tokyoonsen(件の映画と日々のこと)

主に映画鑑賞の記録を書いています。

『人生の特等席』

2013-07-11 20:59:10 | 映画-さ行
 クリント・イーストウッドの4年振りの主演作で、自分の監督作品以外では、俳優をするのは19年振り。次はいつになるのかな、とも思うけど、正直言って出演作よりも監督作の方が待ち遠しい気がします。

 原題は『Trouble with the Curve』で、これは出てくる高校生スラッガーの問題のことなのかしら。もしくは映画全体において、何かの意味があるのかもしれないけど。そういう深読みの楽しみを考えると、人生の特等席、というタイトルは、ちょっとやり過ぎ出き過ぎじゃないかと思う。好みの問題だろうけど。

 ストーリーは、あまりにも正統的というか、観ている人の大部分が自然に予測するだろうところに進む。
 ただ、これはある意味気持ちが良かった。クリント・イーストウッドだけが、なんだか浮いてる感じもしたけどね。やっぱりそこばっかり観ているからかな。映画の中ではジャンク・フードばかり食べていたクリント・イーストウッドは、82歳。普段はどういうものを好んで食べてるんだろう?と、急に気になった。

 ロバート・ローレンツ監督、2012年、アメリカ。

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『華麗なるギャッツビー』

2013-07-07 20:53:02 | 映画-か行
 ああ、びっくりした。

 派手でびっくりした。2Dで観たけど、どうして3Dなんだろう?という疑問が見ているうちに、するすると解ける。ここが3Dの見所なんだろうなという場面が結構あった。でも2Dでも十分にお腹いっぱいなので、特に悔いはなし。

 昔原作を読んだ時は、ギャッツビーのことをどうも好きになれずじまいだった。
 そして今回、やっぱり好きとは言えない。けど彼の持っている輝き(ニック曰く)は、切なさとして胸に迫ってきた。泣きそうになった、タイタニック以来(ディカプリオ比)。

 持てるものを失わないよう、全力で立場を守る人たちと(意識的でも、無意識的でも)、「先へ先へと後退していく狂騒的な未来」に手を伸ばそうとする人たちと、どちらの輝きが魅力的かと言えば、私には後者である。「後退していく狂騒的な未来」とは、ギャッツビーにとっての<緑の光>であり、<過去>であり、どちらも手をすり抜けるものなのかもしれないけれど。

 そして、『ギルバート・グレイプ』や『マイ・ルーム』のディカプリオは、本当にきれいだったなと思い出す。

 バズ・ラーマン監督、2013年、アメリカ。
 

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『ロストロポーヴィチ 人生の祭典』

2013-07-04 20:49:23 | 映画-ら行
 釣りをしたことが全くないのにもかかわらず、何故か釣りのシーンが好きだし、音楽の素人にもかかわらず、音楽家のドキュメンタリーを見るのが好き。どうして?、かは、良く分からない。水に揺られているような気がするのかしら。

 世界的チェリストのムスティスラフ・ロストロポーヴィチさんは、この映画が公開された翌年(2007年)に80歳で亡くなったらしい。
 
 妻の天才ソプラノ歌手ガリーナ・ビシネフスカヤさんと、ロストロポーヴィチさんの半生を描いたドキュメンタリー。

 各国の王室が集まるような、盛大な金婚式。こんな世界もあるんだなあとしみじみとスクリーンを見つめる。その金婚式のシーンを軸に、旧ソ連の時代を生きてきた芸術家の人生が映し出される。よく思うけれど、「反体制派芸術家」って何だろう。じゃあどうしろって言うんだろう。あと、監督のモノローグ。弟子の小澤征爾さんも出てきた。少し変わったドキュメンタリーだった。人柄とはかかわりなく、なんだかずっしりとしている。金婚式が、とても華やかだからか。

 アレクサンドル・ソクーロフ監督、2006年、ロシア。


    【映画チラシ】ロストロポーヴィチ人生の祭典 アレクサンドル・ソクーロフ