碧空の下で

人生の第四コーナーをまわって

ディープ タイ 8

2014-09-25 16:30:56 | タイ紀行
タイで美しいものは海と宝石だという・・誰が言ったか忘れましたが、その言葉が頭に残っていて、今回の旅ではぜひ海を見たいと思った。いままで、何度かタイに来ているが、一度も海を見ていない。前回の旅では宝石を見たから、これでタイで美しいものは一応見たことになるはずであった。しかし、おいしい食べ物には食べごろがあるように、海にも見るべき時がある。それを潮時と言うかは知らないが、タイの海にもそれはある。アクアマリンの水際からマリンブルーに変わり遠くエメラルドグリーンに続く広大な海を想像していた。旅はなにごとも期待しないのがワシ流であったが、今回はプーケットとカノンビーチなんです。アンダマン海とシャム湾です。かつて日本軍が上陸したほど美しいところ?なんですわ。少しは期待があっても許されるのではないか。たとえ雨季であろうと。お尻を痛くしてまで来たのだし、真っ先にお寺に行ってお布施をしたのだし、少しぐらいは色付けてもろわないと、帰れまへんがな。けれどそんな思いとは関係なく、見渡す限り空は曇り、海は青くなく、おおきな池のように波もなく、時間すら止まったようなけだるさで、シャム湾は昼寝中であった。聡明なる輝きも、無邪気な活気もなくした中年女のふて寝であった。それが、雨季のタイの海だった。南洋の海と言うと我々の頭の中にイメージする風景があるのだけど、タイの人の海のイメージは夏の海です。夏と言っても日本の夏です。冬の海のイメージがない。冬がないから当然なんですが、まして冬の日本海の暗い、狂人のひたいのような陰鬱なイメージはない。季節の変化がはっきりしている日本の自然の風景を知らないタイ人のメンタリティーは、やはり我々より明るいように思う。「マイペンライ」(気にしない、なんでもない)がタイ人の心情らしい。ワシもその手で生きたいものだ。




                 

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