tokyoonsen(件の映画と日々のこと)

主に映画鑑賞の記録を書いています。

中国インディペンデント映画祭2013

2013-12-09 22:28:47 | 日記
 5作品、観ることができた。

 ポン・タオ監督 『嫁ぐ死体』、リー・ルイジン監督 『白鶴に乗って』、チュウ・ジョンジョン監督 『マダム』、ウー・ウェングアン監督 『治療』、シュー・トン監督 『唐爺さん』。後ろの三つはドキュメンタリーだった。

 上映後のトークなどで聞きかじった話だけれど、中国では検閲があるので、今回の映画祭で上映された作品のほぼすべては、映画館での一般公開という意味では中国国内では上映されないらしい。普通には観ることが出来ない。なので監督たちは、外国の映画祭(今回のような)での上映を目指すか、もしくは検閲を通るために様々なシーンをカットした、国内用のものを作ることになる。
 唯一、子供が主人公で、子供を追ったストーリーの作品だけが、上映許可が下りたらしい。そういう傾向ということだ。イランと同じである。子供の映画は楽しいことが多いし、いい映画も沢山あって好きだけれど、誰だって、いつかは大人になるのだ。ならざるを得ない。大人になってみると、何もないなんてことがあっていいのだろうか。キョンシーや、時代がかった盗賊や貴族だけが大人ではない。(キョンシ―って大人とかあるのか分からないけど。)

 それで、TⅤで見る中国と言うと、漁船とかコピーネズミとかばかりでもう見飽きたようにも思うので、こういう映画も上映したら面白いんじゃないだろうか。もちろん、敬意を込めて。見方によっては(たとえば検閲元の中国政府から見れば)、経済発展と何の関係もなく、そして強く正しいばかりじゃない中国を出すなと、お怒りの面もあるかもしれないけれど、そこにはとても美しい景色があり、また出てくる人たちは、泣きもし笑いもし、美しい人たちばかりだからだ。それは、監督たちが一つ一つ丁寧に拾い上げ、大切にしている中国のはずだ。