-09-08 | 興味深かった話題

Samsung Exynos 980, Huawei/HiSilicon Kirin 990

Huawei Kirin 990 & Samsung Exynos 980 are the First Mobile SoCs with Integrated 5G Modem - CNX Software

 最先端プロセスである7nm/8nmが非常に高価であるせいもあるのだろうが、なんとも難しい構成である。

 Samsungが発表したExynos 980・Huawei/HiSiliconが発表したKirin 990に、現行のプロセッサーを比較してみた。
 まずはSamsungであるが、前世代Exynos 9820/9825とExynos 980との比較で気になるのはCPUの変更である。Armの新開発Cortex-A77は非常に高いパフォーマンスが予想されているとはいえ、Samsungは独自実装のExynos MシリーズCPUコアを持っており、Exynos M4 2.73 GHzとCortex-A77 2.2 GHzとでは前者の方が高速ではないかと想像する。ミッドレンジコアの省略やGPUが同じMali-G76ながらMP12からMP5への大幅削減も併せて考えると、5Gモデムの消費するリソースが相当に大きく、半導体バジェットの制限からCPUやGPUを削減したのではと推測する。
 Huaweiはスペック表だけで見れば、Kirin 980をシュリンクして5Gモデムを統合しただけという感じだ。CPUはやや動作周波数が向上しているが高性能なCortex-A77の搭載は見送っており、一方でGPUは同じMali-G76ながらMP10からMP16に拡張している。

 先入観なしにExynos 980とKirin 990を比較すると、多くのワークロードで後者の方が優れているのではないかと思われるが、そもそもSamsung・Huaweiとも自社製プロセッサーを外販していないため搭載端末がSamsung製端末・Huawei製端末に限られる。言い換えればAndroid OSの動作も微妙に異なってくるし、Huaweiに至ってはEMUI Androidから独自のHarmony OSへの移行が決まっており単純比較はできない。さらに言えば、Huaweiについては米中貿易摩擦によりArmもHuaweiへのプロセッサーライセンスの停止を検討中と報道されており、いつプロセッサーの製造が停止されるか分からない。
# 勝手な想像だが、Kirin 990にCortex-A77が搭載されなかったのはライセンスを取得できなかったせいかもしれない。

 New GenerationCurrent Generation
Samsung
Exynos 980
Huawei
Kirin 990 5G
Samsung
Exynos 9825
Huawei
Kirin 980
Qualcomm
Snapdragon 855+
High
Perormance
Arm Cortex-A77
2.2 GHz x2
Arm Cortex-A76
2.86 GHz x2
Samsung Exynos M4
2.73 GHz x2
Arm Cortex-A76
2.60 GHz x2
Arm Cortex-A76
2.96 GHz x1
Moderate N/A Arm Cortex-A76
2.09 GHz x2
Arm Cortex-A75
2.4 GHz x2
Arm Cortex-A76
1.92 GHz x2
Arm Cortex-A76
2.42 GHz x3
Low Power Arm Cortex-A55
1.8 GHz x6
Arm Cortex-A55
1.95 GHz x4
Arm Cortex-A55
1.95 GHz x4
Arm Cortex-A55
1.80 GHz x4
Arm Cortex-A55
1.80 GHz x4
GPU Arm Mali-G76 MP5 Arm Mali-G76 MP16 Arm Mali-G76 MP12 Arm Mali-G76 MP10 Qualcomm Adreno 640
Integrated
Modem
3G/4G/5G 3G/4G/5G 3G/4G 3G/4G 3G/4G
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